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ナルシストの掟(8)

 ご報告です。

 『最愛の秘密』のK24さんが、『ナルシストの掟』のイメージイラストを描いてくださいました~~!!!(〃∇〃)


 K24さん、ありがとうございました!
 メリージェーンのアイディアを使わせていただいた上に、イラストまで描いていただくなんて。
 盗人に追い銭とはこのことですね!(もう少しマシな例えはないのか(--;)


 K24さんの麗しいイラストは こちら です。是非、ぽちっと押して、ご覧になってください!

 K24さんには以前にも、竹内のイラストを描いていただきました。(こちら です)
 この章は、K24さんのイラストのイメージで読んでいただくと、こんな幼稚な文章でも色っぽく読めるかも、です。
 どうぞお試しあれ。(^^






ナルシストの掟(8)






 薄暗い廊下に、濃密なエロスの空気が漂っている。
 どこかでよろしくやっている連中がいるらしい。こういう雰囲気は、肌で感じるものだ。店内での情交はしないようにと、厳しく支配人には言ってあるのだが。

 滝渕謙三は化粧室に続く廊下で、そっとその気配を辿り、一組の男女を発見した。
 一定の間隔を置いて壁に灯されたライトの下で、ふたりは夢中で抱き合っていた。女のしなやかな足が男の足に絡んで、男の唇が女の首を這い回っている。

 男も女も、えらく美形だ。ホストクラブでもなかなかお眼にかかれない色男と、これまたモデル顔負けの美女。これまで見たこともないような、いいオンナだ。この容姿なら、銀座のクラブでも生き残っていけそうだ。
 服装からするに、さっき、レジのところに立っていたあの女か。いい身体をしているとは思ったが、遠目でよく顔が見えなかった。
 ボーイの島村が知り合いの女性をひとり雇って欲しいと言っていたが、あの女のことか。いったい、どこであんな美女を見つけてきたのか、ボーナスを弾んでやらにゃなるまい。金額は、あの女の味次第だが。

 女はたっぷりと情感を含んだ眼差しで空を見つめ、男の愛撫を受け入れていた。露わになった首筋から肩のラインが官能的に薄暗がりに映える。その肌は、滝渕が今まで手に入れてきたどの女よりも白かった。

「あん、ねえ、部屋に行ってからゆっくりしましょ。アレ、使って……ね?」
 チャイナドレスのスリットから、女の陰部をまさぐっていた男の手が止まり、胸に埋められていた顔が上がった。
「アレはもう、手に入らないんだ。俺の知り合いがパクられちまって」
「え!? うそ!」
 行為の続きに戻ろうとした男の手を摑んで、女は言い募った。切羽詰った表情だ。
 
「他の人からも買えるんでしょう? だったら」
「やめたほうがいい。サツもこの辺、締めてきたみたいだし。ここらが潮時だろ」
「冗談じゃないわよ! アレがなかったら、あたし……」
 自分の要求に男が応えてくれないと解ると、女は男の身体を乱暴に突き飛ばした。胸の前を合わせて、イライラした調子で爪を噛む。
「なんでそんなに焦ってるんだ? 俺はおまえをシャブ中にするほど、クスリを渡してなかったはずだぞ」

 豹変した女の態度に、男は訝しそうに首を傾げたが、すぐにひとつの可能性に気付いて、女の華奢な腕を摑んだ。
 腕の内側を確認するが、探していたものはない。まあ、そんな見えるような場所に打つバカはいない。足の指の間とか、腿の内側とか。

「なんだ、これ! こんなに痕になるほど、おまえ、いつの間に」
 女の内股にその証拠を見つけて、男の顔色が変わった。
 真っ赤な布地から覗く白い腿。滝渕は思わず、唾を飲み込んだ。

「どこから手に入れたんだ? どうやって? まさかおまえ、俺以外の男と!」
「だって」
「っざけんなよ、この淫売!」
「きゃっ!」
 パン! という音が響いて、女が床に倒れた。女の顔を殴るなんて、ひどい男だ。ブスの顔なら構わないが、美女の顔は許せない。
 うつ伏せに倒れた女の背後から、嫉妬に狂った男は襲いかかった。
「いやっ! 乱暴にしないで!」
 スカートをたくし上げ、無理矢理足を開かせようとしている。必死で抵抗するが、しょせんは女の力だ。いくらもがいても、男の腕力には勝てない。服ははだけていく一方だ。白い尻に食い込んだ黒い下着が、ちらりと滝渕の目を掠めた。
「だ、だれか! 助けてっ!」

「おれの店で、揉め事はよしてもらおうか」
 ドスのきいた声で滝渕が一喝すると、ふたりはびっくりして跳ね上がった。
 特に男の方は滝渕の風体に恐れをなしたらしく、立ち上がって逃げる素振りを見せた。女の腕を摑んで連れて行こうとしたが、女は嫌がって首を振った。滝渕を縋るような瞳で見て、声もなく哀願する。

「待ちな。その女は置いていきな」
「こ、この女は俺の」
「兄さん、悪いこたあ言わねえ。この店から無事に出たかったら、おれの言うとおりにしな」
 欠けた小指を見せ付けると、真っ当な人間は大抵びびる。後は額の傷を見せてやれば、脅しめいたことは何も言わずとも、相手が勝手に逃げていくという寸法だ。
「そのイカした面がありゃ、他の女がいくらだって寄ってくるさ。なあ」
 凄んだ顔で笑ってやると、男は尻尾を巻いて逃げていった。床に腰を落としたまま、女は着衣の乱れを直している。やがてよろよろと立ち上がり、滝渕に向かって頭を下げた。

「ありがとうございました」
「気にするな。店の女の子は大事な身内だ。守るのは当たり前よ」
 太い腕が女の身体に伸びて、細い腰を抱き寄せた。びくりと身体を強張らせるが、抵抗らしい抵抗はしてこない。とりあえず、今夜にでも味を見ておくとするか。

「あっ、いや」
 スカートの中に手を入れて、注射針の痕を探る。
 なるほど、ボツボツと痕がある。相当、のめり込んでるな、この女……。
「うちに来れば、いくらでもあるぜ」
「え?」
「欲しいんだろ。これ」
 すべすべした内股をさすりながら、クスリの存在をチラつかせると、女は一も二もなく飛びついてきた。

「あの、ここで欲しいんだけど」
「今は持ってねえ。家に行かなきゃ、ダメだ」
 微かな困惑が女の瞳を曇らせたが、すぐに腹は決まったようで、彼女は素直に滝渕の後をついてきた。袖なしのチャイナドレスから可愛らしく覗いた華奢な肩を抱き寄せて、滝渕は好色な笑いを洩らした。




*****




 店の裏口から出てきた二人の男女を見て、脇田は目を剥いた。
 体格のいい滝渕の陰に隠れるようにして歩いてくる女は、赤いチャイナドレスを着た、眼の覚めるような美女だ。
 二人は流しのタクシーを拾うと、後部座席に乗り込んで身体を密着させた。タクシーはすぐに発進し、渋谷方面に向かう。
「ちっ。薪の野郎、また勝手なことしやがって。おい、あのタクシー追え。1班、2班、渋谷方面だ。追って指示する」
 覆面パトカーの助手席で、脇田は苦く吐き捨てるように言い、無線で計画の変更を部下に告げた。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Kさまへ

ご依頼の件、お伝えしました。(^^
受けていただけるかどうかは分かりかねますが、Kさまのお気持ちは、嬉しく思われると思います。

って、そうですよ。直接あちらのサイトに行かれた方がいいですよ!
管理人は、新しい方が来てくださると、とても嬉しいものです。ぜひ、ひとコメしてあげてください(^^

創作、楽しんでいただいているようで、ありがたいです。
ぐっと寒さが増してきましたし、台風も来ているみたいで。Kさまにはお疲れの出ませんよう。

ありがとうございました。
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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