モンスター(24)

 新しいリンクのご紹介です。

「BON子の秘密妄想帳」 ←ポチると飛べます。

 その名の通り、BON子さんの妄想を主体とした、爆笑必至のブログさんです。
 薪さんファンなら誰しも、薪さんについてあれやこれや、時事や季節イベントを絡めて空想しますよね。その模様が軽妙な文章で分かりやすく書かれており、しかもそれがBON子さんの美麗イラスト付きと言う、笑いと萌えがいっぺんに味わえる大変贅沢な作りになっております。
 個人的には、時折挟まれるBON子さんのセルフ突っ込みがめっちゃツボです。

 BON子さんの空想は限界がないと言うか自由過ぎると言うか(笑)、とにかく型破りです。わたしも大概突拍子もないこと考えますけど、BON子さんには負けます。BON子さんのパワフルな想像力、その翼は易々と次元を超えます。
 ハッキリ言ってBON子さん、
「薪さん好き過ぎて現実が見えてない」
 はい、8年前のわたしにそっくりです!!
 思い起こせば8年前、薪さんに根こそぎ持って行かれたわたしは、仕事クビになっても離婚されても文句は言えない、それくらい薪さん一色の日々を送っておりました。俗に言う「秘密廃人」です。妄想以外、何もしてませんでしたね。
 今になって思えば、オットはよく我慢してましたよ。あ、今もね。一生その調子でお願いね。(今も充分秘密廃人)

 BON子さんはここまでひどくないと思いますが、それでも、妄想の内容はかなりの確率で被っております。もはや他人とは思えません。
 BON子さんのブログを読んでいると、当時の熱い思いが呼び起こされるようです。そんな気持ちもあって、わたしの方からリンクをお願いしました。


 常軌を逸した妄想に笑い、美麗イラストに嘆息する。
 まるで、二重人格のようなブログさんを、BON子さんの魅力あふれる語り口と共に楽しんでください。超オススメです!



 さてさて、お話の方は、
 岡部母さんの説教開始です。
 心して聞くように(*・`ω´・)ゞ ←これ、ワンクリックで挿入できるようになったのね。これならわたしでも顔文字使えるw




モンスター(24)





 青木が病室に入ると、薪は窓の外を眺めたまま、岡部だけがこちらを振り向いた。2人が会話らしい会話をしていなかったことは、空気の重さで分かった。

「岡部さん。あの」
 青木の声で、やっと薪はこちらを向いた。そして見つけた。青木の陰に隠れるように立っている、誘拐犯の姿を。
 ベッドの上で、びくりと薪の身体が震えた。
 見る見るうちに薪の表情が曇り、細い眉が弱気に垂れ下がる。立ち上がろうとして為せず、なにか言おうとしてそれもできず。やがて薪はくちびるを噛みしめてうなだれた。罪を悔いる咎人そのままに。

「薪さん。荒木が貝沼事件の遺族だと知ったのはいつですか」
 薪の両手が毛布を握りしめる。その細い指は白くなるほど力が入って、小さく震えていた。
「岡部さん、医者が言ってました。まだ精神的に回復していないから、事件の話は控えるようにと」
「回復されてからじゃ遅いんだ」
 いいから黙ってろ、と岡部に命じられ、青木は一歩退がった。納得はできないが岡部のすることだ。薪にとって不利益なことのはずがない。

 岡部は薪に向き直り、重ねて回答を促した。
「答えてください」
「面談のとき。鼻の形が、森田和也くんにそっくりだと思った」
 3人が3人とも、え、と声を上げた。面談と言ったら初対面の時ではないか。荒木の素性に最初から気付いていたなら、薪はどうして彼の第九入りを許したのか。
「犯罪被害者の遺族が警察官になるのは珍しいことじゃない。むしろ、事件がきっかけとなって正義に目覚め、警官を志す者も多い。彼らは多くの場合、身内の事件について詳しい情報を得たいと考える。貝沼事件の最終捜査本部は第九だ。脳データこそ失われたが、事件調書は第九にある。荒木の転属願は自然なことだと、そう考えていた」
「それだけですか? 貝沼事件で加害者意識を持っていたあなたは、被害者遺族である荒木にできるだけの便宜を図ってやろうと、そう考えたんじゃないんですか」
「そんなことはしていない。みんなと同じに」
「青木とはあからさまに差が付いてましたけど」
「仕方ないだろ。荒木は器用で機転が利いたけど、青木は不器用で鈍くさかったんだから」
「ええー……」
 肩を落とす青木を、元気出して下さい、と荒木が慰める。おかしな構図だ。

 なんとなく緩んだ空気を岡部の咳払いが元に戻す。緊張を孕んだ声で、岡部は聴取を続けた。
「荒木の計画に気付いたのはいつですか」
「……荒木の家に初めて行った時」
 確かそれは、10月の第一水曜日だったと青木は記憶している。それから3週間近くも、荒木の計画に気付きながら薪は彼を放置していたことになる。

 絶句する青木の横で、荒木が妙な笑い方をした。
「おれ、なんかヘマしましたっけ」
「ミスと言えるほどのミスはしていない。少し気になった程度で」
「なにが?」
「兄弟が居るかと訊いたとき、きみは一人っ子だと言い、それを証明するかのように母親に電話をした」
「わざとらしかったですかね」と自嘲した荒木に、薪はゆっくりと首を振り、
「そうじゃない。自分が被害者遺族であることを隠すのはごく普通のことだし、僕に気を使ったとも考えられる。気になったのは、そのとき母親を『ママ』と呼んだことだ」
「20歳超えても、母親をママって呼ぶ男はいっぱいいるでしょ」
「父親のことは『父さん』と呼んでいた。釣り合いが取れない」
「それだけで?」
「そんな子供もたくさんいるとは思うけど。僕はその時点で、きみにもう一人の母親がいることを知っていたから……新しい母親にママと呼んで欲しいと言われたのかもしれない、でも別の可能性もあると思った。
 新しい母親と表面上は仲の良い親子を演じても、自分の母親は一人だけ。荒木は産みの親をとても大事に思っているのかもしれないと、そう思った」
 薪の推理を聞いて、青木はふと思い出す。そう言えば薪も、育ててくれた叔母夫婦を「叔父さん、叔母さん」と呼んでいた。同じ境遇の子供同士、感じるものがあったのかもしれない。

「どうしてそれを話してくれなかったんです」
「その時は未だ確証がなかった。不確かな疑惑で第九に混乱を招きたくなかった」
 質問に対する薪の答えを、岡部は疑り深そうな顔で聞いていたが、やがて軽く頷いた。
「まあそれはよしとしましょう。では、確証を持ったのはいつですか」
 毛布を掴んだ自分の手をじっと見つめ、薪は沈黙した。焦れた岡部がせっかちに解答を促す。
「答えなさい」
「…………猫の首が送られてきたとき」
 事件の朝、あの呪われた贈り物から荒木の計画は回り出した。あれが荒木の仕業だったと、薪は即座に見抜いていたのだ。

「おれがやったって証拠は、何も残さなかったはずですけど」
 荒木の言う通り、鑑識の調べでは何も出なかった。だが、薪の根拠は物証ではなかった。
「きみが青木と話しているのを聞いた。猫の耳に入れてあったメッセージカードに、僕の名前があったから僕を呼んだのだと、そう言ってただろう」
 青木もその会話は覚えていた。「例え室長に宛てたものでも処分は自分たちでするものだ」と荒木に教えていたら、隠蔽を指導するとは何事だ、と薪に叱られたのだ。
「カードは頭から突っ込んであった。文章の始めに書かれていた僕の名前は見えなかったはずだ」
 メッセージカードを抜かないうちから薪の名前が書いてあると知っていたのは、そのカードを書いた本人だけだ。
「あのときは焦ってたんですよ、おれも。青木さんのあんな怖い顔、見たの初めてだったから」
 言われてみれば、薪が青木たちに声を掛けたタイミングはおかしかった。青木が荒木を指導してから、少し間があった。青木の隠蔽工作に憤ったなら、もっと早い段階で叱責に来るべきだ。
 あのとき薪の中で、荒木に対する疑惑が確たるものに変化した。それゆえのタイムラグだったのか。

「それはつまり」
 岡部が三白眼をぎらつかせ、薪に詰め寄った。
「薪さんは、モンスターの正体が荒木だと分かっていながらそれを誰にも教えず、そのモンスターと二人で出掛けた、と理解していいんですね?」
 脅しつけるような声だった。握った拳が微かに震えていた。
 対する薪は、そうだ、と静かに応じ、伏せた睫毛を瞬くたびに揺らしながら、
「滝沢からの情報を重ね合わせると、疑わないわけにはいかなかった。岡部たちが滝沢から聞いた話を、僕は1ヶ月前に聞かされていたんだ」
「おれたちがその話を滝沢から聞いたのは、今日ですけどね」
「本当か? それでよく」
 そこで初めて薪は顔を上げ、岡部の顔を直視した。途端、わずかに身を引く。岡部はまるで憎むべき犯罪者を睨むような眼で、ベッドに座った薪を見下していた。

「なぜわかったか、ですか? あんたが青木の気持ちに鈍くなったからですよ」


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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Bさまへ

Bさま。

こちらこそ、相互リンクありがとうございます。
遅くなりましたが、Bさまのブログにお伺いして、お礼を述べさせていただきます(^^)



>岡部 「答えなさい」
>に全てのキュンを捧げます。

もう、この表現の仕方が。
Bさん、言葉の選び方のセンスが最高です。

ありがとうございます!
Bさまの貴重な「キュン」、いただきましたっ(>▽<)



>こちらの薪さん、いくつの引き出しを持っておられるのでしょう!
>全ての引き出しを引き出しまくりたいです!!!

わたしの薪さん像は基本的に、
強くて弱くてやさしくて意地悪です。
相反するものが同時に存在する、それが薪さんの魅力だと思っております。
その設定から生まれるのが、
「頭いいけどバカ」
これが男爵ですww

プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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おかげさまで8歳になりました(^^♪
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