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真冬の夢(7)

真冬の夢(7)







 部屋の中は、もうすっかり夜だった。
 暗いリビングを通り抜けて、薪はベッドに直行する。
 とにかく眠い。
 何とかパジャマに着替えて、布団の間に潜り込む。昼間、掃除をしているうちに青木が干しておいてくれた布団は、太陽の匂いがしてとても気持ちがいい。

 あいつ、気が利くな。昼飯にもっといいもの食わしてやればよかったかな。
 そんなことを考えながら、薪は目を閉じた。

 眠りに落ちる直前に、今日は鈴木のことを思うヒマがなかったな、と気付く。
 休みの日はすることがなくて、ついつい彼のことを考えては落ち込んでしまうのだが、今日はあいつのせいでそんな気分にならなかった。
 鈴木を忘れていくようで、それはそれで悲しいのだが、こんな休日もたまにはいいかと思えてしまう。

 今日は……楽しかった。

 許されて、いいのだろうか。
 僕にも、こういう日があってもいいのだろうか。
 鈴木はやさしいから、きっと許してくれる。むしろ喜んでくれるだろう。
 鈴木を忘れたわけじゃない。忘れられるはずがない。
 人を殺しておいて、その殺した相手を忘れることなど、できない。

 でも、今日だけは。この楽しい気分のまま、幸せな夢を見たい。

 おやすみ、鈴木――。
 心の中で親友に別れを告げて、薪は眠りに落ちた。


テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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