FC2ブログ

つむじ風(6)

 PC直りました。
 うちのドレイ、じゃなくてオットが、昨夜仕事が終わってからPCショップに走り、なんとかファンという部品を買ってきて取り付けてくれました。
 かれは2時ごろまでやってました。(わたしは寝ました←鬼嫁)
 午前中は新盆の打合せで忙しかったので、お昼からまた修理に専念してもらいました。で、復活いたしました!

 みなさまには、いろいろとお気遣いいただき、ありがとうございました。




つむじ風(6)






 給湯室の冷蔵庫から、ペットボトルの水を持ち出して、遠藤は仮眠室のドアをノックした。

 遠藤の脳裏には、先ほどの表現に困る光景が焼きついている。
 濡れた室長の細いからだが男の腕に抱かれていて、女のように優雅な腕が、相手の首に縋りつくように絡められていた。濃ピンクに染まった室長の肌は、とても艶かしかった。室長のきれいな顔は気だるげで、まるで男を誘うような形にくちびるが開いていて――――。

 男の裸を見て、ぞくっときたのは初めてで、狼狽してしまった。あの顔ではおかしな噂を立てられても仕方がないと考えていたが、身体のほうまであんなに色っぽいなんて。
 あの姿からは、容易にそんな場面が想像できる。もしかしたら、噂は真実かもしれない。火のないところに煙は立たないというではないか。
「青木先輩。水、持って来ましたけど」
 仮眠室の中は薄暗くて、4つあるベッドの一番奥に室長が横になっていた。
 裸のまま、下半身にだけバスタオルを掛けている。椅子に腰掛けて、青木が団扇で風を送っている。かいがいしい部下の奉仕のおかげで、濃ピンク色だった室長の肌は薄紅色くらいの色に落ち着いていた。

 遠藤がペットボトルを差し出すと、青木は無言でそれを受け取り、封を切った。
 静かな怒りを感じる。きっと室長に迷惑を掛けられて、怒っているのだ。
 いま気付いたが、青木のワイシャツやネクタイはぐっしょりと濡れている。濡れた人間を抱き上げたのだから、当たり前だ。

 青木は薪の背中に腕を回して半身を起こし、水を飲ませようとしている。
 子供じゃあるまいし、湯あたりぐらいでオーバーな。放っておけば自然に回復するはずだ。それより、濡れたままでは青木のほうが風邪をひいてしまうだろう。
「青木先輩。着替えたほうが」
「遠藤。温度設定、変えた?」
 突然の質問に戸惑うが、すぐに風呂の温度設定のことだと思い当たる。
 給湯パネルの湯温は38℃と表示されていて、遠藤は風呂の用意をする時に、それを41℃に設定し直した。風呂の適温は41℃だ。

「あ、はい。あれじゃぬるいと思って」
「余計なことするな。薪さんは長風呂なんだから、あのくらいでちょうどいいんだ。オレが設定しといたものを、勝手にいじるな」
 その口調が怒気を孕んでいることに気付いて、遠藤は言葉を失う。てっきり室長のことで苛立っているのだと思っていたのに、その怒りが自分に向けられていたとは。

「すいません」
 謝罪の言葉を口にしながらも、遠藤の中では不満が渦巻いていた。
 いつも穏やかな先輩が、こんな怖い顔をするなんて、よほど頭にきているのだ。
 でも、自分はそんなに大きなミスをしただろうか。別に、室長に意地悪をしたわけではない。よかれと思ってやったことだ。それぐらい解ってくれる人だと信じていたのに。

「もういい。研究室に戻れ」
「はい。青木先輩は?」
「室長にこれ飲ませたら、すぐに行くから」
 ペットボトルを掲げて、青木は素っ気無く言った。まるで追い出されるように、遠藤は肩を落として仮眠室を出て行った。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

Sさまへ

Sさま、いらっしゃいませ~。


>のぼせた薪さんが青木に抱えられてるここの場面、何度も読み返す位好きです。うふって口元が歪むのが自分でも分かっちゃいます(気持ち悪い)。

くふふ、わたしもお気に入りです♪
このときはまだ、そういう関係はなかったんですけど、だから余計にニヤケちゃいますよね(^^
時間を遡って、微妙な時期のふたりも書いてみたいです。


>ところで最新の記事で、とうとうしづさんも、原作においても薪さんのお相手は青木以外にないとの結論に達せられたと!

やっぱりそうなっちゃいました☆
Sさまには激しく賛同いただいて、ありがとうございます。

今まではどんな展開になっても、薪さんが青木さんを諦めるなんてできっこない、と高を括ってたんですけどね、
恋情が人間愛的なものにまで昇華されてしまったら、その可能性も出てきますからね・・・・・・でも、それはイヤ(笑)
薪さんの人間的成長を、心から喜べないファンですみません(^^;
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
10万拍手ありがとうございます!
いつの間にか9歳になってました。( ゚Д゚)
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: