きみはともだち 前編(5)

 先週の30日から、拍手コメントの通知メールが文字化けするようになっちゃいました。 他のメール、コメントの通知メールも普通に表示されるんですけど、なぜか拍手コメントだけが化けるんですよ。
 FC2さんに教えてもらって、エンコードを変更したら中身は読めるようになったんですけどね。 件名が文字化けしたままなんですよね。 受信ボックスにスパムメールがいっぱい入ってるみたいでいやんな感じですー。(@@)

 どなたか、似たようなトラブルを経験された方、いらっしゃいませんか? 対処法とか、教えていただけると助かります。
 メーラーは  outlook Express です。
 よろしくお願いします。


 上記について、16時に解決しましたー。
 FC2さんの方を修正してくれたそうです。 事務局のYさん、ありがとうございました。
 みなさまにもすみません、お騒がせしました。

 FC2さんは、ブロガーに親切ですよね~。 
 今まで何度かお世話になってるんですけど、いつも丁寧、誠実に対応してくれます。 こういう問い合わせは日に何百件もあると思うし、お金も払ってないしで、いっそ申し訳ないくらいです。 ありがとうございました!
 
 



きみはともだち 前編(5)





「なあ。オレたち、友だちになれそう?」

 まともな会話もできない相手に対して、無謀な問い掛けだったかもしれない。彼はやっと鈴木の隣を歩くようになってくれたところ、でも何となく予感がしていた。こいつと友だちになったら、絶対に退屈しない。
 が、薪の言葉は自販機の缶コーヒーよりずっと冷たかった。
「ごめんだね。僕は君みたいに軽薄な男は大嫌いだ」
 鈴木が胸元に光らせているシルバーチェーンのネックレスを蔑んだような眼で見やり、彼は品よく缶コーヒーを飲んだ。それから口の端を皮肉に歪め、いっそ楽しそうな顔で、
「君、教育学部の篠塚真由子と付き合ってるんだろ」
 脈絡のない薪の言葉に、鈴木は戸惑う。確かに真由子は自分の彼女だが、それが彼と友人になるのに何の関係があるのだろう。

「入学当初から女が切れたことがない君にとって彼女は大学生活8人目の恋人で、以前の女たちとの切れ目の殆どは君の浮気が原因。そんな男が動物園のチケットを手に入れて、男の僕に声を掛ける? もしも彼女の都合が付かなかったにしても、女子を誘うのが自然じゃないか」
 薪の眼は、最初に動物たちを眺めていたときのそれに戻っていた。冷徹な観察者の瞳。それは、物事の裏側を見抜き、隠された真実を暴き立てようとする探究者の視線だった。

「思うに、君は先日、苦学生の僕から金銭を受け取ったことを悔やんでお詫び代わりに僕を誘った。それを僕に悟らせまいとして、チケットは貰い物だと嘘を吐いた。軽薄な人間が考えそうな姑息な嘘だ」
 薪の言う通りだった。お金に不自由していない自分が金銭的に苦労している彼から給金を取り上げてしまった、その罪滅ぼしにチケットを買ったのだと言われれば、それはその通りだった。嘘に気付いていながら、彼は鈴木に着いてきた。鈴木だってバカじゃない、彼は鈴木の計画を見抜いて、それはいたく彼のプライドを傷つけたに違いない。彼の指摘は正しい、でも。
「訂正があれば聞こうか」
 鈴木の中で、急速に怒りが膨れ上がった。もう、彼と友だちになりたいなんて気持ちは失せていた。鈴木は彼を真っ向から見据え、きつい口調で言い返した。

「は。百年に一人の天才も大したことないな」
 腹が立った。自分がしたことは偽善者と罵られても仕方ないことかもしれない、でも彼がしたことだって誠実からは程遠い。彼は誘いに応じることで鈴木と交友を深めようなどという気はさらさらなく、逆に気の済むようにしてやれば鈴木の憐憫も虚栄心も満たされて自分に関わらなくなるだろうと、謂わば鈴木を遠ざけるために此処に来たのだ。
 それが分かって、ひどく腹が立った。裏切られた気分だった。おかしな話だ、まだ彼とは何も通じ合っていないのに。でもとにかく頭に来た。なにもかも許せなくなった。

「真由子の名字は篠塚じゃなくて篠田だ。それから、彼女は8人じゃなくて9人目。別れた原因は3人がオレの浮気で3人が相手の浮気、残る2人は理由も分からず振られたんだ。まあ、そんなことはどうでもいいけど」
 何が一番頭に来たかって、それはもちろん。
「詫び代わりなんかじゃない。誘いたいから誘ったんだ」
 鈴木は席を立った。空き缶を捨てるごみ箱を探して、周囲を見渡した。
「チケットは買った。嘘吐いて悪かったよ」
 前方に、総合案内所の看板が見えた。小さな売店もあって、きっとゴミ箱も設置してあるだろうと思ってそちらに歩いた。

「待っ……」
 何かが喉に詰まったような薪の声は小さくて、鈴木の耳には届かなかった。その時鈴木の耳に聞こえてきたのは、総合案内所のスピーカーから流れる迷子案内のアナウンスだった。

「鈴木!」
 5,6歩歩いたところで、突然腕を掴まれた。何事かと振り返ると、薪が取り縋るような瞳で自分を見上げていた。
 面食らった。何をそんなに必死になっているのか、あんなに冷たく人を突き放しておいて、彼の気持ちがまるで分からなかった。
「楽しかったよ。今日は楽しかった」
 きれいな顔を歪ませて、薪は訴えた。彼の手は白くなるほど握り絞められ、鈴木は手首に微かな痛みを、そして胸にはもっと強い痛みを感じた。

「本当?」
「うん、本当だよ」
 細い眉が垂れ下がると、彼はびっくりするくらい幼い顔になった。もともとわずかに垂れた瞳の中、透明度の高い琥珀色が不安げに揺れていた。
「だったら、そんな泣きそうな顔すんなよ」
 オレが苛めたみたいじゃないか、と鈴木は苦笑して、
「バカだな。あれくらいで怒らないよ」
 本当はかなり頭に来たのだが、どうでもよくなってしまった。彼に当てこすられた偽善がまるでなかったとは言い切れない。見透かされたと、そう思ったからカッときたのだ。怒る権利なんか無かった。

「嘘吐いてゴメン。でも気を遣ったって言うよりは……なんか、照れ臭かったから。男友だちの為にチケット買ったのなんか、初めてだったし」
「そうなのか? 本当にタラシなんだな、君」
 変わり身の早さに驚いた。ついさっきまで潤んでいた亜麻色の瞳は、氷の冷たさに取って代わっていた。

「ちょ、待てよ。君はオレが見境なしに女の子を口説いてると思ってるみたいだけど、それは誤解だぜ。殆どは相手の方から言い寄ってくるんだから」
「僕の聞いた話じゃ、鈴木は3人以上の女の子と常時接続状態だって」
「だれが言ったんだよ、そんなこと」
「じゃあ、二股かけたことないのか?」
 ある。というか、つい先日も真由子に内緒で文学部の女の子と寝たばかりだ。
「いやその、断ったら相手が可哀想だから」
 鈴木が正直に告白すると薪は、先刻とぐろを巻いていたニシキヘビよりも冷たい眼になって、
「それを世間じゃタラシって言うんだよ」
「女の子に泣かれると、弱いんだよなあ」
「呆れたね」

 乱暴に手を放し、ついと鈴木から離れた薪は、ベンチに戻って飲みかけの缶コーヒーを取り上げた。くいと飲み干し、こちらに歩いてくる。すれ違いざま、鈴木が捨てようとしていた空き缶を攫い、鈴木が向かっていた案内所へと足を進めた。
「でも、僕は女の子じゃないから。友だちにはなれそうだ」
 自販機の横に設置されたゴミ箱に二つの空き缶を放り込んで、薪は皮肉に笑った。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
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