たとえ君が消えても(14)

たとえ君が消えても(14)






「そういうわけで、俺も神戸に向かいますから」
 小野田から密命を受けて1時間後、岡部は早くも新大阪行きの新幹線の中にいた。

「飛行機は最終便に間に合わなかったんで、新幹線を使います。新神戸へは、0時25分に到着の予定です。駅で待ち合わせて、今後の対策を」
『駄目だ岡部、そこにいろ』
 連れ戻される心配がないと分かってさぞ安心するかと思いきや、薪は岡部の協力を拒否した。せっかく小野田が岡部を差し向けてくれたのに、今は気を使っている場合ではないと思うが。

「今更遠慮は無しですよ。どのみち、あなたを逃がした時点で俺はもう」
『そうじゃない。おまえには第九にいてもらわなきゃいけないんだ』
「……そいつはどういう意味ですか?」
『此処では人目が多くて話せない。後で連絡するから、とにかく第九で待機を……待て。青木から連絡が入った』
「青木から?!」
 薪の携帯に掛かってくる電話は、すべて本部に同時受信されるようになっていると中園に聞いた。何のかんの言って、中園は薪の味方だ。岡部が薪の居所を掴みやすいよう、GPSのデータも即時携帯に送ってくれている。
 薪からも受信機からも遠く離れたところにいる岡部には、電話の内容は知る由もなかったが、しばらくすると流れていたメロディは途切れて、薪の声が聞こえた。

『岡部、早速だが動いてくれ。第九の近くにある珈琲問屋、いや、その前に』
「でもあの、俺、新幹線に乗っちゃって」
『降りろ』
 新幹線から飛び降りたら死にますけど。

 上司の命令に何と返していいものか迷う岡部の耳に、薪の逼迫した声がせまる。
『降りて青木のアパートに向かえ。管理人を叩き起こして、部屋を開けさせろ。おまえに調べて欲しいことがある』




テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Rさまへ

Rさま。

> ギャー!気になるー!!気になります~

岡部さんに、何を調べさせるのか?
期待していただいてありがとうございます、でもっ、
実はここはギャグなんです。(^^;
岡部さん以外の人には絶対に頼めない、いや、本当は岡部さんにも見せたくないけど、自分が動けないから仕方なく、その薪さんの心中を想像して笑っていただきたいです。
お楽しみにっ♪


それと、
Rさまのブログ記事は全部読ませていただきました。 ありがとうございました。
SSの感想は、後ほど書き込みに行きますね。 その時はよろしくお願いします。
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
次のお話の予定
『ヒカリアレ』
書いてます。
60Pを超えました(笑)
7/18 推敲やってます。
あと20ページ。
7/20 推敲の結果、70Pになりました。←バカじゃないの。
2回目の推敲に入りました。
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: