イヴに捧げる殺人(1)

 こんにちはっ。

 先週の日曜日はご挨拶もなしに、いただいたコメントも放置状態で、失礼いたしました。金曜日の検査で指摘になった書類を作り直してました。
 先週の水曜日、竣工書類を再提出してきました。請求書も出し終えて、完了です。


 ああ、終わったよー! ようやく解放されたよー!!
 やっと妄想できる! 
 仕事にかまけてほったらかしの家事は、大丈夫、埃で人間死なない!←オットはハウスダストアレルギー(笑) 


 現場で学んだことや経験したことを基に、妄想三昧したいです。
 第九のみんなでお花見に行く話とかいいなっ。←下水道工事関係ない。
 血沸き肉踊るスペクタクルサスペンスとかもいいなっ。←下水道工事もっと関係ない。
 とにかく、ドSとギャグは欠かせないよねっ! ←下水道……。

 妄想できたら、文章の書き方を思い出さんといかんなー。ここしばらく協議書しか書いてなかったから、役所向けの文章しか書けなくなってる(^^;




 さて。
 こちらのお話は、本格的に現場が始まる前に妄想していた推理物です。が、現場が忙しくなって挫折しました。
 一応最後まで書いたことは書いたんですけど、挫折したくらいですから出来が良くなくて。他に何かあればお蔵入りにしようと思ってたんですけど、ぶっちゃけもう在庫がナイ(・∀・)
 お目汚しするのも申し訳ないくらいなのですけど、半年以上前の妄想なんで書き直すのもタルくなっちゃって(←おい)、えいやって公開しちゃいます。

 えいやっ。







イヴに捧げる殺人(1)






 イヴに出会ったアダムのように。わたしはあなたに恋をした。
 例えるならそれは、長しえに続く夜に灯った小さな灯火。灰色の空から零れ落ちる一条の陽光――いいえ、そんなもの無くても人は生きられる。ならばそれは。
 あなたを愛することは、生きることと同義。

 あなたというイヴがいれば。
 神さまが創り損ねて投げ出したこの世さえ、わたしには楽園。




*****



 ―― 寒い。

 岸谷千秋の意識を目覚めさせたのは、本能が鳴らす警鐘だった。太古の昔から人間がその生命を脅かすものとして恐れていた寒さへの恐怖。それに突き動かされるように、千秋は眼を開けた。
 何も見えない。周囲は完全な闇に包まれており、マッチ棒一本ほどの光さえ見当たらなかった。
 それだけでも彼女には多大な負担であった。さらには自分が猿ぐつわを噛まされ、手首を縄のようなもので縛られ拘束されていることを認識するに至って彼女は、激しいパニックに襲われた。

 誘拐犯に攫われて箱のようなものに閉じ込められた。運が悪ければ殺されるかもしれない。
 怖くて涙が溢れた。千秋の家は裕福で、両親は一人娘のための身代金を惜しむことはないと分かってはいたが、無事に帰れる保証はどこにもない。それ以前に、寒くて暗くて身体中痛い。猿ぐつわが無かったら大きな声で泣き喚いていたに違いなかった。
 泣きながら、千秋は恐ろしいことに気付いた。
 呼吸が早まったせいか、妙に息苦しい。この狭い箱の中には十分な空気が無いのかもしれない。だとしたら、窒息して死んでしまう。もしかしたら犯人は既に身代金を手にしていて、千秋を隠れ家に放置したまま逃走してしまったのかも。

 神さま、助けて。
 これからはいい子になりますから、助けてください。

 千秋は必死で神に祈った。その思いが天に通じたのか、果たして扉は開かれた。
 温かい空気と光が、千秋に向かってなだれ込んできた。暗い所に閉じ込められていたためか、普通の蛍光灯の灯りがひどく眩しかった。すっと息が楽になり、千秋は束の間、安堵の息を吐いた。

 明るさに目が慣れて、ようよう千秋が前を見ると、そこには彼女の見知った少女が立っていた。
 なんてこと、と千秋は彼女の顔を見て自分の行いを悔やんだ。
 それは先刻千秋が神に「これからはいい子になる」と誓っていた要因そのもので、要するに彼女は千秋が仲間と一緒に苛めていた生徒だった。つまりこれは苛めの仕返しで、これから自分は彼女にしたことをやり返されるのだ。引っぱたいたり蹴飛ばしたり、バレーボールのように仲間にパスしたり。
 まさか、彼女がこんな実力行使に出るとは思わなかった。それも、どうして今ごろになって?
 理由は分からなかったが、自分がすべきことは分かっていた。謝るのだ、誠心誠意。もう二度とあなたを苛めたりしない、と頭を下げる。彼女は本来はやさしい少女だ。きっと許してくれる。
 千秋は縋るような眼で彼女を見つめた。彼女の表情に怒りの色はなく、むしろ悲痛ですらあった。彼女も、自分のしたことを悔やんでいるのかもしれない。謝れば許してもらえると思った。

 彼女の手が千秋の顔に近付いてきた。猿ぐつわを外してくれるのだ、と千秋は考えた。安心して千秋は眼を閉じた、しかし次の瞬間。
 頬にひやりとした感触があって、千秋は焦った。金属特有の冷たさが千秋に伝えるのは凶禍の予感。

「立って」
 恐怖心から立とうとしてかなわず、千秋は床に転がった。
 刃物で脅されたら身が竦んだ。それでなくとも身体が冷えて、それに長い時間狭い所に閉じ込められていたものだから脚が痺れている。縛られているのは手首だけで脚は自由だが、とても逃げられないと思った。しかも、千秋は衣類を一枚も身につけていなかった。これでは人前に出られない。猿ぐつわが外されても、助けを求めることができない。
 背後に眼を走らせると、自分が閉じ込められていたのが古い冷蔵庫であることが分かった。部屋には見覚えがなかった。6畳ほどの狭い洋間で、家具も絨毯も壁紙もカーテンも使い古された安物だった。
 ここが何処だかは分からないが、少なくとも千秋を追い詰めている人物の家ではない。彼女は自分と同じ学園の生徒、生活水準も同程度だったと記憶している。このみすぼらしい部屋は別の誰かのものだろう。

「立ちなさい。歩いて」
 脚の痺れはそう簡単には癒えなかったが、千秋は言われたとおりに立ち上がった。彼女の手に握られているのは切っ先の尖った包丁。それが自分に迫ってくる。千秋は夢中だった。
 彼女が促す方向に歩いた。そこは浴室だった。
「入って」
 空の浴槽を彼女が眼で示した。不自由な両手でバランスを取りながら、千秋は言われるままそこに腰を下ろした。
 恐怖に眼を見開く千秋を見て、彼女は涙を零した。見れば刃物を持つ彼女の手はぶるぶると震えている。彼女も怖いのだ。
 彼女は包丁をそろそろと動かし、千秋の首の左側に宛がった。そのままの体勢で、しばらく手を震わせていた。
 テレビドラマで、ナイフで脅された人間が繰り出される刃先を避けて逃げる、あれは嘘だと千秋は思った。相手は自分と同い年の女子、しかも泣くほどびびってる。そんな状態でも「切られるかもしれない」と言う恐怖は絶大で、逃げなければその恐怖は確定した未来になると、分かっていても身体が動かない。

「ねえ、早くなさって。お茶が冷めてしまうわ」
 千秋の耳に聞き覚えのある女の声が届いた。これほどの恐怖に晒されていなかったら、その声から千秋はここが何処だか察することができたはずだ。だが、そんなことはしても無駄だった。千秋には、もう時間がなかったのだ。

 左首に、焼けつくような痛みが走った。
 切られたと言うよりは火箸でも押し付けられたような感覚で、でも辺りに飛び散ったのは間違いなく千秋の血だった。
 噴水のように吹き出す自分の血液が遠くの壁に激しく雨の降るように叩きつけられる。それが、千秋が見たこの世で最後の光景だった。





テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Aさまへ

Aさま。

>やはり、ストック無くなったんですね(^^;)

そうなんですよ~。
残ってるのはこの話と、あと雑文が2つくらいかな? 
現在も妄想はしてるんですけど、それが形になるまでには時間が掛かりそうです。しばらく書いてなかったから文章の作り方を忘れてしまって~~、やっぱり書いてないとダメですねえ。
でも、春になったら45000拍手のお礼を書きますとブログで宣言してますから。がんばります。



今回のお話は、本格推理小説を目指しましたが途中で挫折しました。
もっと丁寧に謎解きしていきたかったんですけど、公私共に余裕がなくなってしまって。そのうち、最初に書きたいと思った萌えそのものが薄れてきてしまったので、これはいかんと、やっつけで終わらせちゃったんです。だから後半、すっごく荒いの。ごめんなさい。
それと、

>薪さんがまた、大変な目に遭わなければいいな(><)

ごめん、それは無理。←ちょっとお。


>第九のお花見!

ツイッターはすっかり遠ざかってしまいましたが、
そうですか~。盛り上がってよかったですね(^^

今の妄想、ちょっとしんどい話なので、息抜きに書いてみようと思います。
……SSの息抜きにSSを書くって、それは息抜きになるのかしら。


ありがとうございました。
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: