きみのふるさと(5)

 こんにちは。
 昨日の地震、大きかったですね。 みなさん、大丈夫でしたか?

 うちの方は特に被害はありませんでしたが、震源地が三陸沖と聞きまして、彼の地の方々はどんなにか怖かったことだろう、と。 きっと反射的にあの日を思い出して、身が竦むほどの恐怖に襲われたのではないかと。 想像するだけで、息が苦しくなります。
 いくつかの関連ニュースを読むと、多くの住民の方々が迅速に避難された、また、対応する職員の方々もストーブや毛布等の準備がすばやくできたと、大震災の教訓を生かして機敏に行動された様子が伝わってまいりました。 
 ああ、素晴らしい、逞しいな、と感動いたしました。
 あんな恐ろしい体験からもちゃんと学んで、その後の人生に役立てて、人間てすごいな、って思いました。
 身に積まされる思いで昨夜は、保存水や備蓄食料の確認を行いました。 保存水、期限切れてました……沸騰させれば大丈夫だよね?(^^;


 昨日の今日で、ギャグ小説の更新して申し訳ないんですけど、ちょっと自重しなさいよ的なお叱りはあるかと思うのですけど、でも、
 あの時も何人かの方から、暗いニュースしか入ってこない現在、このブログを読んで一時の笑いを得て元気出してます、ってコメントいただいたので、今回も空気読まない感じですみません、続きです。
 例え一瞬でも、読んでくださる方が笑顔になってくださったら嬉しいです。
 







きみのふるさと(5)






 女性陣のセクハラトークが一段落した後、4人、いや5人は、ダイニングで食卓を囲んだ。
 青木家は昔ながらの日本建築で建てられているが、部分的に時代に合ったリフォームが施されていた。台所も、薪が使い慣れたシステムキッチンになっていてホッとした。手伝う心算で来たものの、家の外観に合わせて竈に焚き木が出てこられたらお手上げだった。

「おいしい!」
 何度もそう繰り返しながら、和歌子は次々と料理に箸を付けた。供え物の残りだが、煮物に天ぷらに酢の物に焼き物、とバラエティに富んで、どれもなかなかの出来栄えだった。
 薪特製のチラシ寿司は、青木にはもちろん母親にも姉にも好評で、木桶に入った酢飯は見る見る間になくなった。さすが青木の肉親、2人とも見事な食べっぷりだ。積極的に箸を動かさないと、食いっぱぐれの憂き目に遭いそうだ。しかし。

「本当に美味しいわ。一行の言葉は、惚れた欲目じゃなかったのねえ」
 などと言う言葉が母親の口から零れたものだから、薪はもう食事どころではない。心臓が口から飛び出そうだ。青木の姉に、自分と青木の関係をどう話したらパニックを起こされなくて済むか思案を重ねていたのに、いきなりバラされてしまった。
 冬だというのに顔に汗をかきながら、そうっと和歌子の表情を伺えば、彼女は先刻までとなんら変わりなく、芋の天ぷらを口いっぱいに頬張っていた。さては聞き逃してくれたのか、と薪の心臓が落ち着いたのも束の間、今度は姉の口から、
「嬉しいわー。一行のお嫁さんの料理が食べられるなんて」
 なんてセリフが飛び出した日には、いっそ心臓が止まらない方が不思議だ。

 どういうことだ、と眼だけで青木に詰問すれば、すみません、と悪びれない笑顔が返ってくる。青木の口から言えるわけはないから、母親から伝わったのだろう。
 とにかく姉は、自分たちの関係を聞き及んでいて、その上で薪と一緒に食卓を囲んでくれている。ならばそれは、弟の選択を否定しないという意思に取っていいのだろうか。
 母親と同じように、きっと心の中では納得の行かないことが沢山あるに違いない。それでも彼女は、薪に笑いかけてくれる。
 ありがたい、と思った。
 肉親の非難が一番きついと聞く。この種の非難は愛情の裏返しだからだ。責められて当たり前なのに、こうして同じテーブルを囲んで、一つの皿から同じものを食べて、薪を仲間に入れてくれる。さすが青木の肉親、なんてやさしくて、強い女性たちだろう。

 薪が彼女たちの柔軟な精神に感激したのもほんの一時。彼女たちの間で再び始まったハッスルトークに、薪の右手で割り箸がバキリと折れた。

「よかったわね、一行。料理上手なお嫁さんで。ハートも胃袋も、がっちり捕まえられちゃったのね、この幸せものっ!」
「あら和歌子、違うわよ。一行の方が年下なんだから、一行がお嫁さんでしょ」
「えー、まさかー。どう見たって薪さんの方がウェディングドレスでしょー」
 青木とは秘密の関係で、当然薪は、冷やかされることに慣れていない。相手にその気が無くとも、侮辱されているような気がする。確かにウェディングドレスは着たことあるけど、あれはおとり捜査で仕方なくっ!

「あらでも、薪さんは『息子さんは僕が守ります』って言ったわよ?」
 ちょ、待て、そういうことをこの場で言うかクソバ……い、いやその、しかしこれは、ああうううう!!
「きゃー、カッコイイー! となると、やっぱり薪さんの方が旦那さま? 一行が奥さんなの? 夜も?」
 夜ってどういう意味!? 
 なんで昼メシ食いながらそんな話になるんだっ、しかも本人たちの目の前で!! この破廉恥オン、い、いや、青木のお姉さんだ、ここは穏便に、「口から爆弾女」くらいにしておこう。

「もう、和歌子ったら何言い出すのよ! 知らないわよ、そんなこと!」
「えー、どうして母さんが知らないのよー」
「いくら親だって聞くわけないでしょ。でも、ちょっと気になるわね」
「でしょー。やっぱり気になるわよねー」
 彼女たちの死角、テーブルの下で、薪の右手が次々と割り箸を折っていく。折られた割り箸が床の上に落ちて山になり、それに気付いた青木の顔が白紙のように青ざめた。

「ね、姉さん母さん、その辺でっ……!」
 帰ったら只では済むまい。察しの良い青木は必死になって、薪の逆鱗の上でタップダンスを踊るがごとき彼女たちの爆裂トークを止めようとした。が、時すでに遅し。

「「薪さん、本当のところはどうなの? どっちが女の子?」」

 今ここに隕石が落ちてくればいいと薪は思った。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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またまた色々すみません

こんばんは。
 あのー、すみません、年末でお忙しいかと思うんですが、また、お聞きしたいことがあるのですが…(べつに急ぎませんが)。
 拍手についてです。始めた頃もわからなくて、調べてみてわかったような気もしてたんですが、やっぱりわからなくて。こたさんもこの前聞いてたし、リンク先の読書子さんが、「ブログ拍手だと返事を表示できないからFC2拍手に変えました」って書いてたので、私もどうしようかなと思っています。以前、FC2にかえようとしたら拍手数がFC2に移行できないみたいなのでやめたんですが、彼女はその数まで自分で押したそうです。同じ人が押してもカウントは増えるんですか?ブログ拍手だと増えないようですが。ブログ拍手でかいた返信は拍手コメくれた人は見れないんでしたっけ?
 
 それから、しづさん、「過去の拍手レスは該当記事の拍手欄を押してください」ってかいてありますよね?これ、押したら拍手数は増えるんですか?そうだとしたら、この記事にそんなに何回も拍手したくないから見ないでおこう、などという人はいないんでしょうか(しづさんのところではいないと思いますが一般論です)。最新拍手コメのお返事というのはプラグインのところで設定してるんですか?
 
 沢山すみません。鍵拍手コメなら記事のところに返事を送ればいいんですが、公開OKの拍手コメを頂くといまだにどうしようかと悩んでしまいます。鍵拍手コメの方が多くて、公開OKはいつも忘れた頃に来るので今回もまた、どうしようって思っています。前回はそういうことはころっと忘れてそのまま返信しちゃったけど、コメ下さった方が見れたのかどうかはわかりません。

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すみません

昨日のコメント、感想じゃないので鍵にするつもりだったのに、鍵になってなかったですね。すみませんでしたm(_ _)m

しおんさんへ

しおんさん、こんにちは!

ブログ、頑張ってらっしゃいますね。
努力を欠かさないしおんさん、ステキです!
拍手についてはしおんさんのブログにご説明に上がりましたので、そちらを参考にしてください。 て、あの説明で分かるかしら……日本語に自信のないSS書きですみません。

鍵は別に、けっこうですよ~。
個人情報でも絡まなければ、一向にかまいません。 
それと、うちのコメント欄はSSの感想に限定しておりませんので、ご安心ください。 原作の話を筆頭に、彼氏の話とか旦那さんの話とか苦手な上司の話とか、みなさん普通に振られてますのでww。 

ではでは、何かありましたらまたどうぞ。(^^

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Sさまへ

Sさま。

拍手の件、解決して良かったです。(^^
「前押した人が読み返して押した」ことがわかったのは、その旨、コメント欄に書いて送ってくださった方がいらして。 それで分かりました。


>「秘密」にはまりすぎて日常は若干おろそかになりがち

ふふふ~、よーく分かります。 わたしもそうでした。 今はずい分、マシになりました。
とにかく、薪さんのことばっかり考えちゃうんですよね! 
ましてやハマったのが5巻の直後だったので、例のアレで~、リモコンに過剰反応したりね☆  仕事が手に着かないのには、マジで困りました。


オカイさんのお話、読まれてるんですね。
ねっ、すごいでしょう、彼女!!
弓東さんは、あの話の主役ですが、なにか? ←あおまきすとのくせに。
あー、でも、弓東祭りは多分別軸で、本編ではああはならないんじゃないかな~。 本編は青薪さん成立するはずなんで……青木さん、もっと頑張らないと本当に薪さんを弓東さんに取られちゃうよっ!! 人気はとっくに持って行かれてるみたいだけど!(←え)


クリスマスとかお正月用のイベント記事も、考えてらっしゃるんですね。
その計画性に憧れます!
いやー、わたし、いっつもメロディ発売前に終章まで持って行こうとして途中で間に合わなくなってすったもんだするから~~、ちゃんと計画して準備して、って、下積みが大事なんですよね。 見習いたいです。
ご自分のペースでいいですから、動画もがんばってくださいね! 楽しみにしております。(^^


プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
メロディ6月号、読みました。
一言感想 「どひゃー……」
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