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ロジックゲーム(5)

 すんません、マジすんません。
 昨日、下水の検査は終わったんですけど。 
 その後、12時まで別の現場の書類をやらされて、今日は朝からずーっと測量に駆り出され……鬼だよ、オット! 仕事になると鬼!!
 今も絶賛仕事中ですっ、明日ももちろん仕事ですっ!(←やけくそ)
 
 オットはね、普段はやさしいんですけど。 てか、殆どわたしの言いなりなんですけど。
 仕事のときは、あんなんでも一応社長だからね。 逆らえないのね。

 以上、コメのお返事遅れてることの言い訳でした。 ←見苦しい。


 ごめんなさい、明日は必ず!!
 メールくださった方も、待っててくださいねっ!!





ロジックゲーム(5)





 程なく他の職員たちも出勤してきて、青木の吉報は皆の知るところとなった。
 第九の職員たちは青木のことをとても可愛がっているから、執務室はちょっとしたお祭り騒ぎになった。普段ならそれを諌める立場の室長も、今日は何も言わなかった。部下の栄誉を祝う気持ちは、室長も同じだ。

「二次試験に受かれば、後は面接だけだよな? 青木は第一印象いいから、有利だな」
 面接でどんなことを訊かれるのか、事前に探りを入れておきたいところだ。そう思っていると、今井から四つ折りにした2枚の紙片を青木に手渡された。
「おまえなら受かると思ってたよ。これ、俺の友達が選抜試験受けたときの面接の質問内容」
 他の受験生にはナイショだぞ、とスマートに片目をつむる先輩に、青木は涙が出そうになるくらい感激する。第九の先輩たちはやさしいひとばかりで、自分はいつもみんなに助けられている。意地悪が売り物の室長とは大違いだ。

「今井さんのお友だちも、幹部候補生なんですか?」
「いや。そいつ、素行調査で落ちたんだ。キャバクラ通いがバレちゃってさ。おまえも今のうち、水商売の女とは手を切っとけよ」
「えっ!?」
 思いもかけない今井の言葉に、青木は驚く。素行調査と言っても、家族や親族に犯罪者がいないか、それくらいの調査だと思っていた。それが、アフターや休日の自由行動までが対象になっていると聞き、青木は不安になった。

「素行調査って、そんなことまで調べられるんですか?」
「当たり前だろ。監査課だぞ。交友関係は徹底的に洗い出されるさ」
「そんな」
「なに焦ってんだよ。身に覚えでもあるのか?」
 風俗店になど行ったことはない、いくら調べられても大丈夫だ。しかし。
 大学時代からの友人たちにさえ秘密の恋人のことを調べ上げられたりしたら、大変なことになる。
 そっと薪の方を伺うと、こちらの話は聞いていない振りで、署内報をめくっていた。が、亜麻色の瞳は一点に据えられ、次の記事に進む様子がないところを見ると、彼の心中も穏やかではないのだろう。

「あ、もしかしてあの女のことか?」
 重くなりかけた空気を破るように、小池の声が響いた。もちろん、小池の言う『女』に心当たりはない。
「ちょっ、小池さん。おかしな冗談言わないでくださいよ」
 チラッと薪の方を見て、青木が懸命に小池の言葉を遮る。薪はとても頭がいいくせに、時々とんでもないカンチガイをするから油断がならないのだ。
「隠すな隠すな。おまえ、今でも時々背中に爪痕と噛み傷つけてくるじゃないか。相手の女、ただものじゃない思ってたけど、やっぱりお水系……はっ!」
 ザーッと音を立てて小池の周辺気温が下がり、小池は寒さに身震いした。夏の最中でもこうして、第九は冷房が不要になる瞬間がある。

「小池。今夜から2日間、MRIのシステムチェック」
「なんでっ!?」

 誰もが嫌がる徹夜作業を唐突に小池に命じると、薪は執務室を出て行った。副室長の岡部に仕事の指示を2,3言い置いて、スタスタと歩いていく。
 自動ドアの向こうに室長の姿が消える直前、彼の行き先を気にする青木の視界の隅で、薪の肩がゆるやかに落とされた。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

ロジックゲーム(4)

 こんにちは~。

 前回の記事に、たくさんのお祝いコメントありがとうございましたっ!(嬉)
 また、初めてコメをくださった方々、過去作から読んできてくださったとのお話、とっても嬉しかったです!
 なのに、コメレス遅れててすみません。(←罰当たり(><)

 12月9日及び10日に下水道の検査がありまして、その準備に入ってます。 
 なので、こちらの記事以降、10日まではブログはお休みということで、
 誠に申し訳ありませんが、コメレスも、それまでお待ちいただけると、
 すいませんっ、不義理ですみません、どうか見放さないでください。(平謝)






ロジックゲーム(4)





「なんだ、その行き当たりばったりな捜査計画は。そんなんでホシが挙がるか、バカ」
 日曜日の昼。昼食のオムライスを作りながら、薪は厳しく言った。

「何故犯人は、この廃屋に被害者を呼び出したんだ? なにか所縁があったのかもしれないし、土地勘があったのかもしれない。建物のことも調べるよう、指示をしないと」
 軽快な音を立てて玉ねぎを刻みながら、薪は青木の解答の不備項目をチェックする。喋りながらも手は止まらず、料理はスムーズに進む。
「この日は午後から雨が降り出したんだったな? 犯行時刻が夕方なら、犯人が雨具を途中で調達した可能性も考えられる。犯人にしてみれば不本意だったろうけど、ずぶ濡れで歩いていたらよけい人目につくから――――― 付近のコンビニや商店の聞き込みで、雨具を買った人物をチェックする。雨が絡む現場では当たり前のことだ。
 それと、遺体の近くに被害者以外の血液がついていないか、調べるように指示したか? 何故って、犯人の血液が残ってるかもしれないだろ。初めは殺す気がなかったとするおまえの推理が正しいなら、切断には廃屋にあった刃物を使用したかもしれない。何年も放置されて錆付いた刃物で、慣れない作業を異常な精神状態で行ったんだぞ。怪我のひとつもしそうなものじゃないか。
 現実の捜査では鑑識の仕事かもしれないが、これは試験だぞ。及第点を狙うなら、そういうところにも言及しなきゃ駄目だ」

 フライパンが器用に返されて、チキンライスが宙を舞う。カラリと仕上がったチキンライスを周りに寄せて中心にケチャップを入れる。こうしてケチャップの水分を飛ばすのが薪流だ。
「被害者の身元だが、手術痕と骨折痕は調べたのか? 身体的な特徴についての調査の指示は? それから」
 薪の指摘事項が増えるにつれ、青木は目の前が真っ暗になってきた。いくつもの捜査項目について確認されたが、その殆どが不完全だった。自分のミスにも気付かない、一番ダメなパターンだ。
 
 チキンライスを皿に盛り付けて形を整え、薪はにこりと笑った。
「結果が楽しみだな? 青木」

 人からすべての希望を奪っておいて、この嬉しそうな表情。意地悪の試験があったら、間違いなく薪はトップで……いや、他の試験でも同じか。警視長の昇格試験も当たり前みたいにトップ通過だったし。
「いい経験になっただろ。選抜は毎年やってるから、また来年頑張れ」
 再びフライパンを加熱して、青木が溶いておいた卵を入れると、プロ顔負けの手つきで手早く丸め、薪はこともなげに言った。

 合否通知も来ていないのに来年の話をされて、さすがの青木も腹を立てる。薪の眼からすれば落第かもしれないが、試験官の所見は異なるかもしれない。
「まだ落ちたって決まったわけじゃないでしょう」
「ムリムリ。僕が試験官なら絶対に落としてる」
「じゃあ、もしも合格してたらどうします?」
 薪はちょっと考えて、
「人参抜きのオムライスを作ってやる」

 フライパンを軽く揺すり、チキンライスの上にトロトロのオムレツを載せて、薪は意地悪そうに笑う。
「その代わり、落ちたら別れるからな」
 それから青木の方に向き直り、下方から上目遣いにめちゃめちゃ可愛い顔で彼を覗き込んで、
「僕を抱けるのも、あと何回かな?」
「もう! なんでそんなに意地悪なんですかっ」
 薪の冗談はシュールすぎて、青木には笑えない。青木が怒ると、薪はアハハと声を立てて笑った。

 その晩は意地悪のお返しに、薪が泣くまで攻め立ててやったが、青木の気は晴れなかった。
 薪といると、自分の能力の低さをまざまざと実感させられる。身長以外で薪より上回るものなんか、自分には何もない。あの薪がこんな自分と1年以上も恋人関係でいてくれる、そのことが不思議に思えてきた。
 せめて幹部候補生選抜に残ることができたら、薪の恋人として胸を張れるのに。たとえ秘密の恋人でも、彼に相応しい男に一歩近付けたと思えるのに。
 
 そんな理由から、薪にダメ出しをされても、青木は一縷の希望にすがりたかった。青木を担当した試験官は薪ほど点が辛くないかも、という何とも情けない望みだったが、結果待ちの身として、他にどんな時間の過ごし方があっただろうか。
 ずっと頭の隅にあった不安の種、その結果が今判明する。果たして、タネは花開くのか、それとも芽吹くことなく朽ちてしまったのか。
 ゆっくり瞬きした後、薪は大きなため息をついた。

「まったく、嘆かわしい限りだ」
 ――――― ああ、やっぱりダメだったか。

 薪の憤懣たる態度に青木は肩を落とし、すみませんと頭を下げた。
「薪さんの期待に応えられず、申し訳ありません。また来年頑張りますから、どうか今回だけは」
 すっと目の前に突き出されたA4サイズの事務用箋、そこに記された文字に青木の言葉が止まる。受験者欄に自分の名前と、合格の文字。順位欄には2という数字が書いてあった。
「どうなってんだ、あの程度の解答で合格なんて。しかも次席? 今年の受験者は、よほど程度が低いのか? こんな連中が幹部になったら警察の未来は真っ暗、うおっ!?」
 きれいな顔で毒のある言葉を吐く可憐な生き物を、青木は思わず抱きしめていた。

「こ、こら! 職場だぞ、誰か来たらどうするんだっ」
 小さいながらも鋭い薪の叱責が終わらぬうちに、
「何やってんだ、青木」
 後ろから声をかけられて、ふたりは飛び上がった。
「あ、宇野さん。おはようございます、ステキな朝ですねっ!」
 青木はパッと薪から離れると、今度は宇野に抱きついた。

「ななな、なんだ!?」
「通りました、二次試験!」
「おお、そうか。良かったな!」
 ぽんぽんと青木の大きな背中を叩き、宇野は素直に後輩の快挙を喜ぶ。けっこう皮肉屋で毒舌家の宇野だが、薪に比べればまだまだ甘い。
 ありがとうございます、と礼を言いながら、青木は薪から受け取った合格通知を大事に胸ポケットにしまいこんだ。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

生まれました

 この記事は、秘密記事ではありません。

 とっても個人的なことなので、興味のない方はスルーで。

  





 12月はわたしの誕生月です。
 (Mさま、おめでとうメールありがとうございました♪)


 『憎まれっ子世にはばかる』を体現したように、我がまま放題に生きてるしづですが、わたしの周りはお人好しばっかり揃ってて。 「誕生日だよね、おめでとう」とみんながお祝いしてくれます。
 中でも20年来の恋人(♀)は、結婚しても子供が生まれても、毎年欠かさずわたしの家までプレゼントを届けに来てくれるのです。 

 今年も、彼女からバースデープレゼントとケーキが届きまして。
 その写真です。 
 (撮影とトリミングはオットがしてくれました。いいように使われてますね(笑))










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ロジックゲーム(3)

 こんにちは。

 最近、過去作品にたくさん拍手をいただいてて、とってもうれしいです。 ありがとうございます。
 『ラストカット』以前、まだふたりが恋人同士じゃなかった頃のお話は、自分でも読み返すと、拙いながらに微笑ましくなります。 
 彼らがだんだんに惹かれあっていく過程は、初々しく、一生懸命で。
 だけどもどかしく、なかなか先に進まなくてイライラして、時間ばっかりくいやがって、もうホント腹立つ。(あれ?)

 でも、くっつくまでが楽しいんですよね~。
 原作もその過程だと思えば、楽しめ……ああ、きつ過ぎ★





ロジックゲーム(3)




「幹部候補生の選抜試験を受けろ」
 薪のマンションで、夕飯をごちそうになっている最中のことだった。しゃぶしゃぶの肉を鍋から上げるのも忘れて、青木は呆然と薪の顔を見た。
「幹部候補生? オレがですか?」
 幹部候補生というのは、警察内部にだけ通用するネームバリューで、30歳未満の若手のうち特別優秀な警察官に与えられる称号だ。毎年、若い警視たちの間から選ばれるが、その枠はたったの5人。ペーパーテストだけでなく、実技試験(仮想事件をモデルに、実際に指揮を取る)、監査官による面接、素行調査もされる。もちろん、警視の昇格試験よりも難しい。

「昇格試験で10位以内に入れなかったペナルティだ」
「ペナルティって……だって薪さん、こないだは良くやったって褒めてくれましたよね?」
「褒めてない。おまえにしては良くやった、って言ったんだ」
 夏に受けた警視の昇格試験の際、薪から『10位以内に入れ。できなかったらおまえとは別れる』と宣言された。薪が作ってくれたノートや参考書をフルに活用して受験に備えたが、いかんせん、準備期間が短すぎた。
 結果は25位。試験には受かったものの、薪の望むベスト10には入れなかった。
 25位という結果に、薪は怒らなかった。それどころか、「おまえにしては頑張ったほうだ。良くやった」などと、やさしい言葉を掛けてくれたりしたのだ。そのときは。
 それから5ヶ月も経ってから、何を考えたのか、薪は突然その話を蒸し返してきた。

「おまえはバカなんだから、努力を怠るな。努力して、やっと人並みなんだから」
 煮えすぎて固くなった肉をひょいと箸で掬い上げて自分の椀に落とし、新しい肉を鍋に泳がせてから青木の椀に入れてくれる。とってもやさしいことをしてくれているのだが、言葉は目一杯きつい。
「前にも言っただろ。僕はバカは嫌いだ」
 またそんな無茶苦茶なことを、と言いかけて青木は、昇格試験の結果が出た時のことを思い出した。
 あれは9月。夏に起きた事件の波紋が、ふたりの仲をギクシャクさせていた頃のことだ。

『僕の恋人なら、それくらいできて当たり前だ』
 試験前、薪はそう言った。でも、試験の結果が帰って来た頃には、恋人という関係自体が破綻しそうだった。だから怒らなかったのだ。
 自分から離れていきそうな恋人の機嫌を取りたかったのではなく、恋人でないならその必要はないと、実は切り捨てられそうになっていたのだと、薪のやさしい言葉の裏側を初めて知って、青木は肝を冷やしつつ、首を縦に振った。

「分かりました」
 薪が厳しい要求をしてくるのは、自分を恋人として認めてくれている証だと思えば、頷かざるを得ない。
 しかし、幹部候補生選抜とは。
 薪の手前、弱気を表に出すこともできず、青木は心の中でため息をついた。
「受けるからには落ちるなよ? 落ちたら今度こそ別れるからな」
「……やっぱり……」
 やわらかく煮えた肉と一緒に椀の中に放り込まれた薄切りの人参を見て、青木は喜びと苦悩を深める。意地悪とやさしさが混在する薪との会話は、時々すごく疲れる。
 だけどこの人はものすごくずるい人で。青木に無理難題を押し付けたときには、必ずと言っていいくらい、かわいいことをしてくれる。

 その日も冬のお約束というか、薪はちゃんとバレンタイン仕様のチョコトリュフを作ってくれていて、しかもそれを口移しに食べさせてくれたりなんかして、さらには極上の笑顔つきで「頑張れよ。おまえなら受かると信じてるからな」なんて励まされた日には、「必ずご期待に応えます!」とついつい断言してしまって、「そうか。じゃあ、今日から勉強しよう」てな具合にベッドの約束をはぐらかされて、結局は薪の都合のいいように……ああっ、何度引っ掛かったら学習するんだ、オレ!!

 そんなこんなで、選抜試験を受けたのが5月。
 昇格試験のための猛勉強が記憶に新しかったせいか、一次のペーパーテストは思ったよりも上位で通過できた。問題は2ヵ月後の二次試験だ。

 課題は、殺人事件の陣頭指揮だった。
 現場検証は済んでいるから、まずは捜査官たちに事件の概要を説明する。いつも職場で尊敬する上司がするように、淀みなく解りやすく、そう心掛けたが3箇所ばかりつまづいた。
 次に現場写真と報告書を見直し、犯人像のプロファイリングを行う。この試験は指揮官としての実力を見るものだから、これは専門のものに任せても良いのだが、もちろん自分で正確なプロファイリングができれば評価は高くなる。外せば逆に減点になるが、年がら年中モニター画像を見ている自分が画から何も読み取れないのでは、第九の名折れだ。

 殺人事件の現場となった廃屋には、異常なくらいの血痕が残っていた。あちこちにベタベタとついた痕跡は、まるで子供が悪戯にぶちまけた赤インクのようにも見えた。被害者の男性は頭部と両手を切断され、持ち去られていたことから、受験者の中には快楽殺人を疑う者もいたようだったが、青木は違うと思った。

 後に試験官にその理由を聞かれて、青木はこう答えた。
『現場写真が健全だったので』

 殺人事件の現場を健全というのはおかしな表現だが、青木が普段見ているMRIの画に比べたら、まるで毒が足りない。猟奇殺人者の現場と言うのはこんなものではない。見た瞬間に息苦しくなり、自分が闇の中に堕ちていくような感覚に囚われる。その失墜感がない画は、たいてい普通の人間が止むに止まれず起こしてしまった事件だ。
 頭部と両手を持ち去ったのは、被害者の身元を隠すための手段に過ぎないと青木は判断した。現場に残された、犯人が自分を誇示するかに見えた多くの痕跡は、パニックに陥った人間が慌ててつけてしまったものだと思った。何故ならいくつかの血の手形は、布のようなもので擦られていた。拭き取ろうとして、それを為しきれなかったのだろう。快楽殺人者なら、そんなことはしない。

 加えて、足跡の写真を大きく拡大してみると、僅かに左足のほうが深かった。つまり犯人は左利きの可能性が高い。左手で被害者の遺体の一部が入った鞄を持ったと考えられるからだ。
 足の大きさと歩幅から見て、犯人は若い男性。壁に残された手形からも男だと判別はついたが、人間の頭部を持った上でのこの歩幅は、20代から40代前半だろうと思われた。
 この辺の事実はもちろん鑑識で確認されることだが、これは試験なので敢えて記載されていなかった。現場写真から情報を読み取る能力も、試験対象になっているのだ。

 最終的に青木は、周辺の聞き込みと目撃者の捜索、被害者が身につけていた衣類等からの身元の洗い出しなどなど、総勢40名の捜査計画を立てた。これが第九だと、岡部と今井、曽我と自分あたりで殆ど調べてきてしまうのだが、あれはMRIあってこその実地検分だ。一般の捜査では、そうはいかない。
 
 そんな調子でそこそこ上手く行ったように思われた二次試験だったが、解答内容を薪に話した途端、青木は自分の不合格を予感した。
「なんだ、その行き当たりばったりな捜査計画は。そんなんでホシが挙がるか、バカ」



*****


 一応注記しておきますが、幹部候補生制度というのは、警察にはありません。 自衛隊とかにはあるみたいですけど、現在の警察にはないんです。 
 でもほらっ、これは未来のお話だから! できるかもしれないじゃん!
 ウソばっかり吐いてごめんなさい。(←きっとロクな死に方しない)



 

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ロジックゲーム(2)

 最近、過去作品に拍手をありがとうございました。
 バラバラの作品だったので複数の方だと思うのですが、どうもありがとうございます。
 拍手とコメントは、ブロガーの栄養剤でございます。 特にコメントはうれしいです、お喋り大好きなので。 そのくせ、絡みづらいお話ばっかりで~~、すみません。(^^;







ロジックゲーム(2)






 郵便物を満載したワゴンを押して、今年の庶務課の新人が朝の第九を訪れた。
 彼と二言三言、朝の挨拶とおまけの会話を交わし、青木は受け取った封書の束を確認する。その中の一つ、室長宛に届いた人事部からの親展の文字に、どきりと心臓を竦み上がらせた。

 今日は9月の第一月曜日。
 そろそろ来る頃だと思っていた。自分の努力に対する結果が、ここには記載されているのだ。それは二つに一つ。努力賞はない。つまり、試験の合否通知だ。

 試験の結果を一番最初に知るのは、受験者ではなく、彼らの直属の上司だ。結果通知はまとめて部署の責任者に届き、当該者に通知されることになる。
 人事部は、どうして本人に結果通知を送ってくれないのだろう。室長に知られる前に、心の準備をしたいのに。
 咄嗟に内容を確認したい欲求と、そっとシュレッター行の箱に紛れさせたい誘惑に駆られて、青木の動きが止まる。
 他人宛の郵便物を覗くなんてさもしい真似はしたことがないが、今回ばかりは宛名の人物よりも先に内容を知りたい。そんな思いから、青木は蛍光灯の明かりに封書をかざしてみた。

「人事部の封筒は二重だって、前にも言っただろ。学習しないやつだな」
 ぎくっと190センチの長身が強張る。恐る恐る振り向いて、青木は執務室の入り口に涼やかに佇んでいる人影に気付いた。
「おはようございます、室長」
「おはよう」
 平静を装って挨拶を交わしつつも、青木の胸は高鳴っている。それは自分が手紙の中身を透かして見ようとしていたところを上司に見つかってしまったという焦りからではなく、今日も彼の元気な姿を目にすることができたことの喜び。毎朝こうして彼に会うたびに、心が騒ぐのを止められない。

 不思議なものだと青木は思う。
 彼は自分の上司で、職場で毎日顔を合わせている。しかもプライベイトでは自分の恋人。他の誰よりも長い時間を彼と共有しているはずなのに、一日の始まりに彼の顔を見る、ただそれだけのことに、こんなにときめくなんて。薪の言うとおり、自分には学習機能がないのかもしれない。

 薪は青木の手からさっと封書を掠め取り、躊躇なく封を切ろうとした。慌てて青木は、一時の猶予を申し出る。
「待ってください、室長。心の準備をさせてください」
「そんなもの、してもしなくても通知結果は変わらないぞ」
「1分でいいですから。お願いします」
「じゃあ、これは室長室で開けることにする。昼飯の直前に結果を教えてやるから、3時間ばかり神さまに祈ってろ」
「……それって生殺しじゃ」
 相変わらず、薪は意地悪だ。

「それが嫌なら覚悟決めろ。男だろ」
 下方から上方にいる相手を見下す、という器用な目線を青木にくれる上司の姿に、青木は困り果てる。
 薪がニヤニヤと意地悪そうに笑う、それは彼の心が元気な証拠だから青木にとっては歓迎すべきことなのだが、今回はさすがにその余裕がない。青木には後がないのだ。

「分かりました。結果を教えてください」
 細い首が縦に振られ、優雅な指先がペーパーナイフで封を切った。中の紙が取り出され、それを見た亜麻色の瞳が、ゆっくりと瞬いた。


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プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
10万拍手ありがとうございます!
いつの間にか9歳になってました。( ゚Д゚)
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