霧の花(1)

 こんにちは。ご無沙汰してます。

 こちら、なみたろうさんにお約束しました「桜に抱かれる薪さん」です、て、いつの話だ(^^;
 シチュもちょっと違っちゃって、何よりもなみたろうさんの描かれる薪さんの色気に遠く及ばなかったのですが、なみたろうさんの一ファンとして、なみたろう部屋に捧げます。なみたろう部屋にお住まいの方々には手ぬるいと思いますが、どうぞお納めください☆




霧の花(1)





「騙された」
 恐れていたことがとうとう始まった――察して青木は肩を強張らせた。ハンドルを握る手にじっとりと汗が滲む。
 助手席のドアに頬杖を付き、細い顎を載せた手のひらに吸い込ませるように発したその一言が、すなわち発砲合図。ここから薪の唇は散弾銃の銃口になる。
「おまえ今朝、僕になんて言った」
「せっかくのお休みだから遠出しませんかって」
「それは前振りで本文じゃない。僕はこのドライブの目的を訊いている」
「……『富士山を見に行きましょう』」
「で。それはどこに行けば見えるのかな」
「ええと、左手に河口湖がありまして、その向こうに」
「僕の視界はどこまでも真っ白だけど」
「いえ、霧で見えないだけで、本当は」
「かすみ眼かな! 年のせいかな!」
「……すみません」
 早朝、東京の空はきれいに晴れていた。天気予報も太鼓判を押していたから、低血圧の薪を無理やり起こして車に乗せた。ら、首都圏を抜けた辺りから4月の空はみるみる曇ってきて。山梨県に入った頃には雲どころか霧まで出てきた。5台先の車すら見えない有様なのに、20キロ離れた山など言わずもがな。

「で、でもっ。予報では午後からお日さまが覗くそうですから、きっともうすぐ」
 ぽつん、とフロントガラスを叩いた雨粒は直径5ミリ。外を歩いていれば気付かないレベルだ。その微細な模様が徐々にフロントガラスを埋め尽くしていく。しかしワイパーは動かせない、だって。
「そーかー。午後から晴れるのかー。本当だ、空が明るくなってきたぞー」
 棒読み通り越してストロー読みなんですけど。中身空っぽなんですけど。
「楽しみだなー。富士山、初めてなんだー。もうすぐ見れるんだ、うれしいなー」

「えっ。本当ですか」
 思わず上げた青木の声に、薪は口を噤んだ。少し考えてから小さく首を傾げる。
「どうも山に嫌われてるみたいでな。何度か来たことはあるんだけど、いつも曇ってて見えないんだ。何年か前、第九の慰安旅行で来た時もそうだっただろ」
 言われてみれば。富士は女山だと言うから、薪の美貌に嫉妬して顔を見せないのかもしれない。
 しかし、それは困った。
 青木も骨の髄までガンジー主義ではない。天気が悪いのは自分のせいではないのだからと、薪の恨み事の半分は聞き流していた。だけど、そんな経緯があったなら。今度こそはと期待も大きかっただろうに、可哀想だ。

「どうした。急に黙りこくって」
「いや、今までも黙って聞いてましたけど」
「言い返してただろ。心の中で」
 ぎくりと青木の背中が緊張する。この人って、本当に他人の心が読めるんじゃ。
 冷や汗を流す青木の横顔を面白そうに眺めながら、薪は左の口端だけを意地悪そうに持ち上げ、どことなく嬉しそうに言った。
「おまえって、みんなが言うほど素直じゃないよな」
 ふふ、と笑って外を眺める。霧で何も見えないのに。
「薪さんだって」
 みんなが言うほどじゃない。怖くない。冷たくない。真面目だけど、機械みたいに四角四面じゃない。仕事には厳しいけど権威主義者じゃないし、皆が噂するほどお堅い人でもない。仲間内でしか見せないが、先刻のように砕けた一面もある。
「山が見えないなら仕方ない。恭子ちゃんの写真でも見るか」
 そこまで砕けなくても、てか、オレの心が砕けそうです。
 たまの休みにせっかく二人で出掛けるのにどうしてそんなものを持ってくるんだろう。恨みがましい目つきで薪を見やれば、スマートフォンの画面でリズミカルにタップする指先が楽しげで、彼の機嫌が直るならばと青木は己の嫉妬を腹の底に沈める。……今夜掘り起こすけど。

「青木。このまま行くと1合目でUターンだけど、いいのか」
 赤信号で停車した青木に、薪が自分のスマートフォンを見せる。画面には富士山の観光案内が映っており、先ほど薪は女の子の水着写真に鼻の下を伸ばしていたのではなく、青木と一緒に歩くルートを思案して微笑んでいたのだと知ったら天にも昇る心地になったけれど、内容を見て地獄に落ちた。なんてことだ。
 スバルラインは残雪のため未開通。除雪が完了するのは5月の中旬と書かれていた。
「今年は雪が多かったからな」
 さほど落胆した様子もなく薪はスマホをしまったが、青木にしてみればこれは大きな失敗だった。忙しい薪の貴重な自由時間をもらっているのに、下調べが甘くて目的地にも着かない。富士は観光地としても有名だから、今日のように眺望が望めない日でも、レストハウスのある5合目まで車で登れば土産物屋や名物を食べさせるレストランがあって、それなりに楽しめるはずだったのだ。

「すみません。オレのチェックが甘くて」
「桜だ」
 青木の謝罪を、わざとではないのだろうが薪が遮る。え、と聞き返す青木に、薪はもう一度同じ言葉を繰り返した。
「東京ではとっくに散ってしまったのに」
 湖の畔に連なる桜並木に眼を奪われつつ、薪は呟いた。通り過ぎる春の風景を惜しむように、身体を捻って後方を見ている。
「この辺は今頃が満開なんですね。地元の商工会で桜祭りをやってるみたいですよ」
「そうか。生憎の天気だったな」
 風に紛れてしまうはずの雨粒は、いつの間にか霧雨に変わっていた。白かった空は鈍色にその色合いを変え、出番を待っていたはずの太陽はどうやら雲隠れしたようだ。
「寄ってみますか?」
 スバルラインが通行止めでは、5合目の観光予定は丸潰れだ。ホテルのチェックインは3時。この車の流れだと、2時間ほどの時間調整が必要だ。
 そう思っての提案だったが、薪の反応は芳しくなかった。
「僕が騒々しい花見が嫌いなの、知ってるだろ」

 知ってる。もう、薪のことなら何でも知ってる。
 手作りらしい立て看板の「F市第32回桜祭り」の横に、「カラオケ大会」「ビンゴゲーム」と書いてあった。桜だけでは人が集まらないから、主催者側でも花以外の目玉を用意しなければならないのだろう。でも薪はそういうのが嫌いだ。
 花を愛でるのに言葉はいらない。花とは全然関係のない姦しいお喋りや、ましてや桜の下に機材を持ち込んでのカラオケ大会など、あり得ない。
 だから薪の花見スポットは、青木のアパート前の公園が定番だ。住宅地の中なので、夜は集会が禁止されている。そのおかげで人も少なく、静かな花見が楽しめる。

「いえ、お祭りの方じゃなくて。湖畔の駐車場に車停めて、少し歩きましょうかって」
「雨具が必要だぞ」
「積んであります」
 前の車のテールランプの点滅に合わせてブレーキを掛ける。停車してから隣を見ると、薪がまんざらでもなさそうな顔をしていた。
「用意のいい男だ」
「ありがとうございます」
 日本最大の観光地は土日ともなれば渋滞のメッカで、車はのろのろとしか進まない。駐車場探しにはうってつけのスピードだ。悪天候も重なり、程なく無料駐車場に空きスペースを見つけた。天気の良い日はこういう場所はすぐに満車になってしまって、時間帯によっては駐車のために1時間以上も待つことになるのだが。怪我の功名と言えるだろうか。

 車から降りてみると、外は羽織ものが必要な温度だった。雨のせいで気温が下がったらしい。スプリングコートでは少し寒いくらいだ。
「はい、どうぞ」
 トランクから傘を取り出し、助手席のドアを開けて薪に差し出す。しかし薪はそれを受け取ろうとしなかった。肌寒さに気持ちが萎えてしまったのか。薪は寒さに弱いのだ。青木は自分のコートを貸してやろうと、それを脱ぎかけた。
 青木は薪の特性を知り尽くしている。それゆえの気遣いは、でも違った。薪の躊躇いは、もっと別のことだった。
「傘」
 えっ、柄が気に入らないとかそういうこと? 勘弁してくださいよ。
 薪のわがままは天下一品。時と場所を選ばないその潔さはもはや神の領域。いいですけどね、かわいいから。
「あー、すみません。薪さんのお好きなフォックスはちょっと手が出なくて」
 薪の愛用の傘は英国製のフォックスアンブレラ。品質の良さは誰もが認めるところだが、1本3万円の傘は青木の給料では買えない。

「来月のお給料出たら善処しますから、今日のところはこれで我慢して」
「おまえの傘は?」
 邪魔になるから1本しか積んでない。青木が答えると、薪は呆れた顔をして、
「それは積んであるって言わないだろ」
 え。なんで?
「二人で1本の傘をどうやって使う気だ」
「安心してください。一緒に入ってくださいなんて言いませんから」
 使ってくださいと薪の手に傘を押し付ける。薪はしぶしぶ立ち上がって傘を開き、腕を伸ばして青木に差しかけてくれた。
「濡れると風邪を引く」
 おかしなことを言うと思った。捜査中に傘を持ったことの無い人が。
 事件のことで頭がいっぱいの薪は、雨に濡れるのなんか気にしない。推理に没頭しては天気などお構いなしに歩き回る彼の後ろを、いつも誰かが傘を持って追い掛けていくのだ。当然、追い掛ける方はずぶ濡れだ。

「二人で入るのは無理です。オレの身体じゃ」
 一人で入っても気を付けないと肩が濡れてしまう。薪は青木の大きさを羨ましく思っているようだが、実際は不自由なことの方が多い。
「このくらいの雨なら僕は平気だ。それはおまえが使え」
 傘の柄を青木の肩に引掛け、薪はさっさと車から離れた。慌てて後を追う。追いついて、後ろから傘を差し掛けようとして、青木は手を止めた。これじゃ仕事の時と変わらない。
 今はプライベート。薪は怒るかもしれないけど、ここから歩いて帰るわけにもいかないだろうし。やったもの勝ちだ。

「な」
 青木はコートの片袖を脱ぎ、広げて薪を抱き込んだ。後ろから、不意を衝かれた薪がバランスを崩し、青木の腰の辺りに縋りつく。思いがけないサービスだ。
「イタタ。山梨の桜は攻撃的ですねえ」
 抱きつかれてたたらを踏んだら、肩に掛けておいただけの傘は下に落ち、青木は桜の枝の中に頭を突っ込んでしまった。枝が頭に刺さってかなり痛い。
「天罰だ。悪いことをするからだ」
「ワルイコト、ですか?」
「公共の場所で、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動を取ってはならない。迷惑防止条例違反だ」
「いいえ、予想外の雨ですから。緊急避難です」
 コートから出ようとする薪の身体を青木の長い腕がぎゅっと抱いて、逃がさない。青木の行動を当てこすりながら薪はしばらくの間もがいていたが、やがて諦めた。ふっと肩の力を抜き、逆に青木にもたれかかるようにして、
「東法出は理屈ぽくて敵わん」
「薪さんこそ」
 小ぬか雨の中、自分たちと同じように桜を見上げる人々から薪を隠すように、青木は背中を丸める。傘を拾い上げて自分の肩に載せ、薪の視界を遮らないように後ろに傾けた。薪の頭を覆った青木のコートに、うっすらと水の膜が張る。撥水加工のコートを選んでよかった。

 ゆっくと、二人三脚の要領で歩いた。互いの身体にぶつからない、コートを引っ張り合わない、ちょうど良い距離を保つのはぴったりとくっついて歩くより至難の業で、でも二人にとっては造作もないこと。相手の呼吸やわずかな筋肉の動きで、次に相手がどう動くか分かる。彼らはそんなスキルも持ち合わせているけれど、実はそれは使っていない。
 薪が気紛れに踏み出す一歩が、足元の茂みで見つけたカタツムリに近付こうとする青木の半歩になる。青木がカタツムリと見つめ合えば、それは薪が細やかな雨に濡れそぼつ桜の寂静に呼吸を合わせる時間を生み出す。
 意識せず、互いが互いの有益を生み出すシステムが彼らの間には出来上がっている。その一連の流れの、なんて自然なこと。

 一本の大きな桜の下に立ち、陶然と桜花を見上げる薪に、その満ち足りた穏やかさを邪魔しないよう、青木は雨に溶け込ませるような声音でそっと囁いた。
「きれいですねえ」
 青木はぐるりと首を回し、天蓋のように重なり合う花を見上げた。鈍色の空に浮かぶ繊細な花弁は、糸のような雨に打たれてその輪郭を不確かにする。青い空にくっきりと映える桜は晴れ晴れと美しいけれど、こうして雨に濡れる桜には胸を衝かれる哀艶がある。命の儚さを感じさせる、そんな切なさが付きまとう。

 薪の美しさに、よく似ている。
 強い人だと知っているのに、何故か放っておけない。隙のない人なのにどこか危うい。12歳も年上なのに、何くれと世話を焼きたくなる。
 ちょうど目の前の、雨にけぶる桜のように。

「なあ。青木」
 薪がしんみりと呟いた。きっと薪も、青木と同じ切なさを味わっている。
「桜の花って」
 ええ、綺麗です。とてもきれいです。――でも、薪さん。
 あなたの方がずっときれいだとか言ったら回し蹴りが来るから言わないだけでいつも思ってるんです、言ってもいいですか。

「……なんでもない」
 言い掛けて止めた薪は、青木のコートの下で苦笑しているように見えた。らしくない、とでも思って言い淀んだのだろうか。薪は根はロマンチストでけっこうな詩人だが、それを脆弱と捕えているらしく、ことさら自分をガサツに見せたがる。だからきっと雨に散る桜に、人の夢や人生や果ては命、そういった儚いものを投影して感傷に浸っていた自分を苦々しく思ったのだろう。
 薪は照れ屋だ。そういうところも可愛いと思う。

「そろそろ行きましょうか」
 言って青木は、尚も桜の下に佇む薪に、さりげなく腕時計を見せた。小さく頷いて踵を返す。薪が素直に青木の言に従う時は、センチメンタルな気分になっている証拠だ。これは夜が期待できそうだと、青木はよこしまな考えを抱く。物悲しい気持ちでいる相手をやさしく慰撫して元気づけてあげる、セックスの目的としても理想的じゃないか。
 そんなことを考えていたから、二人で軽い食事を摂ったレストランの駐車場から街道に出るために左にハンドルを切った時、薪にストップを掛けられたことはとても意外だった。
「今の道、右じゃないのか」
「いえ。ホテルはこの先ですから」
「ホテル? ……家まで我慢できないのか」
 違います。いや、当たってますけど違います。

「おまえにしては強引だと思ったら。ホテルを予約してあったのか」
 予約の電話を入れたのは半年も前だ。富士山麓で常に集客数トップ争いをしているような絶好のロケーションを持つ宿で、全室、河口湖の向こうに富士山が見える。その中でも露天風呂付き、角部屋の条件を備えたホテル一押しの部屋だ。
 忙しい薪を朝の4時に叩き起こして車に乗せてきて、日帰りなんてあり得ない。体力を使わせた分、温泉に浸かって回復してもらわないと。
 青木のサプライズに微笑む薪の様子に安堵して、青木は湖畔沿いの道へ車を滑り込ませた。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

霧の花(2)

 こんにちは。

 先のお話、公開するの、緊張しました。特別な事情とメロディショック以外で、こんなに長く更新しなかったことは初めてだったので。
 拍手とコメント、いっぱい、ありがとうございました。……よ、よかった、忘れられてなくて。けっこう真面目にビビってました(^^;)

 この話ねー、長い現場の後のリハビリに書いたので、ストーリーも何もないただの雑文なんです。展開しないの、ごめんね。
 しかも、コメントいただいて読み返したらこんな短い話なのに矛盾点がたくさん……
 こ、この話は、薪さんの美しさを少しでも表現できたら、と思って書きました。(言い訳必死)
 なみたろうさんちの薪さん、本当にきれいなんだもん。薪にゃんも可愛いし。
 あと、なみたろう部屋と呼ばれるコメント欄のおしゃべりが楽しい。コメント欄でリレー小説できちゃったりして。わたし、小説モードに切り替わらないと書けない奴なんで、参加が全然間に合わないんですけど、聞くのは楽しい。
 いつも楽しませてもらってます。隣の部屋で壁に聴診器当ててるの、わたしです。

 この話の おかず 元になったイラスト「桜に抱かれる薪さん」 (←ポチると飛べます) です。
 なみたろうさんに、イラストの掲載とリンクのお許しいただいたので、貼らせていただきます。みなさんチェック済みだと思いますけど、もう一度見てください。本当にすてき(〃▽〃)






霧の花(2)





「すごいな!」
 評判に偽りはなく、ホテルは素晴らしかった。薪は部屋に入って真っ直ぐ窓辺に向かい、絶景ポイントを望めるベランダに走り出て、
「見事に何も見えない」
「……すみません」
 夕方になり、霧はますます深くなり。富士山はもちろん手前の河口湖も、それどころかホテルの庭先さえ見えない。これでは何のために8時間も掛けて山梨まで来たのやら。

 窓辺に寄れば河口湖の向こうに富士山がどーんと見える。前面のベランダには露天風呂の他に足湯もあって、どちらも温泉に浸かりながら山の表情の変化を楽しめる。角部屋の利点で左手にも広いベランダがあり、そこでは野点の風流を狙ったらしい和風のパラソルとソファセットでティータイムを楽しみながら、山の芙蓉を愛でることができる。とにかく、部屋のどこからでも富士山が観賞できるはずなのだ。
 立地条件を究極まで活用した部屋造りだが、それも天気が良ければのこと。悪天候の下では恨み事しか出て来ない。ニアミスの悔しさというやつだ。
「うわ。広いな」
 備え付けの露天風呂の豪華さに驚いて見せたりしているけれど、本当は薪も悔しいに違いない。同じ女に何度も振られているようなものだ。面白いはずがない。

 外を見ていても気が滅入るばかりなので、青木は旅行鞄の中身を整理することにした。薪の低血圧をいいことに、勝手にクローゼットの中を漁って適当に衣服を詰めてきた。出がけで気が急いていたから、忘れ物がないか不安もあった。替えの下着を忘れていたらコンビニで買って来なくちゃいけない。
 必需品の確認が済み、車で遠出する時は必ず持ってくるコーヒーセットをサイドボードに並べ、そこまでしても薪が室内に戻ってこないことに気付いた。どうやら露天風呂に引きずり込まれたらしい。

 何も持たずに風呂に入った薪のために、ボディタオルと専用のシャンプーを用意して、露天風呂に隣接しているリビングルームに入る。ロケーションのための大きな窓ガラスに薪の裸の背中が見えて、慌ててブラインドカーテンを下ろした。ここは部屋の入り口と直結なのだ。誰か部屋に入ってきたら丸見えだ。
「カーテン、下ろしてから入ってくださいね。ホテルの人がびっくりしちゃいます」
 風呂にばかり気を取られ、部屋の間取りをうっかり忘れていたらしい彼は、ああ、と小さく頷き、
「部屋の中は霧が出てないんだった」と皮肉を言った。
 青木が情けない顔をすると、薪はこの上なくきれいに笑った。この人は本当に意地悪だ。他人が困った顔をするのが心の底から楽しいらしい。

 それから薪は、湯船の中で伸びをした。頭上高く伸ばされる、細くて白い、バレリーナみたいにしなる腕。なんてきれいなんだろう。

「ホテルの世話係、若い女の子だったもんな。オヤジの裸なんか見せたら可哀想だ」
 喜ぶと思いますよ。普通に。
「担当が男なら大丈夫なのにな」
 犯罪を誘発する気ですか。強姦未遂の過剰防衛で傷害、下手したら殺人未遂が付きますよ。オレの余罪に。
 薪の美しさに惹かれて集まってくる人間は多いが、女性よりも男性の方が許せない。薪はゲイではないから女性だって充分に脅威なのだけれど、女性が同じ女性をライバル視するように、青木も同性のアプローチにより危機感を覚える。よってここは女性推しだ。
「大丈夫ですよ。若い女性とはいえ職業柄、男性客の裸なんか見慣れてますから」
「そうか。じゃあ、世話係の娘に背中流してくれるように頼もうかな」
 オレを殺人犯にしたいんですか。一緒に樹海に死体埋めに行ってもらえますか。
 青木の嫉妬心に火を点けておいて、薪はゆっくりと檜の湯船に背中を預ける。後頭部を縁に載せて、花が開くように仰のいた。
「それにしても豪勢な風呂だな。おまえも入れば」
「オレは今はいいです」
 自分に自信がありません。主に自制心に。

 室内に戻り、青木は考える。
 薪を連れ出す目的は、リフレッシュと休息。殺伐とした職務に心身共に削り取られる日々を送る薪に、英気を養ってほしいとの思いからだ。だから旅先で彼を疲れさせることは青木の本意ではない。セックスはしたいしあわよくばと思うけど、それはあくまでソフトに、就寝前の彼を心身ともにほぐすためのリラクゼーション的なものであるべきで、激しいものであってはいけない。ましてや昼日中からなんて、だけど。
「ああいうことされると」
 明るい場所での突然のヌードとか、その正視するのが躊躇われるようなつややかさとか。冗談に紛れさせた小さなヤキモチとか揶揄を含んだ微笑みとか。
 散りばめられた無意識の、そのすべてに混じり込む誘惑。青木はいつもそれに引っ掛かってしまう。最近はわざとやってるとしか思えなくなってきた。
「……ダメだなあ。オレ」
 自身の未熟がほとほと嫌になる。いつも自分のことでいっぱいいっぱい、特に薪のことになるとその傾向が強くなる。彼を安らがせたいなら、もっと大人にならないと。

「なに考えてる」
 いきなり目の前に薪の綺麗な顔、しかも。
「薪さん、服、着てください」
 青木の要請に、薪は「いまさら」と言いたげな顔つきで、
「肌が乾かないうちに服を着るのは気持ち悪い。前にも言っただろ」
「それは存じてますけど。自分の家じゃないんですから」
「いいだろ。誰もいないんだから」
「オレがいるじゃないですか」
 言い募る青木の様子に、薪はハッとした表情を見せた。薪の裸は見たいけれど今は困る、青木の複雑な心境を察してくれたのだ。

「いや、悪かった。僕だって男の裸を見せられるのは不快だ」
 ……そうじゃなくて。
「詫びの印に、ほらこれ。恭子ちゃんの水着写真」
 だからそうじゃなくて。
「遠慮するな。これなんかTバックだぞ、ほらほら」
 止めてもらえません、きれいな顔してオヤジ全開になるの。顔、変えてからやってもらえませんか。

 ギャップで頭がくらくらする。入ってもいない湯に当たったみたいだ。
 頭蓋骨の中で酩酊する不確かな脳で考える。薪は見かけはアレだけれど中身は普通の男。女性が好きで、女性の身体に魅力を感じる、正常な男だ。これは恋人である青木への気持ちとは別の生理的欲求で、彼の愛を疑ったりヤキモチを妬いたりするのは愚かなことだと、
「胸もいいけどお尻もいいよなあ、彼女。この太ももに挟まれたい」
 そのスマホ、樹海に埋めてもいいですか。



*****




 暑いからと、いい加減に結んだ帯のせいで歩くたびに肌蹴そうになる浴衣の襟元を直しながら、薪は左手のベランダに出た。心行くまで日本一の山を楽しめるようにと、ソファセットが置かれた方のベランダだ。
 一歩表に出ればたちまち濃霧に包まれ、彼はその輪郭を曖昧にする。細雨にけぶっていた桜のようだ。霧の中に消えてしまいそう、そんな自身の不安を嗤うそばから反駁の狼煙が上がる。湯上りの薪はヴィーナスもかくや、霧魔なんか簡単に虜にする。て、ダメじゃん、確実に攫われるじゃん。
 思わず「薪さん」と呼びかける。返事はすぐに返ってきた。

「青木、来てみろ。すごくきれいだぞ」
 あああ、イヤミですか、そうですか、これだけ白けりゃ言いたくもなりますよね、はいはい、みんなオレが悪いんです。

 薪のカミソリのような皮肉に耐える心構えをして、青木はベランダに下りた。外履きのスリッパは青木の足には少々きつく、踵がはみ出して歩きづらかった。
 きょろきょろと辺りを見回し、霧の中に薪の姿を見つけて、青木はがっくりと肩を落とす。ベランダと言う限られた空間で薪を見つけるのに首を巡らせる必要があったのは、霧のせいだけじゃない。薪の立ち位置が富士山とは反対側の後方で、しかも彼は山に背を向けていた。どうせ山なんか見えないんだから逆を向いてても同じ、てそこまでやりますか。
 薪の性格は身に染みて分かっているし、意地悪も皮肉も彼の魅力の一つだと思っているけれど。こうして自分の失敗を強く感じているときに畳み込まれるとさすがに効く。
 それでも、結局は惚れた弱みだ。半年も前から準備して、早起きして、長時間運転して、その挙句にイヤミの嵐に揉まれても、何も言い返せない。
 どこまでも情けない自分に少々嫌気が差しつつ、青木は悄然と薪に近付く。先端に空いた穴から通常は足の爪が見える形状になったスリッパの、サイズ違いが災いして何も見えない虚ろな空隙に眼を落としながらとぼとぼと歩く。薪の前に立ち、見ろ、と命令されて厭々顔を上げた。

「すごいぞ。ほら」
 青木はぽかんと口を開けた。思いもしない風景が、そこには広がっていた。
 眼の前に桜の花。それも大きな枝が何本も薪を取り囲むようにして張り出し、その華やかさを競い合っている。よくよく見れば根元はホテルの前庭にあって、そこから四方に伸びた枝の一角が、ちょうど青木たちの部屋のベランダに被さる形になっているのだった。
 パンフレットにもHPにも、こんなことは書いてなかった。この部屋からしか見られない富士山の美学についてはくどいほどに記されていたが、桜については一言も触れられていなかった。

 桜は、春になれば日本全国で楽しむことができる。日本一の山に比べたら珍しくもなんともない、ありふれた花だ。でも。
 桜が嫌いだと言う日本人はいない、少なくとも青木は聞いたことがない。それくらい好ましい花だ。美しいだけでなく、好感の持てる花なのだ。
 控え目なピンク色は人の心をなだらかにする。心の棘が抜けていく。青木は茫然と、群れなすピンク色と美しい恋人の姿を見ていた。
 花びらに鼻先を付けるようにして花とじゃれ合いながら、薪は青木を振り返る。濡れて艶を増した亜麻色の髪が、霧の中で鈍く光った。

「な? きれいだろ。だから」
 そんなにしょげるな。
 薪がそう言いたかったこと、ずっと前から言っていたことに、青木はやっと気付いた。天気のことでねちねちと青木を甚振る気なんか、彼にはこれっぽっちも無かった。富士山とは相性が悪いんだって、初めに自分で言ってたじゃないか。

 走る車の中から、薪は桜を見つけた。
 遠くの山は見えなくても、近くにこんなにきれいなものがある。充分楽しめる。せっかく来たのだから一緒に楽しい思いをしよう。薪はそういうつもりだったのに、青木は自分の失敗にばかりに眼が行って、薪の気持ちを勝手に誤解して。
 宿に着いたときだって、部屋に入ったときだって、薪は「すごい」と褒めてくれたじゃないか。素直な賞賛を皮肉にしてしまったのは青木だ。否、皮肉にしか取れないようなことを言われたとしても委縮してはいけなかったのだ。
 霧で何も見えない。薪にそう言われたら、本当ですね、と笑い飛ばせばよかったのだ。だって恋人なんだから。

「桜を抱くのは生まれて初めてだ。おまえもやってみろ、気持ちいいぞ」
 そう言って薪は桜を抱きしめる真似をした。彼には珍しいオーバーリアクション。
 慰めてくれようとしている。元気づけてくれようとしている。
 不器用だけど。その分、重ねた苦労が見え隠れする薪のやさしさに、青木は一息に飲みこまれる。

 好きだ。このひとが好き。

 桜に埋もれた薪を、後ろから抱きしめた。はだけた浴衣の前合わせから自然に手が入る。風呂の余韻か、霧のいたずらか。薪の肌はしっとりと湿っていた。


桜に抱かれる2




「ちょ、待て。ここではマズイだろ」
 薪が焦って身を捩ると、軽く一重に結んだだけの帯は簡単に解けて、ぱさりとベランダの床に落ちた。行く手を阻むものがなくなれば、青木の手は自然に下方へと降りて行く。薪は下着を付けていなかった。この人の場合、こうなることを予期していたのではなく単に面倒臭かっただけだろうけど、現状の彼は合わせの外れた浴衣を一枚羽織っただけのあられもない姿。咲き乱れる桜の中、あらがう薪の細い肩が露わになり。
 ――妖艶過ぎて。
 溺れそうだ。桜にも、薪にも。

「ダメだ。声が」
 肩口に吸いついたところで止められた。
 下はホテルの前庭だ。夕食前の散歩に出ているらしい、宿泊客の話声も聞こえてくる。桜と霧が眼隠しになって、自分たちの姿は影法師くらいしか見えないだろうが、声は聞こえてしまうだろう。
 青木が煩悩を消すために思い切り自分の頬をつねると、薪は可笑しそうに笑った。それから悪戯っ子みたいにくるっとした上目使いになって、青木の腰に手を置いた。細い指先が器用にベルトを外す。

「おまえは我慢できるよな?」
「え」
 薪はその場に膝をつき、有無を言わさず青木のズボンを下ろした。下着のゴムをひょいと引っ張り、正直者の青木を外に連れ出す。しっとりした霧に包まれた後、すぐにもっと湿ったものに包まれた。濡れることに変わりはないけれど、冷たい霧とはまるで違う、温かく濡れそぼった花の深部のような感触。あまりの心地よさに思わずのけぞる。
 夢幻のような霧の中、淡い淡い薄紅の中。妖精のように可憐な人がこんなことを。物理的な刺激よりもそのシチュエーションに酔わされる。とても逆らえない。
 こんなところを誰かに見られたらエライことになるが。この天気なら、声さえ出さなければ露見する恐れはない。

 濃い霧は、今日初めて青木の味方になった。


*****
 
 しまった、薪さんに浴衣着せちゃっ、、、
 ……(必死で言い訳を考える) 
 ……(まだ考える)
 ……Z(←寝た)

 難しいこと考えると眠くなっちゃうの。
 なみたろうさん、ごめんなさい。

テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

霧の花(3)

 こんにちは~。

 えっと、拍手とコメント、たくさんありがとうございました。
 みなさん、気を使ってくれてるのかな~。忘れてないよって言ってくださってるのかな。
 どうもありがとうございます。とっても嬉しかったです、と言いつつ、不義理ぶっちぎってもいいですか?

 来週の月曜日に検査が確定しておりますわたしの現場、変更設計書が届いたのが金曜日の夜8時。
 寝る暇なーいー。
 でも大丈夫! みなさんのおかげで元気いっぱい! 頑張って書類します。
 ただちょっと、コメントのお返事が返し切れてなくて(^^;
 検査後の手直しが終わる25日くらいまで、すみません、しばらくお待ちください。



 お話の方は、こちらでおしまいです。
 特に印象に残る出来事も起きなくて、退屈なお話だったと思うんですけど、お付き合いくださってありがとうございました。
 今、妄想してる話はもう少し楽しくなる、予定です。そちらも気長にお待ちくださいね。







霧の花(3)




 ベランダの壁にもたれるようにして息を整えた。
 青木の手のひらの下で、亜麻色の頭がゆるやかに動いている。細い指先が重なった襞をかき分けるように広げ、肉の隙間に零れた雫を一つ残らず明るみに出す。飲み零した滓が薪の舌に舐めとられていく。

「脚、開け」
「いやあの、も、いいですから。気持ちよかったです。ありがとうございました」
 後始末は自分でします、と薪の頭を遠ざけようとすると、薪は青木の手をやや邪険に振り払った。
「このままじゃズボンが穿けないだろ」
「いえ。こんなことまでしていただくの、申し訳ないです」
「だから」

 いい加減、そういうのやめろ。
 恋人なんだから。遠慮しなくていいから。もっと甘えろ。世話焼かせろ。
 僕がおまえを甘やかしたいんだ。

 声に出さない薪の気持ちを今度は正確に読み取って、青木は思わず涙ぐむ。人間、本当にうれしい時って涙が出るものなんだ。
「そんなに隅々まで舐められたら、終わったばかりなのにまたしたくなっちゃいます」
 ピタッと薪の動きが止まった。サッと身を引いて一人分の距離を空ける。飛び立つ鳥のように素早い動きだった。
 苦笑しつつ、足元にたぐまっていたズボンを引き上げる。霧で濡れたベランダの床に落としたものだから、地味に濡れて冷たかった。薪の膝も冷えてしまったことだろう。

「昼間も言おうとして言えなかったんだけど。桜の花って」
 膝の辺りで青木の手が止まる。昼間の、薪の切なそうな様子が思い出されたからだ。
 あのとき薪は何を考えていたのだろうと、ひどく気になった。薪が感傷に耽るとき、そこには必ずあの人の存在がある。薪の心に今も住み続けている、あのひと。

「人の一生みたいだな」とか「儚い夢のようだな」とか、彼を連想させる言葉が薪の口から零れるのを予想して、青木は身構える。
 何も言わずに抱きしめようと思った。
 一たびあの人が絡めば、どんな言葉も無効化される。薪の中で響く言葉はこの世に存在しない。所詮言葉など、その程度のものだ。喪われた存在を埋めることなどできはしない。

 短い間を挟んで、薪の口が開いた。
「よーく見ると、蜂の巣みたいだな」
「はっ?」
 膝が抜けてベランダから落ちそうに、あぶないあぶない、もうちょっとで猥褻物モロ出しで花見客のいる庭に突っ込むところだった。慌ててファスナーを閉める。

「薪さんたら何を。どこがハチの」
 反論しかけて口を閉ざした。頭に浮かんだ連綿と続く八角形の模様が、目前の花の連なりに投影される。これはやばい。
「蜂の巣にしか見えなくなっちゃったじゃないですか。どうしてくれるんですか」
「人の言葉に影響されやすい奴だな」
「あー、ダメです、花びらの中から蜂がうじゃうじゃ……オレのきれいな桜、返して下さいよっ」
「そんなこと言われても」
「困るんですよ! オレ、明日の晩からどうしたらいいんですか」
「どうしたらって、なにを?」
「……なんでもないです」
 桜の中で××してた薪をオカズにしようと思ってたのに、周りに蜂がぶんぶん飛んでいたら痛い妄想にしかならない。ものすごく切実な訴えだったが、口にしたら殺されると思った。

 複雑な顔で黙り込んだ青木に、薪はしれっと、
「スズメバチの巣とセックスして死んだ男の話って、ガセだったんだってな」
 ……読まれてる。
「本当なら面白かったのに」
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
「おまえ、やってみれば」
 許してください許してください許してください。
「なあ青木」
 スズメバチの集団より薪の方が怖い。

 無意識に股間を押さえた青木にククッと笑って、薪は桜を振り仰いだ。ベランダの枠に両肘を載せ、背中を反らすようにして上を向く。そうすると彼の、頤から首の滑らかな曲線がことさらに美しく、控え目な喉仏が妙に色っぽく。この薪に愛されるならスズメバチの襲撃すらも快感に変わるかもしれないとイカれたことを考えた。

「すっかり霧に濡れたな。風呂、行くぞ」
「はいっ」
 部屋の露天風呂なら二人きりだ。薪の声が心配だけど、そこはタオルでも噛んでもらって、
「下の大浴場。先に行ってるから」
「……はい」
 甘かった。
 薪は広い風呂が大好きだ。風呂付の部屋を取っても必ず大浴場に行く。諸事情あって、翌朝は他人が一緒の風呂には入れないことが多いから、宿に到着したその日のうちに入ることが多く、――しまった。

 さっき。肩口に付けちゃった。

 あれを見たら薪は烈火のごとく怒るに違いない。今夜、させてもらえないかも。いや、休んでもらう目的で連れて来たんだけどあんなことされちゃったら我慢できないって言うか期待MAXっていうかここまできてお預けなんて全世界が許さないっていうか。
「薪さんが鏡を見ないようにしなきゃ」
 姑息な考えを巡らし、青木は二人分のバスタオルを抱えて、大急ぎで薪を追い掛けた。


(おしまい)



(2015.6)

テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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