来れない理由

 鈴木さんの命日に、これはどうなんだろう。
 やっちまった感アリアリなんですけどほら、鈴木さんて湿っぽいの苦手な気もするし。
 たまにはこういう命日も、あ、やっぱダメ?
 
 

 *****



 ここは天国、鈴木エリア。
 鈴木さんと薪さんが仲良く暮らしています。

 何故こんな状況になっているのかと言いますと、
 鈴木さんは幽霊で、薪さんは元は鈴木さんが作ったダッチワイフ人形なんですけど、薪さんが交通事故で死んじゃって、それを鈴木さんが助けたって言うか掻っ攫ったって言うか、とにかく薪さんは鈴木さんのところへ来て、薪さんはそのまま帰らないつもりだったんですけど、それはいけないってんで鈴木さんは策を弄して薪さんを下界に帰そうとして、でも薪さんの方が数段上なので逆にやり込められちゃって、それからええと、えーとえーとー、……あれ?(←こんがらかった)

 ADカテゴリの「アイシテル 後編」に書いてありますので! よろしくです!!←投げた。



*****




(キッチンで夕食を作っている薪のところへ鈴木が帰ってくる)
「ただいまぁ」
「おかえり、鈴木。お疲れさま。下界は暑かっただろ。はい、ビール」
「お、さすが薪。グラス冷やしてくれたんだ。(ゴクゴク)くーっ、生き返るー!」
「そんなんで生き返れるなら医者いらない」
「寒いツッコミしてないで、おまえも飲めよ」
「いいよ。昼間っからビールなんて、オヤジじゃあるまいし」
「まあまあそう言わず。コップに一杯だけでも」
「じゃあちょっとだけ……くーっ、この一杯のために生きてるねっ!」
「オヤジはどっちだよ」


(食事の後、ソファに座って二人で晩酌。テーブルには薪の手作りのつまみが並んでいる)
「鈴木、このところ忙しいね」
「ああ。祭りの時期だからさ、あちこち駆り出されて」
「よかったじゃない。去年の祭りはちょっと寂しかったもんね」
「そうだなあ。今年は主催者が増えたからな。嬉しいことに、何処行っても割と人気者でさ。一コマ出るだけで『キャーッ』とか女の子に騒がれるんだぜ」
「ふーん」
「やっぱいいよなあ、女の子。かわいいし」
「あんまりいい気にならない方がいいんじゃない。所詮、鈴木は季節もの。夏の風物詩に過ぎないんだから」
「そんなことないって。ジェネシスのおかげでオレのファン、激増だし」
「たった1冊だろ。12冊主役張ってきたやつに敵うわけない。あっちの方が若いし」
「それが違うんだな。出番が少ないからこそ神格化されるって言うか。ほら、あいつって女の子たちによく呼び捨てにされてるけどさ、オレのこと呼び捨てにする子、あんまりいないだろ?」
「それは亡くなった人に対する敬意だろ。人気とは違うよ」
「そうかな」
「そうだよ」
「……おまえ、さっきからなんでそんな不機嫌なの」
「べつに」
「なに。オレが居なくて淋しかったとか」
「ばっ」
「え、うそ。図星?」
「ちがう!」
「なんだ。それならそうと言ってくれればいいのに」
「違うって言ってるだろ?!」
「そういや、1週間くらいエッチしてなかったな」
「聞けよ、人の話!」
「よしよし、オレに任せろ。まったくおまえって、溜まるとすぐに機嫌悪くな、痛ってー!」
「殴るよっ!」
「殴ってから言うなよ……」


(薪に張り倒された鈴木。ソファに突っ伏したまま)
「痛い。骨が折れたかも」
「まさか。鈴木は大袈裟だな」
「起きられない。薪、手貸して」
「仕方ないな。でもそんなに強く殴ってな、わ!」
「うん、大丈夫。折れてなかった」
「卑怯だぞ。不意打ちで押し倒すなんて」
「またまた強がっちゃって。素直にシテ欲しいって言いなさい」
「だれがっ、――ん、あっ」
「待ってたんだろ? オレにこうされるの」
「っざけんな、あっ、ああっ」
「薪は口より身体の方が正直だな」
「や、やだ、鈴木。そんなにしたら、あ、あんっ、いっ」
「イヤ? ここで止めよっか?」
「……やめちゃヤダ」
「そうそう。最初からそう素直になればいいの」


(1時間後。ソファはベッドに変わっている)
「気持ちよかった?」
「し、知らない」
「どうしていつも素直になれないかな、薪くんは。ちゃんと天国見せてあげたでしょ」
「……だって。この頃、ずっと一人だったから」
「うん。ゴメン、寂しい思いさせて。もう一人にしないから」
「本当?」
「しばらくの間、昼間は仕事あるかもだけど。夜は絶対に帰ってくるよ」
「うれしい……ねえ鈴木、もう一度」
「若いねえ。一度じゃ満足できないんだ」
「鈴木だって。ほら」

(鈴鈴鈴鈴鈴)
「ちっ。いいところで出演要請か」
(説明しよう。二人が住んでいる鈴木エリアには鈴薪妄想感知レーダーがあり、鈴薪スキー電波を捕えると呼び出しベルが鳴るのだ)
「今度は誰のところ?」
「ええと……あー、いいや。こいつのとこは行かなくて」
「それは拙いだろ。仕事なんだから」
「やなんだよ。こいつの仕事、きつくって」
「どれどれ。あ、こいつ、鈴木と貝沼を組ませて僕のこと苛めたやつだ」
「そ。エゲツナイにも程があるっての。そんなやつのところへ行く義理ないだろ」
「それもそうだね。僕も痛いのヤだし」
「だろ。そんなことより、続き」
「あん。鈴木のエッチ」
「嬉しいくせに」
「えへへ」
「薪。好きだよ」
「うん。僕も」
「「ふふっ」」



*****


 と言うことで、今年はうちには鈴木さんは来ません。
 鈴薪さんは天国で永遠にイチャイチャしててください。



テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ありです!

やっちまったどころか面白すぎて、本当にありがとうございます。
私も何度か鈴木さんを呼び出しちゃいました。薪さん、ごめんね~www

>あいつって女の子たちによく呼び捨てにされてるけど
してるしてる。でも、ときどき「くん」ってつけて”あげて”ますよ~(笑)。

まさか今日こんなに大笑いできるとは思いませんでした。さすが、しづさん。楽しいひとときをありがとうございました!

そうだったのか2015

鈴木さんここから出勤してたのオオオ!?(゜ロ゜)
ちゃんとこんなイチャイチャしてたのね。
薪さんも天国&鈴木さんでこんなに素直なのね。
くっ、可愛いエロいけしからんもっとやれ。

しづさんのラブラブな二人の会話、大好きです(*≧∀≦*)明るい鈴薪(笑)
薪さんいっぱい愛されて下さいね!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

「えへへ」が可愛い

待ってました、幸せな鈴薪!!
ありがとう、巨匠~。
それにしても薪さんがこの上なく素直で...。恐るべし鈴木マジック!

そして天国にいながら更に天国に行けるだなんて..良かったね、薪さん。
期待を裏切らない鈴木さんもさすが~。

今回、甘えん坊薪さん..の新たな魅力を発見するに至りました。いいねえ。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Eさまへ

Eさま、どーもー。

お返事遅くなってすみません。
近所の叔母さんの新盆があって、今週はお手伝いに通っておりました。


>シュール

ですね、シュールですね。
モノは言いようっすねww


>鈴木さんを降臨させるベルを鳴らしちゃうとふたりを邪魔しちゃうんですね(笑)

実はそうなんですよ(ウソウソw)

>女の子

だって、うちの鈴木さんですから☆
みなさんのところでは王子様だと思いますけど、うちのはタラシなんで(笑)


>「説明しよう」とかビールでうっかり生き返りそうになるあたりの掛け合いとか

ありがとうございます~。
笑っていただけて嬉しいです~。


>命日に笑っちゃいましたがこれぞ祭り、風物詩(* ̄∇ ̄*)

ねえ。
祟られそうですよね(^^;


>…たまになら鈴木さん降臨させてもいいでしょうか?薪さん(°▽°)

たまにと言わず、いっそバンバン!
別に夏だけじゃなくてもいいから!
Eさんの鈴薪妄想、楽しみにしている人間がここにおりますので。
お待ち申しあげております。

たきぎさんへ

たきぎさん。
お返事遅れてすみませんー。
お盆が終わって、やっと自分の時間が持てます。田舎のお盆て、どうしてこうやること多いのかしら(^^;


鈴木さんが亡くなった日に、ふざけ過ぎたかな~、と心配してたんですけど、笑ってもらえてよかったです。
きっと鈴木さんは、薪さんの笑顔はもちろんのこと、みんなの笑顔を望む人だと思うから。

呼び出しは、
すっごく嬉しいはずですよ!
豪華なお花やお供えより、その人を思い出してあげることが一番の供養になるんだってご住職さんがおっしゃってました。
だから薪さんも、心の底では喜んでますよ(^^

なみたろうさんへ

なみたろうさん。

送り火も終わってからのお返事になってしまってごめんなさい。
キツネ薪さん、きれいでした~。


>鈴木さんここから出勤してたのオオオ!?(゜ロ゜)

実はそうなんですよ(笑)
て、うそうそ。これはうちの鈴木さんなんで。ちゃんと原作から呼び出してやってください。
モノホンの鈴木王子はこんなタラシじゃござんせん。


>くっ、可愛いエロいけしからんもっとやれ。

わたしも結構なモノガミストで、青木さん以外のお相手は地雷に近いのですけど、鈴木さんだけは特別なんですよねえ。
やっぱり薪さんが好きだった人だから、かなあ。


>しづさんのラブラブな二人の会話、大好きです(*≧∀≦*)明るい鈴薪(笑)

なんだろうねえ。あおまきすとなんだけどねえ。
こういう素直で可愛い薪さんて、鈴木さんが相手じゃないと書けないから。青木さんだとどうしても突っ張っちゃう。でもって、可愛がられるんじゃなくて、可愛がる方に回っちゃう。見るからに守られる側の薪さんが、自分より遥かに体格の良い青木さんを守るの、それが青薪さんのホームポジションで萌えの源なんだけど、可愛がられる薪さんもたまには見たいじゃない? そうなると鈴木さんの出番になるわけですよ。
結論。どっちの薪さんも愛しすぎる。
青薪さんはもちろん、鈴薪さんからも逃れられない理由です。

通りすがりさんへ

通りすがりさん。

>こうやってサンタさんのように

あははは!
確かに、鈴木サンタですね。
みんなに鈴薪妄想をプレゼントするんだww


>はぁでも 二人のイチャイチャぶりは、一応 青薪なのに いつまでも 見ていたい…ですね。叶わないモノだからでしょうか…。

そうなんですよねえ。
わたしも頑固なので、青木さん以外の人はイヤ、って思ってるのですけど、鈴木さんだけは特別ですねえ。やっぱり薪さんの初めての人だからかなあ。←腐な意味ではなく。


>しづさんの所には 拒否るのも笑えました!(*´ω`*)(*´ω`*)

そうなんですよ、うちには来てくれないんですよ。
いろいろやり過ぎちゃってますから☆


通りすがりさんの鈴薪イラスト、ツイッターにアップしてないみたいですけど、満足いかなかったんですね。悔しいですね。
わたしも今書いてる話、どうも進まなくて。拘るほどの話じゃないのに、なんかなあ・・・お茶を濁すように、こんな雑文ばっかり書いてます。通りすがりさんの仰るとおり、コツコツやりたいと思います。

すばるさんへ

すばるさん。

お返事遅くなってすみません~。
やっとお盆終わりましたよ~。今日から通常営業です。


>待ってました、幸せな鈴薪!!

鈴薪さんは、極端なんですよね。ものっそ切ないか、もしくはベタ甘。今年はベタ甘で行ってみましたw


巨、・・・(><) とんでもないので勘弁してください。
カンベンしてくださいって言えば、こないだ巨人の実写映画見てきたんですよ。←この文の並びで感想は想像してください。
関係ないですね、失礼しました☆


>それにしても薪さんがこの上なく素直で...。恐るべし鈴木マジック!

やっぱり、薪さんに魔法を掛けられるのは鈴木さんなんですねえ。
鈴木さんは薪さんに掛けられた魔法を解いた王子さまですけど、同時に別の魔法に掛けたんだと思う(〃▽〃)


>今回、甘えん坊薪さん..の新たな魅力を発見するに至りました。

青木さん相手だと、甘えるって訳に行かないからねえ。
岡部さんには甘えてるけど、またちょっと違うしね。
こういう薪さんが見られるとしたら鈴木さんと一緒の時しかないと、だから鈴薪さんは貴重なんですよね(^^

Sさまへ

Sさまへ

Sさん、お忙しかったんですねえ。
お仕事お疲れ様です~。


>もう爆笑ですwww

笑っていただけて、ホッ。
やー、ちょっとふざけ過ぎちゃったかな~、と思ってたんで。
まあそんなこと言ったらこれまでの話みんなそうですケド(・▽・)


>「季節もの」ってwww

だってそうじゃん(笑)


>薪さんを叱りつけたり、薪さんの精神的な成長にも関わったわけだから、青木と違って呼び捨てにしないのはその辺りの敬意もこもっている気がします。

ですね。
鈴木さんと出会って、薪さんは今の薪さんになったんだろうな、とは思ってたんですけど、ジェネシス読んだら、それどころじゃなかったです。あの事件の後で薪さんが生きてこれたの、鈴木さんのおかげなんじゃないかと思ったくらいです。呼び捨てなんて、とてもできません(><)
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: