パーティ(3)

パーティ(3)






 水曜日、法医第一研究室。
「で? あたしに何しろっての?」
「だから、竹内さんが必要以上に薪さんに近付かないようにガードして欲しいんですよ」
「そんな狡っからしい真似しなくたって、薪くんはちゃんと」
「だって心配なんですよ。あの二人が並ぶと、めちゃくちゃ絵になるじゃないですか。周りに煽てられて、薪さんがちらっとでも竹内さんを意識するようなことがあったら、オレ、もうどうしたらいいか」
「誰かに言われた時点で薪くんは怒り狂うと思うけど」
「話しているところを見るだけでも、平常心でいられないんです。オレが暴れて、パーティをメチャメチャにしてもいいんですか?」
「どういう説得の仕方よ。……はあ、仕方ないわね」
「先生なら引き受けてくれると信じていました。よろしくお願いします」

「「「「「先生、我々もお供します!」」」」」
「え、あんたたちも来たいの? でも、薪くんの都合もあると思うし。ねえ、青木くん」
「そうですね。あんまり人数多くなると、料理の手配とか大変なんで。みなさんは遠慮してもらえますか」
「「「「「料理もお酒も必要ありません! 一目、薪室長のお住まいを拝見できれば!」」」」」
「来ないでください。(ちっ、ここにも薪さんの隠れファンが)」
「まあまあ、青木くん。あたしがちゃんと言い聞かせるから」
「お願いします。では、当日」




*****



 木曜日、官房室。
「薪くん。土曜日に、警視長就任のパーティやるんだって?」
「そんな大層なもんじゃありませんよ。研究室の連中と有志とで、僕の家に集まって飲み会するだけで」
「ぼくも行っていい?」
「えっ、小野田さんがですか?」
「邪魔にならないように、お祝いだけ置いたら直ぐに帰るからさ」
「いえ、小野田さんなら大歓迎ですけど。それと、お祝いなんて……お礼を申し上げなきゃいけないのは僕の方です」
「そう言わず、花くらい贈らせてよ。きみが警視長になってくれて、ぼくは嬉しくてたまらないんだから」
「ありがとうございます。では当日は、小野田さんのお好きな茶巾ずしを用意しますね」

「「「「「私たちも、みんなでお祝いのお花をお持ちしますねっ!」」」」」
「え? そんな、秘書の皆さんまで。どうかお気遣いなく。……なんか皆さん、眼が据わってらっしゃるんですけど。分かりました、お待ちしてます」



*****



 同日、警務部長室。
「法一の娘から聞いたんだけど。土曜日、薪くんの家で警視長就任パーティやるんだってさ」
「「「「「間宮部長、薪室長のご自宅なら、わたしたちも是非ご一緒させてください」」」」」
「残念ながら、土曜は接待ゴルフの予定が入ってるんだよ。自宅宛てに、お祝いの品を送ることにするよ」
「「「「「それなら私たちがお預かりします! みんなで、間違いなくお届けしますわ!」」」」」
「いや、大勢で行くのはどうかと……どうして君たち、そんなに血走った眼をしてるんだい? なんだか寒気がしてきたな、今日は帰るよ」



*****



 金曜日、捜査一課。
「明日ですか? えらく急ですね」
「ええ、都合が付かなければ無理にとは言いません。公私共にお忙しい竹内さんのことですから、週末に用事が無い方がおかしいですよね。女性とのお約束、絶対に入ってますよね。それが目的で前日まで黙ってたとか疑わないでくださいね、単に、こちらに伺う時間がなかっただけですので。
 断っていただいて、一向に構わないんですよ。しかし、これで快気祝いの約束は果たしたことにさせていただきます。僕はちゃんとお誘いしたのに、断ったのはそちらのほう」
「喜んで参加させていただきます」
「えっ、来るんですか? ちっ……では、土曜日に。失礼」

「「「「「竹内班長、室長のお宅に行くんですか? おれたちも連れて行ってください」」」」」
「大勢で押しかけたら迷惑だろ。お祝いの品があれば、俺が預かるから」
「「「「「それもそうですね。じゃあ、これからも頑張って下さいって伝えてください」」」」」
「ああ、伝えておくよ」
「「「「「ちっ、竹内の野郎、プライベートの薪室長を独り占めする気だな。そうはいくか」」」」」



*****



 同日、組織犯罪対策課。(組対5課)
「警視長就任パーティ? 薪室長の家で?」
「警視長に昇任したお祝いか。そりゃあ、おれたちも何かしないとな」
「薪室長には世話になってるからな。お祝いの花くらい、届けるべきだろうな。課長に頼んで、約束を取り付けてもらおう」
「おお。脇田課長が薪室長と懇意で良かったな。これで義理を欠かずに済む」
「その通り。これは礼儀から派生するものであって、決して薪室長の自宅に行ってみたいとか、普段着姿の室長が見たいとか、あわよくば下着の一枚も手に入れようとか思っているわけではない」

「おい、なんだ最後の不届きな目的は」
「そうだそうだ、室長はみんなのアイドルだぞ? 穢すような真似は慎め」
「まったくだ。下着なんて、いやらしいことを考えやがって。まあ、正直に言うとおれも、風呂場の排水溝から毛の一本くらいは拝借してもいいかな、なんて考えてたが」
「風呂場だと!? どこの毛を拝借する気なんだ?」
「どこって、髪の毛に決まってる」
「髪の毛なら洗面所のブラシだろう」
「えっ。ち、ちがう! そんなことは考えていない! あっ、おまえら、鼻血を出すとは何事だ! いったい何を想像してるんだ!」
「なにって、うっ」
「……室長、風呂に入ったら何処から洗うのかな」
「や、やめろ、想像を掻き立てられるじゃないか!」
「うあああ、仕事にならん!」
「幻聴が、シャワーの音が!」
「「「「「あ、課長が帰ってきた。――脇田課長、お願いがあるんですけど!!」」」」」



*****



 同日、室長会。
「警視長就任パーティ? 薪室長の家で?」
「警視長に昇進したお祝いですか。ならば、祝辞の一つくらい述べませんと」
「薪室長には世話になってますからね。こちらから足を運ぶべきでしょうね」
「しかし、誘われてもいないのに出向くのはどうかな」
「所長に頼んで同行してもらいましょう。そうすれば薪室長も、我々を追い返せますまい」
「「「「「それは良い考えだ」」」」」
「薪室長、自宅にいるときはどんな装いをされてるんですかね? やっぱり、ミニスカートですかな?」
「まさかミニはないでしょう。大人っぽいロングドレスですよ、きっと」
「皆さん、悪ふざけも大概に。室長は日本男児ですよ。振袖に決まってるじゃないですか」
「「「「「なるほど、それもそうですな」」」」」


*****


 他、多数部署。
「警視長就任パーティ? 薪室長の家で?」
 …………以下同文。






*****

 税金ドロボーばっかだよ、うちの桜田門。(笑)

テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Rさまへ

Rさま。
コメントありがとうございます♪


愛でる会のメンバーは、しっかり仕事の役に立てそう、と、
そうかもしれませんね。
でも多分、必要以上に薪さんに触れた人間はもれなく左遷になると思います。(笑)


> 室長の自宅のジオラマやフィギアとかを作り会員限定販売を

あははははは!!!!!
要するに、「薪ちゃんハウス」ですね!? しかもドール付ですね!?
わたしも欲しいです! それ、何処に行ったら買えるんでしょうか!!! ←書いた本人がこの始末。

Rさまのギャグセンスに脱帽です~。 
楽しいコメント、ありがとうございました。(^^

Aさまへ

Aさま。

仕方ないんですよ、この話はずっと昔、「ナルシストの掟」の後くらいなんで。
遡ること半年前には、ファーストインパクトの「トライアングル」がありまして。 その後、「斜塔の頂」で一応恋人として認めてもらったものの、それは限りなくセフレに近い恋人関係で、全然自信なんて持てない状態だったんです。

> ぎゃー間宮、まだ生きていたのね!(ヒドイ)

あははは!
はい、この頃はまだ健在でしたね。 「破滅のロンド」の後は、彼の義父である警察庁次長の勢力が弱まってしまったので左遷も考えていたんですけどね。 まだ決めてません。


薪さんちが満員電車、
ええ、まさにその通りの展開です~。 招待客以外の人間が多すぎて、肝心の第九メンズが中に入れないと言う。(^^;


> Gene薪さんの私服

飾り気がないにも程がある。(笑)
でも、今はあれでいいんですよ。 あれは計算なの。 
うちの設定もそうなんですけど、鈴木さんに恋をして、彼はオシャレに目覚めるのです。(〃▽〃) 
……オトメ?

Sさまへ

Sさま。

メール、ありがとうございました! ちゃんと届いております!
で、お返事するつもりでブログに伺ったら、秘密の新連載が吹き飛ぶくらい頭に来ちゃって。(^^;) 
あんなコメントしか残せませんでした。 ごめんなさい。 

嫌なことの実況中継なんて、そんなことありませんよ!
いいんです、吐き出してください。 わたしも気になっていて、Sさんのブログ、しょっちゅう覗かせていただいてます。



> 久しぶりに読みながら声出して笑っちゃいました。

ありがとうございます♪
ほんの僅かな時間でも、Sさんの憂鬱を払拭できたなら、とってもうれしいです。
Sさんの今の状況、本当にシビアで。 何もできない自分を不甲斐なく思うばかりだったので、そう言っていただけて救われた思いです。
「元気玉」というコメントのタイトルも、嬉しかったです。(^^




創世記、読まれましたか~。 良かったですね。(^^
はい、鈴木さん、カッコよかったですね~!


> 青木くん、あれを越えちゃったんですね…ていうか、え?越えたんだよね?

あははは!
なんですか、その疑り深い言い方は!(>▽<)
まあ、鈴木さんと青木さんは似て非なるものの代名詞みたいなもので、立ち位置が全然違いますからね。 青木さんは鈴木さんを超えることはできないし、逆に鈴木さんには青木さんの真似はできないと思います。 生きていれば、雪子さんと結婚したと思うし。
ただ、カッコよさに限定した場合、超えたかどうかはかなり微妙だと……いえその。(←あおまきすとならではの自主規制)


> 薪さんてば良家のご子息?しかも賢い遺伝子のみで構成されてる人?

そうなんですよ。
お金もあって頭も良くて顔もいい。 なのにあの展開。 恵まれすぎて、神さまに嫉妬されちゃったのかしら。


> でもあの過去が、今の薪さんを作ったんですね。

生き急ぐような、刹那的な薪さんは、あそこが原点なんですね。 だからこそ目が離せない。 
過去の経験が人を作るのは事実ですよね。 あの人にしてあの過去ありだと思いました。 



> 「ハロウィン・パーティーで水銀燈に扮しためちゃ可愛いhyde」

これはアレですね、「ローゼンメイデン」ですね。
何年か前、深夜のアニメで観ましたよ~。 女の子の人形同士が戦って、勝ち残った人形がマスター(そのシリーズを作った人形師)の寵愛を得られるとか、そういう設定のもとに華麗なバトルを繰り広げる話だったような。
ゴスロリつながりでうちの「パンデミック・パニック」を、
思い出していただいてありがとうございます~。 再読までしていただけるなんて、筆者冥利に尽きます。(^^

ありがとうございました。

Sさまへ

Sさま。

精密検査のお話、存じませず、びっくり致しました……!
さぞや心配だったでしょう!
お気持ち、分かります。 わたしも今年の健診で乳がん検査に引っ掛かりまして~、再検査の結果が出るまで、けっこうビビってました。 陰鬱な気分になっちゃいますよね。(><) 秘密の連載終わるまで死にたくないなあって、マジで思いましたよ。
わたしの場合は、技師さんのカンチガイだったみたいなんですけど。(^^;

Sさんは、そんな中で記事を上げてくださったんですね。
すごい精神力だと思います。 ありがとうございました。
大事にならなくて、本当に良かったですね!
でも、早期の発見が何よりも大事ですからね、検査は苦しいかもしれないけれど頑張って、定期検診なさってくださいね。



SSの感想、ありがとうございます。
やっぱり桐谷は怪しかったですか~。 ええ、みんなに見透かされてました。(笑)


>  青木さん=泣き崩れのイメージ、私もありますw

やっぱり?
原作薪さんもすっかりほだされてしまって。 泣く子にゃ勝てん、とはこの事ですね。(>m<)


> 中園さんが小野田さんを説得してくれるとは思わなかったな~。

何のかんの言って、中園は二人に協力してくれるんですよ。 でもそれは薪さんの為じゃなくて、要は、
小野田さんが理想の為に邁進できるのは薪さんにその理想を受け継がせるため、その薪さんが薪さんらしく居られるのは青木さんのおかげ、
だから二人を応援するようなことをしているわけです。 結局は小野田さんの為、なんですね。 中園は小野田さんに自分の理想を託してますからね。 で、自分は汚れ仕事を一手に引き受けていると。

> でも、それからさらに半年後ですか?

ねえ。 遅いですよねえ。 何かあったんでしょうか。 ←誰が作者やら。(^^;
あははは、まだプロットもないんですけど、入れるとしたら青木さんがロス市警に行く話を入れようかなって。



>  「キャンディ」も楽しませて頂きましたー。

ぎゃー、恥ずかしいですー!! ヘンなもん読ませてすみませんですー!
12巻を読み終えたら幸せなRが読みたくなって、ついつい書いちゃいました。
で、その後原曲を聞いたらそういう風にしか聞こえなかったと☆
あはは、SSの影響かもしれませんね。(^^;
でも、聞くところによると、発売当初は記念すべきエロシングルって騒がれたみたいですよ?(笑)


>  「パーティー」も楽しいです。薪さん人気者…でも、これじゃ、警察の人たちみんなヘンタ…いえいえ、青木くんの心配も無理ないですね。

こんな警察機構に守られてる日本の未来がとっても心配です。(>m<)

「薪さんがお料理できるという設定が好き」といただきました、ありがとうございます。
Sさんの仰る通り、「青木さんが手伝って二人で一緒にごはん食べるシーンは日常の幸せを感じられる」のですよね。
わたしが薪さんに望んでいたのは、普通の人の普通の幸せなんです。 好きな人と一緒に美味しい物作って楽しく食べるなんて本当にささやかなことですよね。 原作の薪さんはそういう「日常の幸せ」からすごく遠い人のような気がして、だから二次創作の中ではそんな彼が見たかったんです。
もっとゴージャスに、インペリアルホテルの最上階でシャンパンと花に囲まれてお泊りデートとか、そっちの方が実際は楽しいだろうな、とは思うんですけどね。 ほら、うちの薪さん、貧乏だから。(笑)


> それに、コーヒー(ブラック)が好き、和食が好きでケーキなどは甘さ控えめに作る、牛乳嫌い、などの薪さんの好みが私と同じなのでなお嬉しいです!

おおっ、牛乳嫌いのお仲間ゲットー!!
実は、甘いもの苦手で牛乳嫌いはわたしの好みなんです。(^^;) 食べ物の好き嫌いを文章に起こすとき、リアリティが欲しかったので、敢えてそうしました。
牛乳嫌いのわたしはバニラアイスも単品では食べられないのですけど、アフォガードは大好きです♪ アイスの牛乳の匂いをコーヒーの香りが消してくれるので。


わたしの身体へのお気遣い、ありがとうございます。
Sさんも、本当に身体だけは大事にしてくださいね! 健診も、我慢してきちんと受けてくださいね! 一人の身体じゃありませんから。 ご家族みんなの、大事なSさまですから。

ではでは、コメントありがとうございました。
Sさんの次の記事も楽しみにしております。(^^


プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
メロディ6月号、読みました。
一言感想 「どひゃー……」
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: