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ヒカリアレ(5)

 こんにちは。
 5幕目です。変更なしです。

 ここまでが公開済みのものです。
 次からやっと、「続きです」て書けます(笑)
 よろしくお願いします。





ヒカリアレ(5)










 飲め、と男の声が言った。
 いやだ、と光は答えた。
 時間がないんだ、早くしろ、と男の声が急き立てた。
「他の子はみんな飲んだぞ。後はおまえだけだ。早く飲め」

 何と言われても、光はコップを手に取ろうとはしなかった。
 特製ジュースを飲んだ子はみんな倒れて、口から泡を吹いているのに。そんなもの、飲めと言われて飲む方がおかしい。

 光と同じように、飲むことを強制された子供は他にもいた。
『ヨシ先生の言うことは、聞かないといけないんだよ』
 その子たちはそう言って児玉の命令に従い、そして光の足元に転がっている。今、この部屋で立っているのは、児玉と光だけだ。

「飲むんだ」
「いやだ」
 頑として首を縦に振らない光に、児玉は痺れを切らした。光の体を拘束し、自分とよく似た癖毛の頭を押さえつけた。
「おまえが私の言うことを聞かないのはいつものことだが、今回ばかりは許すわけにはいかない。よくも、あんな真似をしてくれたな」

 それはこっちのセリフだ。
 叫びたかったができなかった。髪を引き毟られる痛みが、光から呻き声以外の声を奪っていた。

「おまえを下層市民に落とさなかったのは、洋子がおまえの母親だったからだ」
 児玉はそれを過去形で表現した。やっぱり、と光は疑惑を確信に変える。
 前々から、光は母親に『もしもの時』について聞かされていた。その時が来たら、決して児玉の言うことを聞いてはいけない。彼がだしぬけに、「旅行に行く」とか「引っ越す」などと言い出したら要注意だと。

「洋子は死んだ。もう容赦しないぞ」
「どうせおまえが殺したんだろ。おまえがこれまでに何をしてきたのか、母さんに全部聞いた。おまえは神なんかじゃない、ただの気狂いだ」
 怒りが痛みを上回った。糾弾の言葉は、とめどなく溢れ出た。
「今日のことだって、母さんは予想してた。だからみんなに言ったんだ、『ジュースを飲んだら死ぬよ』って、――っ!」
 テーブルの角に額を打ちつけられた。手加減なしの強さだった。光の額からは大量の血液が流れ、その綺麗な顔を惨たらしく飾った。

 もっともっと、言いたいことは沢山あった。
 母さんだってぼくだって、淋しかったよ、辛かったよ。悔しかったよ、アキ先生と赤ちゃんが妬ましかったよ。

 光はそれを口にすることはできず。鋭い痛みと共に、真っ暗な闇の中に落ちていった。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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児玉め~。

しづさん、こんばんわ。

児玉はやっぱり酷いやつだ・・・顔も性格もくせっ毛の髪型もキライ~。

児玉に殴られちゃう光が、ちょっと可哀想なんて思ったりして。
児玉にはお父さんらしいこと何もしてもらえてないどころか
殺されそうって、悲惨すぎる。
でもな・・「ディンタル様」だからなぁ・・・父親には負けてないよな・・・

光って自分がキレイだってわかってるところがあって
強かだわぁって思っちゃう。昭和顔のくせにぃ。
まぁ、美しさは薪さんには勝てないけど・・・(〃艸〃)

特性ジュースを拒んだ光・・・これからどうなるのかしら・・・
まさか、光が児玉を殺す・・・?

続き楽しみにしてますね~。


Sさまへ

Sさん。

うん。今回の話は、元ネタ知らないとキツイと思う((+_+))
この後、MRI捜査のシーンで、ある程度の説明は入れてるけど、それほど詳しくはないかなあ……。

ざっくり説明するとね、
ストーンヘンジっていうカルト教団があって、その教団が起こした事件を薪さんたちが捜査して解決したのね。
その教団は過去に一度警察の強制捜査によって集団自殺に追い込まれて、そこから再生したのだけど、新たな本拠地としてつばき園という養護施設を設立、そこで子供たちを洗脳して新たな信者を増やそうとしていたの。
で、最終的に首謀者の、教祖(児玉良臣)と幹部(須田洋子)は死亡して教団は壊滅したのだけど、その後を息子の光少年が受け継いじゃった感じで物語が終わってるという。"(-""-)"
なんとも後味の悪い終わり方で、こりゃリハビリせにゃいかん、と思って続きを書き始めたわけですよ。

このシーンは、警察の強制捜査を予感した児玉が、前回と同じように集団自殺による証拠隠滅を子供たちにさせようとした部分から取り出したもので、
警察がつばき園に踏み込んだ時、他の子供たちが服毒による症状を訴えていたのに、光だけが額から血を流していたので、そこから想像を膨らませて書きました。
光視点だったから、余計に分かりづらかったね(^^;


来月くらいにはコミックスも出ると思うから、ぜひ読んで!
今度の話、萌えどころ満載だよ!(*'▽')

ひろっぴさんへ

ひろっぴさん。

はい。
今回は、児玉の鬼畜設定は変わりません。
前に書いた澤村さんは、いい人になっちゃいましたけど。やっぱり薪さんのお父さんだから、てへ。


>顔も性格もくせっ毛の髪型もキライ~。

あははは!
髪型、嫌うところなんだ! 
やっぱり男も好印象はサラサラヘアーかwww


>光について

ひろっぴさんの光のイメージ、わたしとほぼ同じです。
とっても可哀想な星のもとに生まれた子だと思う。その中で自分の武器を、牙を磨いてきた子だと思う。
きれいな顔も、子供ならではの無邪気さも、武器の一つ。幼いながら、必死に戦っているんだと思う。

彼がなぜ、最後に自ら「ディンダル」と名乗ったのか。
なぜみんなのリーダーとして君臨しようとしたのか。
彼なりの目的があって、それはきっと、児玉が目指していたものとは違うんじゃないかとわたしは思います。

先をお楽しみに(^^♪

プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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おかげさまで8歳になりました(^^♪
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