夢の続きは二人で(2)

 あとがきその2です。(←押してみた)
 Rに入るので、追記でお願いします。 わたし的にはギャグなんですけど、きっと人さまには通用しない言い訳ww。






夢の続きは二人で(2)











 青木が家に帰ると、薪は部屋にいなかった。コートと靴はあるから家の中には居るはずだが、リビングのソファにもキッチンにも、彼の姿はなかった。まだ昼間の3時だ、今頃から風呂はないだろうと思いつつも浴室に足を運ぶ。が、そこにもいない。薪の風呂好きは呆れるほどであったが、今日は違ったらしい。
 後はクローゼットと寝室だが、まだ冬物の整理には早いし、では未だ昼寝中かと足音を忍ばせて寝室の扉を開けてみれば、ようやくに青木の予想は的中して、薪はベッドの上に横になっていた。しかし。
 それは青木が予想した、いつもの静謐な寝姿ではなかった。白いシーツの上で、薪は裸だった。自分の肌を自分で愛撫し、息を荒くしていた。

 青木は一瞬その場に棒立ちになり、次に薪の頭に猫耳と、お尻に尻尾が生えているのを見て取った。さすがはニニさん、仕事が迅い。

 薪と付き合って5年経つが、彼のこんな姿を見るのは初めてだった。
 床の上に無造作に脱ぎ散らかしたシャツとズボンが、彼の焦りを青木に教えてくれた。下着はまだ薪の右の足首に引っ掛かっていて、それが妙に生々しかった。
 こういう場合は見なかった振りをしてこの場を去り、終わった頃を見計らって彼の前に姿を現すのが思いやりだと分かってはいたが、薪のこんな姿は滅多に、というか、この先一生掛かっても見られない。そう思うと、このチャンスを逃すのは何百年かに一度の天体ショーを見逃すよりも残念なことに感じられて、青木はしばし自分の良識に蓋をすることにした。

 彼の痴態は青木の狩猟本能をいたく刺激し、瞬間的に青木を野生に戻しかけたが、ぐっと堪えた。大丈夫、焦ることはない。今日の薪は、すぐにベッドから逃げ出そうとするいつもの彼ではないのだ。見られていることを知ったら彼がどんなにか怒るだろうと想像して、でも今日の彼はそのことにすら昂ぶるに違いない。

 彼の手は熱心に、そしてはしたなく動いていた。特に局部に当てられた指は勤勉だった。薪は自由に手を動かせるように脚を開いていたから、青木には彼の指が自分の内部を探る様子が良く見えた。彼の脚の間で、キツネのそれによく似たシッポが腰の動きに合わせて揺れていた。
 彼の指先が執拗に、淫蕩なリズムを刻みつけるその場所は、青木が彼に教えた。男女の交合ではあまり使われないそこは、彼らの間では実に有意義なスポットだった。ここの快感を薪が憶えてくれたから、スムーズにベッドが進むようになったのだ。
 んん、と鼻に掛かった呻きを発しながら、薪は背中を仰け反らせた。表面の皮膚をなぞるだけではとうに満足できなくなった彼の身体は、強い刺激を求めて波打っていた。
 薪は尖った顎を上げて、ああ、と喘いだ。うっすらと開いた亜麻色の瞳が青木の姿を捕え、細い身体が硬直すると共に真っ白な空気が部屋を満たした。

「うわっ!?」
 たちまちパニックに陥ったらしい薪は、人間業とは思えない素早さで毛布を被った。青木の低スペックな動体視力ではとても追いきれない。瞬きする間に、大切なシーンを見逃してしまったような気分だ。ここはひとつ、薪に再生を願うとしよう。
 青木はベッドに近付き、毛布の塊と化した恋人の背中にそっと手を置いた。青木の手のひらの下、毛布越しに薪の身体が強張るのが分かる。なんで放っておいてくれないんだ、と憤っていることだろう。
 青木は毛布越しに薪の背中をやさしく宥めながら、相手の耳元で囁いた。
「また独りでイケナイコトしてたんですか?」
 これがいつもの薪なら報復が恐ろしくてこんなことは言えないが、今日は大丈夫だ。辱めの言葉も、彼の欲望を膨らませてくれるはず。
「……青木がいなくて淋しかったから」

 ニニさん、グッジョブ!
 青木は心からニニに感謝した。普段の薪だったら口が裂けてもこんなことは言ってくれない。

 薪は赤い顔をして、恥ずかしそうに身を縮こめた。身体に巻き付けた毛布の端をぎゅっと握り、シーツの間に埋もれるように身を伏せる。羞恥心の強い所は元のまま、でもいま彼の身体はとても欲張りになっている。
「続けてください」
 青木が先を促したのは、例え恋人の許しを得ても理性のある人間ならとても人前ではできない行為で、でも彼の腰の辺りがもじもじと動いている。疼いて堪らないのだろう。少し可哀想になってきた。
「なんなら、手伝ってあげましょうか?」
 毛布の裾から手を忍ばせ、すると薪の太腿に行き当たった。熱く火照って湿った内股を探ると、閉じられていた膝は躊躇いがちに開かれ、青木の指先がそこに触れると、それが合図みたいに脚の力が抜けた。

 毛布をめくって、下半身を露出させる。小さく締まった尻と、理想的な形の太もも。どちらも一度も日に焼けたことがないように白く、誘惑好きの妖精のような色気がある。
 その間から垂れた、獣の尻尾。それを持ち上げ、右尻の下の黒子にそっと唇を落とすと、薪の身体がひくんと震えた。谷間から漂う彼の香り。そこに微かに野生の匂いが混じって、青木の野生と共鳴する、煽られる。青木の手の中で身悶えるようにうねる尻尾が、抑え切れない彼の情動を青木に伝える。馨りの中心を指で掻き分けて中に入ると、あ、と濡れた声が薪の口から零れた。

「ここを弄ってたんですよね」
 薪は必死に首を振るけれど、目撃者の青木を欺けるわけがない。
「ウソ吐いちゃダメですよ」
 警察官でしょ、と青木は喉の奥で笑って、彼の指先が先刻までなぞっていた部位に同様の軌跡を、長さも太さも彼の倍ほどもある自分の指で描いた。くうん、と鼻に掛かった呻き声が、毛布越しに聞こえた。この熱っぽい身体で頭に毛布を被っていたら、のぼせてしまうだろう。これからもっと熱くなるのに。
 尻尾を持ち上げていた手で、毛布を取り去った。青木の手が離れても、彼の尻尾は上を向いたままだった。その状態で、うつ伏せになって尻を高く上げて、彼は青木の指に酔い痴れていた。猫耳も尻尾もぴくぴくと震えている。感じている証拠だ。
「薪さん。ここ、キモチイイですか?」
「うん、うん……あ、もうっ……!」

 細い腰が震えて、青木の手に薪の熱が掛かった。自らの手で前戯をすませていた薪の身体は過敏になっていて、青木の太い指に犯されるとあっけなく達してしまったのだ。しまった、と青木は自分の軽率さを悔やみながら、満足げな吐息と共に弛緩していく薪の美しい裸体を見つめた。
 まあいいか、今日は貴重な画も見られたし、とポジティブな青木らしい納得の仕方で指を抜こうとすると、まるで引き留められるかのようにぎゅっと締め付けられた。
「薪さん?」
「ん、や、もっと……」
 ニニさん、ブラボー! もしかしなくてもこれは遺伝子操作の成果ですよね?

「ちょっと待っててくださいね」
 青木は心の中で快哉を叫び、ほくほくと薪の身体に舞い戻る。子供に言い聞かせるときのように、早くも復活の兆しを見せ始めた薪の下腹部をやさしく撫で、急いで服を脱いだ。
「青木、早く」
 焦燥を含んだ薪の声が、青木を急かす。いつもの控え目な彼も可愛いけど、積極的な彼は特別な日でもなければ拝めないご来光のようなもの。これもみんなニニさんのおかげと、かつて彼に与えられたはずのとんでもない災厄を忘れてしまえる青木のお人好しは、阿呆と言い換えて差し支えないレベルに到達している。

 ジャケットが皺になるのも気にせず床に落とし、ネクタイを解いてワイシャツのボタンを外す。その僅かな時間も待てないのか、薪はベッドを降りて青木の腰に抱きついてきた。床に膝をついて、立ったままの青木の下半身に縋るような格好になる。
 猫耳がぺたんと垂れて、尻尾の先が青木の膝をくすぐる。もどかしげにベルトを外す細い指。ジッパーを下げ、躊躇なく中に飛び込んだ。それを艶やかなくちびるが間断無く追いかける。
 ボクサーパンツのウェストゴムが下にずらされ、露出された箇所を濡れた舌が這い回る。薪のあられもない姿に刺激を受けて既に興奮状態だったそれは、軟体動物のようにうごめく舌先に踊らされて見る見る間に硬直した。
「だ、ダメですよ、薪さん。シャワーしてないのに」
「いい……青木の味がする」
 言われてみたかった! 一度でいいからこういうの、やって欲しかった!!

 だけどヤバイ、気持ちよすぎる、薪の指も舌も一度もピントを外さない。息つく間もなく追い詰められて、青木は焦った。
「薪さん、待っ、――っ」
 ……なんてことだ、開始5分で1本取られた。
 自分でも、この興奮は異常だと思った。薪は青木の欲望を導く術に長けていたけれど、こんなに急速に最後まで持って行くことはできなかったはずだ。青木の我慢強さはこちらの方面でも発揮されていて、だから彼を満たす前に終わってしまうことなんか一度もなかった。
「すみません」
 いささか気落ちして青木が謝ると、薪は青木の内股に顔を埋めて飲み零した滴をきれいに舐めとり、
「美味し」
 エロいですたまんないですもう思い残すことないです人間捨てます一生薪さんのドレイでいいですっ。

『……ドヘンタイ』
「はい?」
 どこからか罵られた気がして、青木は顔を上げた。青木の脚の間で無心に舌を動かしている薪には言葉を発することは物理的に不可能だから、言ったのは彼ではない。キョロキョロと辺りを見回すが、当然だれもいなかった。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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