つむじ風(7)

 PCが直って、いただいたコメントや拍手を確認しました。
 たくさんの拍手、ありがとうございました。
 って、なに!? このびっくりするような数字は! もしかして、PCが壊れたから、カウンターにも影響が??

 ありがたいことに、新しいお客様に来ていただけたみたいで、その方がマメにポチポチと押してくださったのですね。
 うふふ。お客様の総数が、12人になりました。20人目指してがんばろうっと。(←野望)




つむじ風(7)




 遠藤の足音が遠ざかるのを確認して、青木はペットボトルの水を口に含んだ。それから躊躇することもなく、薪に口移しで水を飲ませる。
 完全に意識が混濁してしまって、こうでもしないと水分の補給ができない。ひとに見られたら大変なことになるが、ここには覗きをするような下衆な輩はいない。

 水が自然にのどに流れ込むのを確認して、ゆっくりと補給を繰り返す。何度目かの補給で、薪は目を覚ました。
「青木。だめだ」
 しまった。気づかれた。
 薪が動けるようなったら、間違いなくひっぱたかれる。
「こ、これはそういう意味じゃなくて、ただの水分補給」
「遠藤をフォローしてやれ」
 だるそうに起き上がって、薪は青木の手からペットボトルを取った。
 手が震えている。湯あたりもひどくなると、手足の震えを伴う。これでは立ち上がれなかっただろう。

「遠藤が、一番心を許してるのはおまえだ。そのおまえにあんな風に怒られたら、あいつは居場所を失くしてしまう。小池には、遠藤を厳しく指導するように言ってある。だからおまえは、あいつにやさしくしてやれ」
 水を飲みながら、薪はそんな指示をする。動けなかっただけで意識はあったらしい。が、青木がしたことには気付いていないようだ。
「今日は、メシにでも誘ってやれ」
「でも薪さん。オレ、最近ずっとアフターは、遠藤に付き合ってて」
「いいじゃないか。年も近いし、コンビを組ませてやろうか」
 青木の気持ちを知っているくせに、このひとはこういう意地悪を言う。しかし、薪を責めることもできない。この気持ちは、自分の一方通行だからだ。

 新人に引っ張り回されて、青木はここしばらく薪の家に行っていない。このまえ薪の手料理を食べたのは、いつだったか。
 薪のプライベートのかわいい姿を見たくて、そろそろ禁断症状が出始めている。
 そのせいで、遠藤のミスが許せなかったのかもしれない。薪を傷つける人間は絶対に許せない青木だが、遠藤もわざとやったわけではなかったのだ。

「今日は、室長会議の資料を作る日ですよね。だから」
「資料作りは岡部に手伝わせる。あいつも書類に慣らさないと」
 自分に叱られて肩を落とした後輩と同じように、青木はがっくりとうなだれた。
 いつもは薪と二人で会議資料を作って、その流れで食事に行ったり、薪の手料理をご馳走になったりしていた。青木は月に2回の約束された二人の時間を、とても楽しみにしていたのだ。

「あんまりですよ。オレ、もう2週間くらい薪さんのごはん食べてないんですよ。先週の金曜も遠藤に引っ張っていかれて、その前は事件の最中で」
「なんで僕が、おまえのメシのことで非難されなきゃならないんだ」
「ずるいです。オレの言いたいこと、分かってるくせに」
 空になったペットボトルを青木に渡して、薪はベッドにひっくり返った。下半身に掛けただけのバスタオルがずれて、腰の部分が見えそうになる。青木は慌てて視線を逸らした。

「今度の金曜日は、岡部のリクエストで手巻き寿司だ」
 薪の言葉を聞いて、青木はぱっと顔を輝かせる。
 分かりづらいが、これは薪からのお誘いだ。薪が夕飯のメニューを口にするときは、「来てもいいぞ」ということなのだ。
 おまえも来るかとか、一緒にどうだ、などという誘い文句を期待してはいけない。薪にそんなことを言ってもらうには、あと10年はかかりそうだ。

「いいなあ。オレも行ってもいいですか?」
「自分が食べる米は、買って来いよ」
「はい!」
 空のペットボトルを持って、青木は仮眠室を出た。
 週末の楽しみができた彼の足取りは、先刻の新人とは正反対の軽さだった。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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No title

PC直って良かったですね。
それにしても優しいご主人様だなぁ~、
愛されてらっしゃるのですねっ!!

(6)のラストで、青木は100%口移しで飲ませてくれると思いました。
期待を裏切らないでくれてありがとう、青木。

息子に塾弁届けないといけないのに、
まだおかずが作れていないのに、
…ついつい夢中になって読んでしまいました。
今からがんばりま~す。

歓喜の歌さまへ

いらっしゃいませ、歓喜の歌さま。
再度のお運び、ありがとうございます。
・・・・・・・わたしへの誤解は、解けましたでしょうか・・・・?(びくびく・・・)

> PC直って良かったですね。

ありがとうございます!
えっと・・・・うちのオットは・・・・・わたしには限りなく甘いです・・・・・てへ。
でもわたしは薪さん一筋!(ごめんよ、オット)

> (6)のラストで、青木は100%口移しで飲ませてくれると思いました。
> 期待を裏切らないでくれてありがとう、青木。

あはは!
期待してらっしゃったんですね。(^^)
お約束ってことで(笑)

> 息子に塾弁届けないといけないのに、
> まだおかずが作れていないのに、
> …ついつい夢中になって読んでしまいました。
> 今からがんばりま~す。

塾のお弁当ですか!ごくろうさまです。
夏休みでも、今の子供たちは遊んでるヒマがないですよね。塾に宿題に様々な提出物に、学校行事もあったりして。(義弟夫婦の子供が、合唱コンクールの練習に毎日学校に行ってます)
それを支えるお母さまの苦労も、相当だと思います。
がんばってくださいね!

それにしても、わたしたちが子供の頃は、もっと呑気だったなあ。夏休みは怠け放題で・・・・ああ、あの時のもてあました時間が、今欲しいです。

読んでくださって、ありがとうございました!


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ふむふむ・・・

しづさま こんにちは

ご無沙汰してすみません。
つむじ風ですか。・・・翻弄されるのは薪さんかな、青木かな? 

遠藤君、ふ・つ・うの青年ですね。ええ、私も、周りが感化されておかしくなっているだけで、遠藤は普通だと思います。でも、この先は分かりませんね! 青木にライバル出現ですか? それとも、室長の魔手から青木先輩を守るんだ、とか言い出したりして。うははは(^^)

間宮も面白いですけど、遠藤も面白い展開になりそうです~☆

薪さんが倒れた時は、何かの陰謀か? と思ったのですが、ただの湯あたりだったようですね。焦りました。相変わらず腐り具合が入っていないので、どうしても、その後のピンクの展開が思い浮かばす・・・。実は、ピンクな薪さんの方が話しの主体だったのですね。すいません。出直してきます・・・。

ペットボトルを持ったままの青木が言外に「早く出て行け」と言っているのが面白かったです。

>「ずるいです。オレの言いたいこと、わかってるくせに」

おい、青木・・・。いくら我慢できないからって、・・・薪さんは分かってないかもしれないぞ。
青木の、蛇の生殺しはまだまだ続きそうですね。青木が女の子だったら、興味があるのかないのか早めにはっきりさせられると思いますが、男だからかなあ。薪さんもきっぱり断るには青木に惹かれすぎてるんでしょうね。

ぐっふっふ。
なるほど、つむじ風ですね。
ナイスな題です。
おじゃましました。

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鍵コメいただきました、r さまへ

はじめまして。
うちの腐ったお話を読んでいただけて、嬉しいです♪

6月からブログを始められたんですか?一緒ですね!わたしも開設は6/14です。
r さまは、とても奥ゆかしい方なんですね。いただいた文章から、初々しさがにじみ出てます。
(・・・・・・いま思ったけど・・・・わたしって新参者のクセに、ものすごく図々しかったかも・・・・・)

で、そのお・・・・
わたしなんかの腐れ話を読んで、どうしてそんな誤解をなさるかなあ・・・・。これがかのんさんとかみちゅうさんとかめぐみさんとかだったら、たしかに!と思えますけど・・・・・。
褒めていただいて、すごく嬉しい反面、自分の身の程がわかっているので、穴があったら入りたいです・・・・・

> あなたの青木の薪さんに対する苦しくなるほどの愛情が‥好き(^_^;)
> いじらしさが‥好きっ(T_T)

ありがとうございます。
これはですね、実は、わたし自身の薪さんに対する気持ちを、青木くんを通して語らせてるので、愛情てんこ盛りなのです(^^

リンクは嬉しいです!
お友だちが欲しくて始めたブログなので、リンク大歓迎です!
r さまのブログのURLをぜひ教えてください(コメのURLに入れて、そのまま送って下さってけっこうです。折り返し、伺います♪)
うちからも張りますよ~~!
あ、でもですね。
うちの話はとても異端児だし、エログロイタグロも激しいので、こんな腐ったブログなんかとリンクでつながるのはイヤ!と思われたら、遠慮しないで仰ってくださいね(^^)

お返事、お待ちしてます!

第九の部下Yさまへ

わーい、イブさま、いらっしゃいませ!
わたしの理想の薪さんは、お元気ですか?(笑)

> つむじ風ですか。・・・翻弄されるのは薪さんかな、青木かな? 

わたしがイブさまの薪さんに、翻弄されてます!!(^^

> 遠藤君、ふ・つ・うの青年ですね。ええ、私も、周りが感化されておかしくなっているだけで、遠藤は普通だと思います。

でしょう?
みんながおかしいんですよ。これが普通の反応ですって。

>でも、この先は分かりませんね! 青木にライバル出現ですか? それとも、室長の魔手から青木先輩を守るんだ、とか言い出したりして。うははは(^^)

・・・・・ナイショ。
つづきを読んで下さい(^^)
でも、すでに見透かされてる・・・・・。

> 間宮も面白いですけど、遠藤も面白い展開になりそうです~☆

ちょっ、間宮を面白いって・・・・
書いたわたしが言うのもなんですけど、イブさまったら、コワイモノ知らずですね(笑)

> 薪さんが倒れた時は、何かの陰謀か? と思ったのですが、ただの湯あたりだったようですね。焦りました。相変わらず腐り具合が入っていないので、どうしても、その後のピンクの展開が思い浮かばす・・・。実は、ピンクな薪さんの方が話しの主体だったのですね。すいません。出直してきます・・・。

うぎゃ。
イブさまの読みで合ってます。このお話はピンク系ではありません。
ああ、でも、風呂の中で薪さんが考えてたことはドピンクでしたね・・・・うっ・・・・もう、腐が沁みこんでるんですね、わたし・・・・・。

> ペットボトルを持ったままの青木が言外に「早く出て行け」と言っているのが面白かったです。

バレちゃいました?
えへへ。早く薪さんに、水を飲ませてあげたかったんです。

> >「ずるいです。オレの言いたいこと、わかってるくせに」
>
> おい、青木・・・。いくら我慢できないからって、・・・薪さんは分かってないかもしれないぞ。

そうですね。
うちの薪さんは限りなくニブイので、きっとここは、『青木はメシが食いたいんだな』と考えてるかもしれませんね(^^;)

> 青木の、蛇の生殺しはまだまだ続きそうですね。青木が女の子だったら、興味があるのかないのか早めにはっきりさせられると思いますが、男だからかなあ。薪さんもきっぱり断るには青木に惹かれすぎてるんでしょうね。

はい。
もう、薪さん本人が認めてないだけで、けっこう持っていかれちゃってます。

> ぐっふっふ。
> なるほど、つむじ風ですね。
> ナイスな題です。

わたし、題名つけるのものすごく苦手です・・・・。
ブログの名前も考え付かなくて、まんま『第九』で仮につけたんですけど・・・・・できたら、替えたいんです。(あまりにも、そのまんますぎる)
なんか、いいブログ名はありませんかね?
(あ、でも、リンク張っていただいてる方には、迷惑かけちゃうのかな??だったらこのままで。)

Sさまへ

いつも来ていただいて、ありがとうございます!
(訪問者リストで確認できるので。読んでくださってるんだ、うれしいなあ、と勝手に思っておりました)

Sさまの創作、
読みました、ウケました、絶叫しました!(オットとお義母さんが留守で命拾いしました(^^)

出演させていただいて、すごくすごく嬉しかったです!

どうかこれからも、うちの間宮をよろしくお願い致します<こらこら。
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
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