ファイヤーウォール(15)

 ブログ開設から、ちょうど1ヶ月経ちました。
 まだ1ヶ月ですけど、日記なんか3日も持たないわたしがブログを続けていられるのは、みなさまのおかげと感謝しております。

 1ヶ月目の記念すべき記事は、
 ……このヘンタイ小説の続きかよ。なんでこの時期に持ってきちゃったんだろう……。




ファイヤーウォール(15)




「だから間宮には気をつけてくださいって、あれほど言ったじゃないですか!」
 怒りながらも薪の手錠を外し、はだかのからだに毛布を掛けてやる。この上司にはキツイお灸が必要だ。
「どうしてここが解った?」
「あなたが3時になっても帰ってこないから、おかしいと思ったんです。電話を掛けても出ないし、誰か何か聞いてないかって、うちの連中に訊いたんです。そしたら青木のやつが、『官房室の松永って事務員が、Pホテルで官房長との待ち合わせのメモを持ってきた』って言うから」

 岡部は床に落ちていた薪のズボンと下着を拾って、ベッドに置いた。薪が着替えやすいように、再び背を向ける。
「官房室の事務員がひとり、間宮に懐柔されてることは聞いてましたから。官房長に室長といつも行くPホテルは何処か教えてもらって、ここが解ったんです」
 床に転がした薄汚い男を、岡部はもう一度踏みつける。大事な薪を傷つけて、殺しても飽き足りないくらいだ。いっそのことホテルの屋上から突き落としてやろうか。
「薪さんは警戒心がなさ過ぎるんですよ。そりゃあなたは強いですけど、クスリや銃を使われたら」
 薪が、体を丸めて震えているのに気付いて、岡部は口調を改めた。
 
「部屋を突き止めるのに手間どって。遅くなってすいませんでした」
 無理もない。
 こんな目に遭って、薪は動転しているのだ。説教は後だ。
「第九へ帰りましょう」
「それが……まずいんだ」
 薪の頬に涙はなかった。
 身体が震えていたから、てっきり泣いているのかと思っていたが、どうやら別の理由だったらしい。
 
「間宮にクスリ盛られて、いまヤバイ状態なんだ。外を歩けない」
「歩けないって」
 薪は、ズボンの上から下半身に毛布を掛けている。
 つまり、そういうことか。

「何とかならないんですか? 冷たいシャワーを浴びるとか」
「そんな生易しいもんじゃないんだ! 穴さえあれば、なんでもいいから突っ込んじゃいたいくらいなんだ!」
 それはそうだろう。でなければドラックの意味が無い。

「雪子さんを呼んでくれ。早くっ」
「えっ! 三好先生に相手してもらうつもりですか!?」
「んなわけないだろ! 解毒剤だ!!」
 薪は、サイドボードに置いてある茶色の小瓶を指差した。
「あのラベルの記号を言って、ここに解毒剤を届けてくれるように頼んでくれ。僕は電話なんかできる状態じゃない」
 薪の全身はぶるぶると震えている。寒いわけではなく、強い劣情と戦っているのだ。

 薪のジャケットから携帯電話を取り出し、電源をONにする。電話帳を検索し、三好雪子の番号を押す。雪子の番号は、数少ない友人のカテゴリに納められていた。
 雪子が電話に出るのを待って、岡部はスピーカーのボタンを押す。これで電話を手に持たなくても、薪は雪子と話ができる。
「雪子さん、お願いです。おとり捜査のときの解毒剤を、ここに届けてください!」
 薪の切羽詰った声に、雪子はすぐに薬の種類を調べてくれた。しかし、雪子の返答は薪をがっかりさせるものだった。
『その薬にはあの解毒剤じゃ効かないわよ』
「じゃあ、別の解毒剤を」
『解毒剤なんかないわよ』
「はい?」
『それってただの強壮剤。純度はだいぶ高いみたいだけど、あれは毒じゃないから。解毒剤なんかないわ』

 毒を盛られたわけではないと解って、雪子は安心したらしい。岡部が側にいて、薪にはこれ以上危害が及ぶおそれはないのだから、あとはただ欲望を満たせばいいだけの話だ。
 お気の毒さま、と明らかに他人の不幸を喜ぶ調子で言われて、薪はかっとして怒鳴った。
「じゃあ、僕はどうすればいいんですか!?」
『薬の効果が切れるまで、自分で対処するしかないんじゃない? じゃ、頑張って』
 激励の言葉を最後に、電話が切れる。
 ぶつりと切られた携帯電話を見つめたまま、薪は主治医の処方箋に呆然としている。

 自分で対処って、頑張ってって、つまり。

「で、出てけ! 僕をひとりにしてくれっ!」
「はいはい!」
 岡部は気絶した間宮を肩に担ぎ、薪を残して部屋を飛び出した。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Aさまへ

Aさま、こんにちは~。

>私はやっぱり、薪さんがレイプされそうになるのが一番ダメみたいです(ТТ)
>薪さんのようにプライドの高い人が無理やりされるのは死ぬほど屈辱だと思うので萌えられないのです(><)

そうですよねっ。
それが正しい反応だと思います!! 
わたしも決して萌えて書いているわけではなくて、ここにこのシーンを持ってくることで、後に来る青木くんの行動が生きてくると・・・・・
思ったんですけど、読み返してみたら何もここまでしなくても良かったんじゃ? と自分で自分に突っ込んでしまいました☆


>すいません、鈴木さんと青木にしか薪さんに触れて欲しくないんです・・

わたしもです!!
わたしもね、青木さんと鈴木さん以外の人には指一本触れて欲しくないです!! ←どの口が言うかとか言わないで。

・・・・・・・・思ってることと書いてることが一致しないのは、どうしてなんでしょうね? (それをAさまにお訊きしても(^^;)
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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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おかげさまで8歳になりました(^^♪
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