雨の名は沈黙(1)

 放置プレイがすっかり長引いてしまいました。

 メールやコメントで励ましていただいて、どうもありがとうございました。 
 なんかすみません、みなさんに心配掛けちゃって~~。(><)
 しづは元気、本当に元気なんですよ!
 バリバリ仕事してます。 明日も測量だし……風、吹かないで!!←切実。 巻尺がたわんで正しく測れない。

 年度末の書類もさることながら、先日見積もりやってた建築の現場、めでたく落札しまして、その着工書類ですったもんだしてたから~。 
 見積もり段階であれだけ意味不明だったんだもん、実際に仕事に掛かったらもっと分かんないよねっ! コリンズ登録からしてやばいよ!! ←役所にばれたら落札取り消されそう。
 仲の良い業者友だちに教えてもらうことになってますけど。


 以下、ネタバレになるので畳みます。
 それから、こちらのSSもメロディ4月号を元に書いてるので、コミックス派の方にはごめんなさいです。



 さて。
 今月のメロディ、すごい衝撃でしたね。 さすが清水先生ですね。
 うん、やっぱり『秘密』はこうでなきゃねっ! ←ショックでネオチしてたやつのセリフじゃない。


 澤村さんは、薪さんの実のお父さんだったんですね。
 悪い人だったですね。
 親友の婚約者をレイプして孕ませて、挙句の果てに親友共々焼き殺しちゃったんですね。 それも妬みから。 最悪っすね。


 …………………そんなんやだっ!!

 きっとなにか理由があったんだよ!(そうかな)
 他に真犯人がいるんだよ!(それはないと思うぞ)
 澤村さんは何かの理由で自分に掛けられた容疑を否定しないんだよ、それもきっと薪さんのために!(妄想入った)


 というわけで、
『薪さんのお父さんが悪い人のわけが無い』SS です。

 題名はまだ無いんですけど、内容は、
 現実逃避型妄想爆裂SS。 別名、澤村さんいい人計画。 (←どんなに辛い現実でも、この世にはやっていいことと悪いことがあるとか言われそう)
 29P。 6章くらい、だと思います。
 未題になってることからもお分かりのように、わたしにしては珍しい見切り発進でございます。 やっつけで書いたので読み辛いと思いますが、どうかご容赦を。


 公開に際して、一つだけ言い訳です。
 わたしが薪さんのお父さんに善い人でいて欲しいと願うのは、そんな人間の子供なんか嫌だ、と思っているわけではありません。
 親と子供は別の人間に決まってる。 殺人犯の子供が刑事になるなんて、むしろ美談だと思う。
 だけどそれは他人の眼から見るから言えることであって、薪さん本人にしたら自分がこの世に生まれてきたことを否定せずにはいられないことだと思うの。 
 更には、この苦しみから救ってくれた鈴木さんを15年後に殺めてしまった時。 薪さんは、自分に生きていく勇気をくれた恩人を殺したことになってしまうと同時に、まるで親が仕損じたことを子供が完遂したみたいになっちゃって、その絶望やら罪悪感やら、もうどうしたらいいのか分からない。 その状態で、どうやったら彼を幸せにしてあげられるのか、見当もつかない。
 いや、そんなん初めからわたしにできることじゃないんですけど。 でもずっとそう思ってSS書いてきたから。
 今回も、無謀と思っても書かずにいられませんでした。 自分の精神安定のために。<おい。(いつもいつも自分勝手ですみません~~!)

 てことで~。
 以下は、駄々っ子ブロガーの歪んだ願望によって作成された現実逃避者専用SSです。 原作世界を大事にしたい方は読まないでください。 
 薪さんのお父さんがそんな~~、とても次号発売まで身体が持たないわ、でも病院に行ったとして理由を聞かれたらなんて話せばいいの? とお悩みの方だけお読みください。 ただし、病状が回復するかどうかは保証できません。

 ちなみに、
 わたしはちょうど生理中だったんですけど、メロディ読んだら止まりまして。
 あら、今回は2日で終わっちゃったわ、まあわたしも年だしね、と思ってたら2日後に再開しました。 生臭い話ですみませんです。






澤村さんいい人計画(1) ←ちゃんと題名考えたら直します。







 プールサイドに仰向けになった鈴木は、恐ろしく不快な気分だった。暗い空から落ちてくる雨粒が容赦なく顔面を打ちつけているのに、起き上がる気力も無い。頭部の打撲傷と冷たい水に奪われた体温が、鈴木の体力を著しく消耗させていた。
 目蓋を閉じて喘ぐような呼吸を繰り返していると、絶え間なく頬に当たっていた雨がまばらになり、では邪魔なこの雨もようやく降り止むか、と眼を開ければ、そこにあったのは最近知り合いになった男の顔。
 人形みたいに整った彼の顔は、人形よりも無表情だ。自分と同じように水浸しになって、亜麻色の髪から雫を滴らせている。夜目のせいか本当に青褪めているのか、色を失くした形の良い唇が、「鈴木」と呼びかけた。

「気分はどう?」
「サイアク」
 彼の問いかけに、鈴木はぶっきらぼうに答えた。
 消毒前の不衛生なプールの水をしたたかに飲んだのだ。気分が良くなくて当たり前だ。
「すまない。巻き込んで悪かった」
 本当に悪かったと思ってるのかよ。
 そう非難したくなるくらい、抑揚のない声だった。彼が自らプールに飛び込んで鈴木を助けてくれたという事実が無かったら、声に出ていたかもしれない。

 この自分が、誰かに殺されかけるなんて。18年間生きてきて、こんな危険な目に遭ったのは初めてだ。母が聞いたら卒倒するだろう。
 きっかけは、この男だ。
 出会いからしてよくなかった。こんな常識知らずの人間の役に立ちたいなんて思った自分が馬鹿だったのだ。父の言う通り、友人は選ぶべきだ。金輪際この男とは関わらないようにしよう、と鈴木は心に決めた。

 自分を殺そうとした男と彼が一緒に暮らしていることについては、今後は心配ない。過去の殺人については立証のしようがないが、鈴木への殺人未遂については現行犯だ。男は警察に捕まり、彼は保護されるだろう。あの広い家に彼は一人になってしまうが、自分がそこまで彼を案じてやる義理はない。
 だが。

「澤村さん。帰りましょう」
 溺愛する息子に決定的瞬間を目撃され、虚脱状態でプールサイドに座り込んでいた殺人者に優しく声を掛ける彼を見て、鈴木は驚愕した。
 呆れたものだ。この場面を見て、まだ目が覚めないのか。
「薪、そいつは」
「彼は知っているよ」
 薪に同行してきた黒いローブを着た高齢の紳士が、鈴木に手を貸してくれた。鈴木を助け起こしながら、彼は憐みの篭った眼で殺人犯とその息子を見ていた。

「わたしが話した。彼の出生の秘密も、彼の両親が亡くなった火事で澤村君に懸けられている疑惑も。知った上でどうするか、選択は彼の自由意思に任せようと思う」
 プレミアムのグランドマスターだと言う老人の視線を追えば、嫌でも目に入る二人の姿。自分よりもかなり体格の良い男性の腕を肩に担ぎ、細い足を踏ん張る薪はいたいけな子供のようで。ずぶ濡れの彼の美貌が、見る者にいっそうの哀れを感じさせる。
 彼は薪に同情しているのだ、と鈴木は思った。

「安心したまえ。澤村君とて実の息子に無体な真似はすまいよ。君がどうしても澤村君を訴える、と言えば話は別だが」
 澤村が薪の両親を焼き殺した罪は秘匿する。おまえも口裏を合わせろと?
 邪魔なものは排除しようとする澤村の身勝手さにも、都合の悪い事は隠そうとするプレミアムの体質にも吐き気がしたが、自分が騒ぎ立てた場合だれが一番困るのかを考えて、鈴木は言った。

「そんなことはしません。薪は友人ですから」
「そうかい? 剛君は、君は友人ではないと繰り返し言っていたよ。それはもう君が可哀想になるくらい」
 悪気のない笑いを皺だらけの口元に刻み、過去を知る男は鈴木に薪の冷酷を暴露する。当然、鈴木は面白くない。協力してやったのに、なんてやつ。思わずムッとした貌になると、紳士はなおも微笑みながら、
「言いながら、必死に君を助けた」
 思わず薪を見ると、彼は澤村と一緒に、自分たちが乗って来た車に乗り込むところだった。
「君の姿を見つけるや否や、迷わずプールに飛び込んだ」

 薪は先に、澤村を後部座席に座らせた。車中の養父に何事か語りかける彼の穏やかな横顔には、グランドマスターからもたらされた情報による衝撃の片鱗すら伺えなかった。
 車に乗る前に、薪はこちらに向かって深く一礼した。それはグランドマスターに対する儀礼か、鈴木に対する謝罪か。どちらも違うような気がした。

 二人が乗ったタクシーが走り去るのを見送り、マスターは呟いた。
「やはり彼は、薪くんの息子だ」
 誇らしそうな声音だった。
 同情したのではない、信じたのだ。薪俊をよく知る彼は、彼に育てられた魂の誠実を信じた。

「……澤村がしたことを許すと」
「薪くんはそういう人間だった。琴海さんも」
 あの家族を見たことがある者なら誰もが断言するだろう、と彼は年老いて曲がった腰に力を入れて、ふらつく鈴木の肩を支えてくれた。
「彼らは心から、澤村の子供である剛君を愛していたのだよ」

 鈴木は薪の両親を知らない。でも分かる。薪が、彼らに育てられた彼らの息子が、懸命に彼らの死の真実を知ろうとしていたのがその証拠。
 大切な両親だから、自分を愛してくれた大事な家族だったから、だからこそうやむやにしておけなかった。どうして彼らが死ななければならなかったのか、知らずに生きることができなかった。
 薪もまた、彼らを深く愛していたから。

「案ずることはない。剛君は、彼らの息子だ。人を赦し、愛することを知っている筈だ」
 自分よりも彼らに詳しい人が言うのだ。間違いはないのだろう。
 そう自分に言い聞かせながら、鈴木はやって来たタクシーに乗り込んだ。二人ともびしょ濡れだったから運転手に嫌な顔をされたが、言い訳する気力も残っていなかった。「横浜まで、こいつで頼むよ」とマスターが運転手に握らせた紙幣によって、その必要もなくなった。
 ひどい疲労を感じた。鈴木は眼を閉じ、浅く眠った。



テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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Ⅰさまへ

Ⅰさま。

「シルエット」にいただいたコメントと、「いい人計画(1)」にいただいた拍手コメント、こちらにまとめてお返事させていただきます。


重ねてのご訪問、ありがとうございます。
更新が無い日も覗いてくださって、その上こんな細かい所まで読んでくださって。 
(サイドの「しづの日誌」を読んでコメントくださったんですよね?)
感謝します。(;;)

「妄想待ってます」と明るく声を掛けてくださったの、とっても嬉しかったです。

はい、お待ちかね(かどうかは甚だ疑問ですが) の妄想、アップしました。 
どうかお楽しみ(いただけるかどうかも甚だ疑問) ください。(てか無理だろ)
んー、どっかから副音声が聞こえるー。 もしかするとこれが良識ってやつなのかしらーwww。

仕事へのお気遣いもありがとうございます。
測量の日は、すっっっごい風でしたよ! 
測点でポール持って立ってるところを写真に撮るんですけど、強風で真っ直ぐ立ってられなくて。 チョークは転がるわ黒板は飛んでくわ、勘弁してくれー! という騒ぎの中で何とかやり遂げたのですけど、写真を見直すと、何事もなかったように撮れてるの。 苦労は写真に映らないのね、と思ったら何だか、合点がいかぬ、て思いましたww。

Rさまへ

Rさま。
拍手コメント3件分、こちらにまとめてお返事させていただきます。


順番が逆になってしまうのですけど、
的外れなんて、そんなことありませんでしたよ!
特に2番目にいただいたコメントの、
「あのエピローグはこんな過去(鈴木さんの件も含め)を背負う薪さんに用意した救いであり幸せなのだと思います」
というRさまのご意見に、すごくすごく救われました……!!

子供は親を選べない。
本当にそうなんですよね。 どんな親でも、認めるしかないんです。 自分がそこから生まれてきたんだってこと。


>薪さん、沢村さんの事も愛していると思うんですよね。
>育ての親への愛と犯人への憎しみと。

わたしもそう思います。
きっと薪さんと澤村さん、二人で支え合うようにして生きてきたんじゃないかな。 
薪さんにとって命の恩人である澤村さんの世話をすることは、決して嫌じゃなかった。 恩返しの気持ちも、自分が彼に必要とされる喜びも、確かにあったと思う。

今回SS書いててね、話に現れない部分の妄想もたくさんしたのですけど、その中に、

子供だった薪さんのためにクリスマスプレゼントを靴下に仕込む澤村さんとか、ケーキを美味しそうに食べる薪さんを見てほっこりしてる澤村さんとか、
お正月、ミタさんが作ったおせちを二人で食べるシーンとか、お雑煮が熱くてヤケドしちゃった薪さんをオロオロしながら手当てする澤村さんとか、
そう言った当たり前の日常も彼らは過ごしてきたはずで、それがこんな形で壊れてしまったこと、薪さんは悲しむに違いない。 親の仇だと分かったからと言って、その場で憎悪一色に変われるはずがないと思うの。 人間、そんなに簡単に手のひら返せないし、何より、澤村さんと10年間積み重ねたものがあるから。

だから、Rさんの言う、「沢村さんにはこれ以上罪を重ねて欲しくないと薪さんは思っている」というの、すごくよくわかります。
4月号の最後、薪さんが泣きながら鈴木さんの元へ走るでしょう? あの涙は、澤村さんに対する情が無いと出てこないと思うの。 薪さんの心が憎しみで満たされていない証拠だと思うの。
憎めれば、いっそ楽なのに。


>とにかく次号の薪さんを見るまでは(SSとは関係なく)何も考えられません

わかりますっ。
いくら未来に救いが用意されていても、今の薪さんには、それは分からないことですもの。 その気持ちを想像したら、何も手につかなくなっちゃいますよね。(><)
次号、薪さんに救いの手が伸ばされますように。 祈るばかりです。

プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
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