青木警視の殺人(6)

 こんにちは~。

 言い訳だらけの前記事に、やさしいコメントありがとうございました。秘密クラスタさんは本当にやさしい人がいっぱい。わたし自身は口唇炎のせいでマスクをしないと人前に出られない状態になってますが、他は至って健康でございます。特に事故が円満解決したおかげで、よく眠れるようになりました。唇も1週間もすれば治ると思います。そしたらお雑煮食べるぞ~♪
 

 ところで、年末には大ニュースがありましたね! 遅ればせながら、
 清水先生、『秘密』実写映画化おめでとうございます!
 原作者の承諾が無かったらプロジェクトは発動しないわけだから、先生は反対してないんですよね? でしたら、おめでとうございます。一ファンとして、わたしも一緒に喜びたいと思います。

 本音言うと不安が無いわけじゃないんですけど~(薪さんのビジュアルとかビジュアルとかビジュアルとか)、プラスの希望もあるんですよ。だってね、
 映画で盛り上がったら原画展とかあるかもよ? アニメで原画展が開かれたなら、(何のかんの言ってもあのアニメで認知度が上がったことは事実ですよね) 映画では画集が発売されちゃうかもよ? もしもそうなったら映画化バンザイじゃん!
 何より、
 映画化されることで秘密の連載が延びる!! かもしれない(〃▽〃)←これが一番うれしい。

 ポイントが微妙にズレてる気もしますが、見逃してください☆




青木警視の殺人(6)




 その日、日中の業務すべてを終了した第九研究室の職員たちが研究室正門を潜り抜けたのは、夕方の6時であった。
 夏至から一月あまり、まだまだ夏の日は長く、辺りは十分に明るい。気温も相当なもので、暑い暑いと連発して亀のように首を伸ばす曽我の横で小池が「おい、あれ」と出てきたばかりの門を指差した。少し離れた場所にいた宇野も、曽我と一緒に振り返る。
 門に向って、二人の男女が歩いてくる。北川監査官と青木だ。
 真面目な顔を崩さない青木に対して、北川は自然な笑顔で青木に笑いかけていた。これから二人で夜を共にする恋人同士のように、その身体は青木に接近していく。とても監査官と監査対象者とは思えない。
「北川さんてさ、青木のこと好きなんじゃないのか」
「マズイだろ、それ」
「だよな。監査官と監査対象者だもんな」
「いや、そうじゃなくて」
 薪さんが、とこっそり囁き合う。誰にも聞かれちゃいけない内緒の話。

「妙な邪推はよせよ。北川さんは誰に対してもフランクなんだよ」
 ほら見ろ、と宇野が指差す先では、北川が守衛に向かって「お疲れ様です」とにこやかに声を掛けていた。声はさほど大きくなくても、唇の動きで話の内容はほぼ分かる。彼女は守衛と世間話をしていた。
「宮下さんて仰るの。まあ、夜もずっとこちらに? それは大変なお仕事ね」
「いえ、みなさんの安全を守るのが自分の仕事ですから」
「お勤めご苦労さまです。そうだわ、これ、よかったら」
「え。いいんですか」
 守衛に手渡した袋の中身はおそらく手作りマフィン。今日の第九のおやつの残りだ。
 お菓子作りが趣味だと言う北川は、差し入れと称して何度か手作りの菓子を持ってきていた。それは見事な出来栄えで、こんな監査ならいつでも歓迎だと職員たちには大好評であった。

 恐縮した守衛が守衛室から出てきて北川に頭を下げる様子に、宇野は微笑む。
「な。分かっただろ」
 言いながら、宇野は彼女が見える位置に足をずらした。背の高い青木と、青木には負けるが180は軽く越している長身の守衛に挟まれると、北川は簡単に見えなくなってしまう。ちょうど青木と岡部に挟まれた時の薪みたいだ。
「っと。あの守衛、あんなにデカかったっけ」
「ちげーよ。いつもの守衛は夏季休暇中。奥さんとオーストラリア旅行だってよ」
 守衛が動くたびに隠れてしまう北川の姿を見ようと左右に身体を揺らす宇野に、小池が鋭く突っ込みを入れた。宇野が北川にホの字なのは今や第九全員の知るところだったが、小池は少しだけ面白くない。北川のことは、小池もちょっといいなと思っていたのだ。でも宇野に先を越されて、いまさら言えないって感じだ。
「スマホの画面ばっか見て歩いてるから。守衛の顔も覚えないんだよ」
 とは言ったものの、実は小池も守衛の顔はうろ覚えだ。警備員と言うのはいつも帽子を被っているから顔が見えづらい。警備の制服が顔みたいなものだ。さらに、守衛や立ち番の警官は、職員にとっては風景の一部と言う傾向が強い。宇野が守衛の顔を覚えていないのも不思議ではないのだ。

「悪かったな。おれのことはともかく、彼女は誰にでもやさしいんだよ」
 守衛相手にも彼女は親切だと言いたいのだろう。宇野がますます彼女に夢中になっていくのが手に取るように分かった。
「明るくて親切で無邪気で……ルーナみたいだ」
「ルーナって誰」
「知らん。どうせまた二次元人だろ」
 その話をし始めた宇野とは眼を合わせるな、が第九の鉄則になっている。ちょっとでも興味を持った素振りを見せると、一晩中キャラの魅力について語られてしまう。宇野の二次元ドリームは、室長の説教、青木の室長賛歌に並んで第九の聞きたくない話ベスト3に入っている。

 それから二人は連れ立って門を潜り、小池たちとは反対の方向へ歩いて行った。駅とは逆だ。
「どこ行くんだろ」
「あっちはレストラン街だぜ。やっぱりおかしいよ」
「だから邪推するなって。あれは聴取だよ」
 訳知り顔の宇野に、二人が揃って首を傾げる。北川に心を奪われた宇野のこと、二人のアフターについては小池たちよりずっと以前から気になっていたのだ。

 毎日のように北川と一緒に帰って行く青木を見るに見かねて、宇野は彼らの後を尾けた。そして二人がイタリアンレストランに入る現場を押さえた。注文を終えた北川が席を立ち、青木が一人になったところに出て行って、宇野は問い質した。万が一、監査官とそのような関係に陥ったら。青木だけじゃない、室長の責任問題にもなるんだぞ、とハッキリ青木に言った。そこに手洗いに行っていた北川が戻ってきて、事情を説明してくれたのだ。
 同僚に対する聴取と比べて、本人に行われる聴取は聞き取り項目も時間も桁違いに長い。宇野は知らなかったが、時間も30時間以上という規定があるそうだ。そんな長い時間を密室で過ごすのは苦痛だし、異性ゆえの別の危険も生まれてくる。そこでこういった飲食店を利用して聴取を行うのだそうだ。
 時間外に行うのは公務に支障をきたさないため。宇野たちのように半時間ほどの聴取では、仕事に差し支えない代わりに監査を期日前に切り上げることは不可能だ。できるだけ早く監査を終えて欲しいと言う室長の要望もあり、そのために自分もプライベートを割いて職務を遂行している、と彼女は、宇野の的外れなお節介に苦笑いした。
『もし第九の中でそんな誤解をなさる方がいらしたら、宇野さんから説明してくださいね』
 宇野は彼女に、そう頼まれたのだ。小池たちを納得させるのは自分の役目だと思った。

「そういうことだから。ヘンな噂、流すなよ」
 分かった、と頷いた小池と曽我だが、別れ道で宇野がいなくなると、どちらからともなく顔を見合わせた。互いの顔には同じ疑問符が浮いている。どちらも宇野の説明に納得していない様子だ。
「やっぱりヘンだよな?」
「うん、おかしい。監査課に同期のやつがいるけど、そんな慣例聞いたことないよ」
 帰り道を辿りながら、二人は同じ形に眉根を寄せる。写し鏡みたいな相手の表情に不安を煽られながら、小池は重苦しく呟いた。
「青木のやつ。厄介なことに巻き込まれなきゃいいけど」



*****

 巻き込まれなきゃ面白くないじゃない(笑)


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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通りすがりの読者さまへ

通りすがりの読者 さま

コメントありがとうございます。
ご心配お掛けしてすみませんでした~。
更新が滞るときは、たいていは、仕事が忙しくてサボってるか、新しいSS書いててサボってるかなんですけど(どっちにせよサボリ)、今回は走り回っておりました。
疲れで口唇炎になったりしましたが、おかげさまで無事に治りまして。今は元気いっぱいでございます。引き続き書類には追われてますけど、仕事しないと会社潰れちゃうしね。


>また 作品の続き楽しみにしています。m(__)m

どうもありがとうございます。
今回、身に詰まされたのですけど、待っててくださる方がいるって、本当にありがたいです。ご厚情に報いるよう、更新、がんばりますねっ!
て言うか、コピーして行間空けるだけなんだから頑張るってほどでもないんですよね……いっそのこと、「サボるな」って言ってやってください☆

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Sさまへ

Sさま。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします♪
こちらこそご無沙汰しちゃってすみません(^^;) 毎日来ていただいていたのですね。更新、少なくなってしまって申し訳なかったです。


>秘密の実写映画、ホントなんですねえ…

驚きましたね~!
「すべてがFになる」がドラマになったのも驚きましたけど、秘密の実写化に比べたらなんてことなかったですね☆


>最大の問題は、薪さんになれる人がいるのかってとこ

ですよね~!
正直わたし、誰がやることになっても、薪さんのモデルになったhydeさんがやったとしてさえも、違うって思っちゃうと思います。あくまで受け入れる側、わたし自身の問題なので、表立って反対するつもりはありませんが。


>「秘密」がそんなことになるのなら、しないほうがまし、としづさんの喜びに水をさしそうな私です(笑)

イメージ崩されるくらいならいっそ観ない、て方は多いと思いますよ。それはそれでいいんじゃないのかな。見なきゃいけないって決まりはないし。番宣で目に入っちゃうのは辛いところですが。
わたしは観に行きますよ。二次創作を楽しむつもりで(笑)


>ただ、「るろけん」の佐藤健はいい感じだったと思うので、

優秀な監督さんらしいですね。お話作りは期待していいんじゃないでしょうか。あとは人物の掘り下げ方を、原作に忠実にしてくれるといいですね。


Sさんのブログには時々お邪魔してますが。(読み逃げしててすみません)
現実を書く、というのはフィクションを語るより辛い時もあると思います。自分の身に起きていることですから。逆にわたしはそれは書けないなあ。現場に出てれば色々ありますけど、それを文に起こすのは妄想を文にするより遥かにしんどい作業です。だからわたしはSさんを尊敬してますよ。


>でも、今回の展開はちょっと待てないよ~(笑)

ごめん(^^;)
近日中に続きをアップしますので、ちょっと待ってくださいね。


>寒いときなので、ご自愛くださいね。

ありがとうございます~(;;)
「気をはってるうちは体もついてくるんだけど、ひとつひとつ片付き始めるとどっと疲れが出る」というSさんのお言葉、見事に体験いたしました。口唇炎が5個もできたの、いろんなことがあらかた片付いた翌日だったもの。もう若くないなあって思いましたよ☆

わたしのゴタゴタなんて、Sさんに比べたら軽いものです。短期間で決着が付くものばかりだもの。まあ、次々起きるんで気が抜けないんですけど(><)

Sさんもお身体大切に。ご自愛ください。

通りすがりの読者さま

通りすがりの読者さま(このHN、固定しちゃいそうですけど大丈夫ですか?(笑)


>しづさんの健康 日常があっての作品だと思いますので。

ありがとうございます~。
確かに、妄想は心に余裕がないとできないです。心配事があったり気分が塞いでいたりすると、妄想する気にならないし。それを文章に起こす気力も起きません。だから現場があるうちは、手慰みに雑文を書いたりしています。
ただ、公開作業は気分関係ないんで(^^;) 
ワードからブログにコピーするだけなんで、1記事10分掛からないんですよ。それができないってどんだけだよ、って自分でも思うんです。やっぱりサボリだよね?


>待ってて更新されてると やった!と思います。

嬉しいです(;▽;)
そんなに喜んでくれる人がいるの、幸せです。がんばらなきゃ!!


>しづさんの作品は薪さん 青木さんが生き生きしてて素敵ですね。

お褒めにあずかり光栄ですっ。
アホとかスットンキョーとかよく言われますが、それが生き生きしてるってことですよね!(多分ちがう)


>twitter等でも

あちらはすっかりご無沙汰してしまいまして(^^;
たまーに覗いてみると、ぜんぜん呟いてないのにフォロワーさんが増えてたりして。フォローしても、現場がある時期はツイートを読む時間が取れないので、そのままにしてしまってます。申し訳ないです。
今年は5月に完工予定なので、それから例年通りですと現場始めは10月。4、5ヶ月の間だと思いますが、コソコソ呟くかもしれません。その時は遠慮なく絡んでやってください(^^

プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

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おかげさまで8歳になりました(^^♪
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