夢のあとさき(1)

 おはようございます!
 今日は銀魂観に行くんだー、と楽しみにしてたら5時半に目が覚めました。(子供か) 時間ができたので更新しますー。


 お約束の日光東照宮SSです。 て、そこがメインじゃないんですケド。
 いつものように「薪さんと青木さんのらぶらぶデート♪」と思いながら書き始めていつものように違うものになりました。毎度毎度すみませんです。
 鈴薪さんなら計画通りに書けるんですけど、青薪さんだとズレる傾向が強いです。青薪脳がぎゃーぎゃー騒いで第一の脳の邪魔をするからだと思います。ほんと迷惑。
 
 





夢のあとさき(1)






 薪がぽつりと呟いた。

「42」

 それが何の数字か最初は分からなかったけれど、すぐに理解した。だから青木はグラフィックボードの強化について解説されているページに付箋を貼り、本をテーブルの上に置いて、薪に提案したのだ。
「次の休みに神社へ行きましょう」
「神社?」
 ソファを背もたれ代わりに床に胡坐をかいた薪は、大きな眼を無垢に開いて青木を見上げた。いきなり何だ、と彼が首を傾げるのは予測済みだった。

「薪さん、厄年でしょう。お祓いに行かないと」
 青木が大真面目に言うのに、薪はひらひらと手を振って、
「迷信だろ、あんなの」
 薪は信心深い人間ではない。それも承知の上だ。説得方法は考えてある。
「オレも若い頃はそう思ってたんですけど身近な実例があってですね。オレの叔父さん、まだ50になったばかりなのに帽子以外の被り物が手放せない人なんですけど、なんと42歳から急速に風化が進んだそうなんです」
 と、青木は実家の近くに住んでいる叔父の話を持ち出し、
「聞いたら、厄落としに行かなかったって」
「おまえの叔父さんの話だろ。厄祓いが必要なのは僕じゃなくておまえじゃないのか」

「落とすのにお金を使うよりも植えるのに使った方が賢明だと思うけど」とシビアに切返す薪の冷たい視線をものともせず、青木はリビングのサイドボードから菓子折りサイズの箱を取り出した。蓋を開ければそこに広がるのは、その9割が計画倒れになった青木の夢。なんてことはない、観光地のパンフレットだ。

 青木はその一つを取り出し、薪に向けて開いた。A4サイズの限られたスペースに、美しさを競い合うように並べられた数枚の写真のうちの一枚を指差して、
「厄落としの後は滝を観に行きましょう。水と一緒に厄も流そうってことで」
「おい」
「この時季だと高原もいいですね。ニッコウキスゲ満開ですって」
 スマートフォンのWEB画面を薪に見せると、険しかった薪の眉間がすうっと開かれた。若草色の絨毯の上に広がるゼンテイカ(ニッコウキスゲ)のやや赤みがかった黄色。広々とした草原は、薪が好む勝景のひとつだ。

「このホテルのビーフシチュー、一度でいいから食べてみたかったんですよねえ」
「僕の厄落としにかこつけて、自分が遊びたいだけだろ」
 近郊グルメのページを眺める青木に薪は苦笑し、ソファに寄りかかった。面倒そうに青木が持ち出したパンフレットに手を伸ばし、だが彼の口角はわずかに持ち上がっている。ここで切り札。
「立ち寄りの露天風呂は野趣。源泉かけ流しだそうです」

 青木の言葉を聞き流している風を装っても、亜麻色の瞳の輝きがそれを裏切る。青木は余裕で彼の応えを待った。やがて薪は青木のスマートフォンを我が物顔で操りながら、
「東照宮は文化財としての価値も高く、国宝8棟、重要文化財34棟。世界遺産にも登録されている。日本人なら一度は見ておくべきかもしれないな」
 文化人を気取って見せるけど、薪が熱心に見ているのは温泉情報と地酒の特集ページだ。時間さえ取れれば泊まりたいと言い出すに違いない。
 新緑に囲まれた温泉の湯気が漂ってきそうな画面に、無意識に身を乗り出す薪の横で、青木は箱の中から温泉宿の情報誌を取り出した。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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