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竹内警視の受難(7)

 薪が5階から落ちてきた。
 ……『重力ピ●ロ?』(笑)

 お礼のSSとは思えない展開になってまいりました。どうしてこういう方向に、話が進むんでしょう。(^^;
 それはわたしがSだから、って、みなさん、もうご存知ですね☆



 すいません、ちょっと私信です。
 Mさま、素敵なイラストをありがとうございました!
 自分の書いたお話からイメージを膨らませてイラストを描いていただけるというのは、作者としては、ものすごく感激することで。 嬉しくて背筋が震えました。
 で、実際に拝見しましたら。
 萌え死にしそうっ!!
 Mさま、素晴らしいです!
 朝から幸せです。今日は一日中、ニヘラニヘラして過ごします。(〃▽〃)





竹内警視の受難(7)





 飛んだ瞬間。
 時が止まったように感じられて、薪は様々なことを思い出した。

 両親のこと。
 子供の頃のこと。
 鈴木のこと。
 雪子のこと。
 第九のこと。
 それから―――― 青木。

 青木は、僕が死んだら泣くだろう。
 でも大丈夫。あいつは若いし、僕のことはすぐに忘れる。もう、雪子さんじゃなくてもいいから、ちゃんとした相手を見つけて欲しい。
 色々あったけど……一線を越えなくて、本当に良かった。
 あいつの悲しみが、倍になるところだった。

 落ちていく。
 ただ、落ちていく。風圧で、目が開けられない。
 薪は力を抜いて、目を閉じた。

 ――― 鈴木。これでようやく……。

 大好きな鈴木の笑顔が目蓋に浮かんだ刹那。風を切る感触以外のものが自分の身体に訪れて、薪は我に返った。
 誰かの腕に抱かれる感覚。ぎゅ、と抱き込まれる。
 鈴木? 鈴木が迎えに来てくれて――――。

 ちがう。
 これは鈴木の匂いじゃない。鈴木は香水なんかつけない。これは。

 バキッと耳をつんざくような音と共に、落下運動のエネルギーが僅かに緩和される。それを意識する間もなく、地面に叩きつけられた。
 身体が跳ね返される。強い衝撃に、呼吸が止まる。重力が逆転するような感覚に、内臓が口から飛び出してきそうだ。

 ボキボキッといやな音が聞こえて、薪は顔を歪めた。
 この音は、知っている。人間の骨が折れる音だ。
 意識がある。生きている。
 耳に残った不快な音から察するに、骨は何本か折れたらしいが、それほどの痛みはない。今は無我夢中で、痛覚も麻痺しているのだろう。
 とにかく、生きている。
 奇跡だ――――。

「うっ……」
 普通に喋れるほどの軽症でもないが、声も出せるようだ。
 額に手を当てると、手のひらが真っ赤に染まった。どこか派手に切ったらしいが、患部は不明だ。血が吹き出ているという感覚がない。
 患部を突き止めるのは後だ。なんとか身体を動かして、ここにマットを持って来るように指示をしないと。そうすれば竹内は助かる。

 浅い呼吸を何度か繰り返して、やっと薪はその異変に気付いた。
 自分がうつ伏せになっている地面。それは土でも木の枝でもなかった。

「た、竹内!?」

 何故だ?
 5階で待っているはずの竹内が、なぜ自分の下になって、しかも口から血の泡を吹いているんだ!?

 痛みも忘れて、薪は身を起こした。飛び降りるときより遥かに青い顔になって、瀕死の宿敵を見る。
「馬鹿な……なんで、こんな」
 奇跡でもなんでもない。
 竹内が自分の身をクッション代わりにして、薪を助けてくれたのだ。

 初めからこのつもりだったのか?
 それであんな、挑発的なことを言ったのか。薪に自発的な跳躍を促し、自分がフォローに入るつもりで?
 計画的な行動でなければ、この現象はありえない。薪が足を踏み切った瞬間、竹内も飛んでいなかったら、薪の落下速度に追いつけないはずだ。
 薪の額にたっぷりと付いた血液は、竹内の吐血だったことを知り、薪は真っ暗な穴の中に落ちていくような恐怖に震えた。
 
「た、竹内っ!! しっかりしろ! いま、助けがくるから!」
 そんな保証はなかった。
 助けが来るかどうか、この状態の薪に分かるはずがなかった。しかし、そう叫ばずにはいられなかった。
 竹内の意識は、すでに混濁していた。あれだけの高さから落ちたのだ。しかも薪の体重を受けて。大量の吐血は、内臓破裂の証拠だ。

「竹内! しっかりしろ! 死ぬなっ、死ぬな……!」
 声を張り上げると胸に激しい痛みが走ったが、それどころではない。
 痛みを感じるのは、生きている証拠。いま竹内は、痛みを感じることができているのだろうか。
「死ぬなっ!」

 ちくしょう。
 青木といい、竹内といい、みんなしてよってたかって。僕が鈴木に逢いに行くのを、邪魔しやがって!

 竹内の口元に、薪の涙がぼたぼたと落ちた。
 それは竹内の口から溢れ落ちる命の雫に混じって、真っ赤に染まった。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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きゃー!

もう、どうしてこう、素晴らしい見せ場を作ってくれるのでしょうか、しづさんは。
竹内、良い男だ-、キミのことは忘れない<コロすなよ(笑)
薪さんはこれで竹内に頭が上がらなくなっちゃいましたね。
え、薪さんのことだから元気になったらまた?(^^;

>青木といい、竹内といい、みんなしてよってたかって。僕が鈴木に逢いに行くのを、邪魔しやがって!

鈴木さん、お迎えはまだ良いですよ…。

青木-!どこにいるんだー??

Kさまへ

いま、Mさんを口説いてます(笑)

わたしもMさんからは、最近鍵コメをいただいただけで、お名前も「M」さんとしか・・・・・(^^;

Mさんはサイトをお持ちじゃないようで、同人活動はオフでやってらっしゃるそうです。
絵は描きなれてる方みたいです。
構図とか、ばっちり、プロです。

公開の許可をいただけたらアップしますので。
もう少し、待ってみてください。

めぐみさんへ

いらっしゃいませ~、めぐみさん♪

> もう、どうしてこう、素晴らしい見せ場を作ってくれるのでしょうか、しづさんは。

SはサービスのSですから!
薪さんが自分の頭に銃口当てて引き金引いたときに比べたら、何てことないですよ。(『願い』の方ですね。あれは衝撃だった・・・・・)


> 竹内、良い男だ-、キミのことは忘れない<コロすなよ(笑)

死んでません(笑)

> 薪さんはこれで竹内に頭が上がらなくなっちゃいましたね。
> え、薪さんのことだから元気になったらまた?(^^;

もちろんです!
それどころか、元気になるのを待たず・・・・・どこまでヒトデナシなんでしょう、うちの薪さん(笑)

> 青木-!どこにいるんだー??

青木くんは美穂ちゃんを抱えて、階段を駆け下りてますね。
ちょっと時間、かかりすぎか(^^;)
今回も役立たずです。ヘタレすぎる・・・・・。

Mさまへ

こちらに鍵拍手いただきました、Mさまへ

>竹内さんが…ッ! ままま薪さん人工呼吸!人工呼吸!! このシチュは恋愛モノお約束の人工呼吸ですよ!
>心マッサージなんかしたら内臓破裂にトドメ刺しそうです

げらげらげら!!
やってみたいです、このギャグ。
「竹内、死ぬな~!」と叫びながら、心マで ぶしゅー!!
あ、でもこれ、四コマの方が面白そう。

>タイトルに偽りなしの何て堂々たる受難っぷり。 続きが気になるので、このまま徹夜で待機します。

\(゜ロ\)(/ロ゜)/
寝てください!
こんなアホ話で徹夜なんてとんでもない!
わたしは推敲してると、3分で欠伸が出ます。(^^;


>それから、送りつけた青薪が・・・・

はいはい!
めちゃめちゃ感激しました!
ステキでしたよ~~!

お許しをいただけたので、公開させてもらいますね。
ありがとうございました!!

Aさまへ

Aさま。

> 命の恩人じゃないですか!

あ、やっぱりそうなるのかな?
でも薪さんに言わせると、「頼んでないし」←おい。
とにかく思い込みの激しい人なので、竹内との関係は一生このままだと思います。(笑)


「薪さんの生い立ち」
新シリーズで解明されるのでしょうか。
読んでみたい気もしますが、わたしはこのまま謎が多い方がいいかな。 ミステリアスで。 
過去編の薪さんは、謎と孤独に包まれた人間に描かれると思います。 (愛想笑いで過ごしていたくらいですから、多分孤独だったと想像します) そんな彼が、唯一心を開けるのが鈴木さんだったと。
その鈴木さんを自ら殺めてしまうのですね……なんて残酷な未来でしょう。 その先に青木さんが待ってる、と思っても、やっぱり辛いですね。(TT)


> 薪さんの身体も無傷じゃありませんね(;;)

ごめんなさーい。(^^;
青木さん、焦ったでしょうねえ。 薪さん、竹内の吐血被って血塗れだったし。(・◇・)
こうして思い起こすと、わたしって昔から物騒な話ばっかり書いてるんですねえ……反省。


プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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いつの間にか9歳になってました。( ゚Д゚)
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