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楽園にて(1)

 7000拍手のお礼です。

 エロエロすずまきさんです。(予告とちがう)
 18歳未満の方とRが苦手な方、及びあおまき派の方はご遠慮ください。
 って、こんなに禁止項目が多くて、お礼になるのか?



 このお話は1年半くらい前に書いたんですけど、そのときはうちの薪さんて、鈴木さんのことこんなに好きだったんですねえ。
 現在の薪さんは、筆者が引くほど青木くんのこと好きになっちゃってて、天国に行って鈴木さんに再会してもこんなことはしないだろうな、と思います。なので、これはパラレルということで。本編とは切り離して考えていただきたいです。
 よろしくお願いします。






楽園にて(1)





 緑一面のやわらかそうな草の上に、一人の青年が寝転んでいる。
 白いワイシャツにダークグレイのズボン。ネクタイはしておらず、頭上にはズボンと揃いのジャケットが無造作に置いてある。
 ワイシャツの前のボタンは大きく開いて、その隙間から白い胸がのぞいている。無粋な防弾チョッキなど、ここでは必要ない。

 のびのびとした寝姿。気持ちよさそうに、ゆったりとした寝息を立てている。
 亜麻色の短髪に長い睫毛。小さな鼻につややかなくちびる。
 相変わらずの美貌に鈴木は目を細めた。
「薪、起きろよ」
 何回か声をかけるが、一向に目覚める気配がない。この時間に起こしてくれと言ったのは薪のほうだ。しかし起きたらきっとまた「せっかく気持ちよく寝てたのに」などと勝手なことを言うのだろう。

 こちらにきても、薪のわがままは変わらない。
 薪が鈴木の前に現れたのは5年前。どれだけこの日を待ち焦がれていたことか。うれしくてうれしくて、大学のころ以上に甘やかしてしまった。
 薪は相変わらずきれいでかわいくて、生意気で皮肉屋でへそ曲がりで――― でも鈴木のことが大好きで。
 あの頃と何ひとつ変わらない。
 いや、ひとつだけ。大きく異なっていることが。

「こら。襲うぞ」
 耳元で囁くと、薪はぱっと目を開けて鈴木の頭を両手で押さえつけ、噛み付くような激しいキスをしてきた。
 扇情的に、鈴木の口中を動く舌。重ねられたくちびるの隙間から漏れ出す吐息のなまめかしさ。婀娜花のように強烈な、引き擦り込まれるような色香。
 思いがけない力強さで、鈴木はその場に押し倒される。薪が上からのしかかってくる。キスをしながら、積極的に鈴木の衣服を脱がしていく。

「狸寝入りしてたな」
 低血圧の薪が、寝起きにこんな真似ができるわけがない。目を閉じて眠った振りをしていたのだ。
「この時間に起こしてくれって、おまえが言ったんだぞ。なにか用事があったんじゃないのか?」
「この時間に鈴木とセックスしようと思ってさ」
「……なんでこの時間なの?」
 わけがわからない。
 それは今に始まったことではないが。わからないから、薪は面白いのだ。

 鈴木のズボンの前を開いて、薪がそこに顔を埋めてくる。鈴木と関係していたときと比べると、その舌技も格段に上手くなっている。何事にも努力を怠らない薪は、こんなことまで練習してきたらしい。
「あっ、あっ……、薪ってば!」
「いやか?」
「そうじゃなくて」
 こんな性急なセックスではなく、もっとゆっくり楽しみたい。時間はいくらでもあるのだから。
 
 鈴木がそう言うと、薪は服を脱ぎ始めた。
 緑の草の上で全裸になる。背中に羽根が生えていないのが不思議なくらいの美しさだ。
「20歳に修正かけたほうがいい?」
「え!? おまえ、それ素のままなの?」
「だって面倒だし。意識が飛ぶと元に戻っちゃうし」
「おまえ、こっちに来たの45のときじゃなかったっけ」
 どう見てもその年齢には見えない。
 40どころか30代もあぶない。というか、20代前半にしか思えない。ここでは謎というものは殆ど存在しないが、こいつの異常な若さだけは別だ。

 薪は目を閉じて、20歳だった頃の自分に戻る。一瞬からだの輪郭が揺れて、次の瞬間には大学生の薪がそこにいた。しかし。
「変わんないんだけど」
「そんなことないだろ!顔の輪郭とか、眉毛、とか……微妙に、その」
 始めは強く否定したものの、鈴木が出した鏡に映った自分の姿を見て、だんだんに声のトーンを落とす。終いには、おかしいな、間違えたのかな、とぶつぶつ言い始めた。
「まあ、頬のラインは少し大人っぽくなったかな」
「だろ? 僕だって成長してるんだ」
 うれしそうだ。
 普通はこの年になったら若く見られたほうが嬉しいものだが、薪はそれを嫌う。年相応に見られないのは中身が年の割に未熟だ、という悪口に聞こえるらしい。

「薪」
 名前を呼んで手を出すと、薪は素直にからだを寄せてくる。鈴木のからだにぴったりと抱きついて、すべらかな頬を胸にすりつけてくる。
 相変わらず華奢で細くて、しかし20歳のときに比べると筋肉のつき方が違う。第九時代にも鍛錬を欠かさなかったおかげで、胸や腰の辺りは割としっかりしている。それでも鈴木の大きなからだに比べると、やはり子供のようだが。
 小さな顔を上げさせて、やさしくキスをする。
「大好きだよ、鈴木」
 くちびるが離れると薪はうれしそうに微笑んで、鈴木の下腹部に手を伸ばしてくる。先刻の行為を再び繰り返そうとする薪に、鈴木は軽い既視感を覚える。

「……いいじゃん、クリスマスなんだし」
 鈴木の言葉に薪が顔を上げる。ふわりと笑って、しかし言葉は辛辣だ。
「遅いよ。いまごろ解ったのかよ。だからおまえは警視止まりなんだよ」
「だってここ、季節感がないんだもん」
「そうだな。でも雪が降ってたら、外でこんなことできないだろ」
 薪の小さな口唇に包まれて、鈴木のそれは固く膨らんでいく。鈴木の腰をつかんでいる薪の左手には、例のプラチナのリングが輝いている。
 あの日のあの時刻に合わせて、これは薪なりの演出だったのか。

 昔から薪はこういうやつだ。鈴木を喜ばせるために陰でいろいろなことを考えて、努力して練習して、料理だって目を瞠るほど上手になった。ベッドの中のことだけは、いまひとつ成果が上がらなかったようだが。
 大学時代にベッドを共にしたときは、薪は固いつぼみのような身体をしていた。快楽に喘ぐというよりは、痛みに呻くという感じだった。薪は自分の痛みを鈴木に気取られまいと演技をしていたが、男の場合ははっきりと前の部分に現れてしまう。そんな薪が可哀想で、鈴木は次第に薪の身体に触れるのを躊躇うようになった。
 そんなこいつが。

 いま、薪はちゃんと反応している。
 鈴木の上にまたがって、気持ちよさそうに喘いでいる。腰をゆっくり落として、鈴木を飲み込もうとしている。
 できることなら自分が主導権を握りたい。しかし、自分と離れてからの薪はその……。
「あっ、いっ、すずきっ!」
 薪に肉の快楽を教え込んだのは鈴木ではない。それが鈴木には悔しい。しかし、下の世界にいるときにその勇気を持てなかった自分が悪いのだから、相手を責める権利は鈴木にはない。

 嫉妬心をバネにして、鈴木は自分の腰を強く薪のからだに打ち込む。細い腰をつかんで、下から何度も突き上げてやる。
「あ、あひいっ!」
 薪の声が悲鳴のようなものに変わる。感じてきた証拠だ。
 これも鈴木は知らなかった。
 以前、薪は鈴木の前では恥ずかしがって、あまり声など上げなかった。だから鈴木は長いこと、薪のあえぎ声は吐息のようなものだと思っていた。
 それがあの若造に開発されて、こんなに淫らに悶えるようになって。鈴木の空想通りの薪になってこの世界へやってきたのだ。そのおかげで現在こうして薪と楽しい時間が過ごせるのだから、もしかすると彼に感謝しなければならないのかもしれない。こちらの世界では来たとき以上に能力が伸びることはないから、下界で仕込まれてこなかったら、今の薪の悦びはない。
 が、そこはやはり面白くないのが男である。

「好き、鈴木っ、だいすきっ」
「オレもだよ」
「しあ、わせっ、僕、もうっ……!」
 まあいいか、と鈴木は思う。
 薪は夢中になって腰を振りたてている。鈴木のことを悦ばそうとはしているが、自分の快楽にもいまの薪は貪欲だ。
 その方が、鈴木にはうれしい。こんなに悦んでくれる薪を見られるのだから、つまらない嫉妬などする必要はない。

「ひゃんんッ! ひあっ!!」
 薪のそこはとろとろに蕩けて、抽出のたびに淫猥な水音を立てる。だから激しく突き上げても、あの頃のように傷をつけたりしない。
「おまえ、なに出してんの? これ」
「知ら、ないっ、なんか自然に出るようになって、はんんっ!」
 その行為のためにこんな愛液まで出せるようになって、人間の身体とは不思議なものだ。一番の不思議は、やはりその若さだが。
 熱い襞に覆われた薪の内部は、中に潜り込んだ鈴木をきゅうきゅう締め上げる。強く締め付けたまま上下に腰を動かされると、鈴木はもう降参するしかない。自分のほうが先に達するようになってしまうのは本意ではないが、どうにも限界だ。

「んぅっ! 薪、まきっ!」
「ま、待って、僕まだ……!」
 薪の奥に放ち、鈴木は荒い息をつく。自分の上の恋人は、つややかなくちびるを尖らせている。なにやら不満そうだ。
「鈴木、早い!」
 ……なんてストレートな非難だろう。
 鈴木の男としてのプライドを粉々にする、むごい言い草だ。
「もうムリ。まじムリ。おまえ、どこでそんなテク」
「情けないなあ。男なら抜かず3発ぐらいやってみせろよ」
 かわいい顔をしてすごいことを言っている。まったく、いつからこんな。
 しかし鈴木には怒ることもできない。惚れた弱みというやつだ。

「はい。頑張ります、室長」
「もう室長じゃない。1階級特進で警視監だ。僕の実力なら、当然官房長だ」
「はいはい、官房長どの。精一杯務めさせて頂きます」
「うむ。頑張ってくれたまえ、鈴木警視」
 そこまで言って、噴出してしまう。ベッドの中の余計な会話はとても楽しい。

「実際ムリだって。オレ、35だぜ」
「僕は45だよ」
「……おまえと年の話はしたくないよ」
 こういうのは個人差が、と言いかけた鈴木の言葉は、薪のやわらかいくちびるに飲み込まれた。舌を絡めながら、薪は小さな手で鈴木の乳首をいじり始める。鈴木のものを中に入れたまま、器用にそこを動かす。締め付けては緩ませ、まるでその器官で揉み上げるように鈴木に刺激を与えてくる。
 鈴木の表情が変わったのを見て、薪は右手を自分の尻から下のほうへ、鈴木と繋がった部分へと移動させる。そのままもっと下まで、つまり鈴木の尻の下に潜り込ませて、そっと指を目的の部分に忍び込ませた。
「あっ、こら! やめろ!」
「いいからじっとしてろよ」
 薪が細い指を鈴木の中で動かすと、鈴木のものは薪の中で再び固さを取り戻し始めた。これも若い恋人に教わったのだろうか。

 なんとか使用に耐えうる固さになったのを確認すると、薪はゆっくり腰を動かし始める。今度は先ほどのように性急ではなく、緩やかな動きで鈴木の体力を気遣ってくれているようだ。なんだかんだ言っても、薪はやさしい。

 自分の入口をぎゅっと締めてそのまま上に引き上げる。ふっと力を抜いて奥のほうまで沈み込ませる。締め付けながらひねりを加えて鈴木を楽しませようとしてくる。
 ものすごく気持ちいい。
 二度目だから長く続けられるはずだ。今度は薪を悦ばせてやりたい。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Sさまへ

こんにちは、Sさま。
お返事遅くなってすみません。ちょっとリアル第九を体験してましたっ。(@@)


> 『言えない理由』に「いよっ! 雪子さん、いい女!! 惚れ惚れするぜぃ」ってコメするつもりだったんです。
> 薪さん、鈴木さんの恋人がこんな雪子さんでよかったねって。(原作はねぇ…)

ありがとうございますっ(≧∇≦)
うちでカッコイイのは雪子さんと岡部さんですからね。他はかなりグダグダで、主役のふたりに至ってはボロボロ(笑) よく成り立ってると思います。


> こちらは薪さん死後のあの世のお話だから、ヅカのベルばらの、天国のオスカルとアンドレのようなシーンを想像していたんです。美しくも切ない系だろうから、サラッと(すみません)読ませていただこうかと。

ああ~、ムリ、ムリです。 わたし、そういう耽美系は書けないです。少年漫画村の生まれなんで。(なんじゃそりゃ)


> いや~ぁ、その~ぉ、なんと申しますか、やってますねぇ、ここでも。
> 『いつものキス』を読ませていただいていたので、しづ様のテクニシャン薪さんにも免疫(?)はできていましたが。

あはは、ヘンなもの読ませてしまってスミマセン(^^;) 精神衛生上、早く忘れてくださいね。
うちの薪さんは、恋人同士になってからしばらくは痛いまんまなんですけど、2,3年すると上手になってきて、5年後にはものすごいテクニシャンになるんですよ(爆)
なんでこんな設定にしたかというとですね、わたしはSだから痛い薪さんも好きなんですよ。でもってヘンタイだから、快感に目覚める薪さんも書きたいなって。うちのキャラはみんな成長するんです。(←しづのヘンタイ性が成長している)


> それはさておき、薪さんは(流動的だそうですが)45歳で亡くなる構想を立てていらっしゃるのですね。
> だから、薪さんが、もう青木クンがいなくてもいいと思うお話もあるのですね。裏返せば、青木クンが、もう薪さんは自分を必要としていないと悟るということでしょうから。

あっ、これ!
書きました、2週間くらい前か?『未来への弁証』というお話です。
恋人になってから3年くらい後のお話ですね。『女神たちのブライダル』のちょっと前くらい。でも、別れさせたりしませんよ。わたし、あおまきすとですもの♪(←どの口が言うか)

ここからのSさまの妄想は~、
はい、すっごく当たってます!
でも青木くんは、やっぱり薪さんを思い続けてますね。これは二次創作なので、ありえない未来を選択してみました。だってわたし、あおまきすとだもん!


>私は薪さんが活躍して幸せであれば、パートナーがいてもいなくても、誰であってもいいんです。

わたしもずっと昔はこうでした。
でも書き続けているうちに、すっかり青木くんなしでは生きられない薪さんが出来上がってしまって・・・・ううう、なんとかしなきゃ・・・・。
青木くんの気持ちに気付かなかったころの最強薪さん、カムバーック!!

失礼しました。
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

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