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執行猶予(6)

 こんにちはっっっ!!!!(テンション高っ!)
 今日はメロディの発売日ですねっっっ!!!!!(うるさいよ)
 待っててね、今行くからね、わたしの薪さああああんんっっ!!!!!!(愛愛愛愛愛)


 腐ったオババの雄叫びはこれくらいにして、お礼を言わせてください。
 日曜日くらいから新しいお客さまに来ていただけたみたいで、いつも来てくださる方々と合わせて、すごくたくさんの拍手をいただいてます。ありがとうございます、本当にうれしいです。
 正直に言うと自分の書いたお話というのは、自分で読んでは面白くも何ともなくて。 書いてるときは楽しくて止められないんですけど、冷静になって読み返すと、ほんっとつまんないんです。 もともと、R系のくだらないギャグ小説だし。
 こんなのを公開してもみんなにバカにされるだけだよな~、思ってしまうこともよくあるのですが、こうして拍手をいただけると、「読んだよ、がんばってね」と励ましていただいてるように思えて、書き続けることを許していただけたような気分になるのです。 落ち込んだときとかは、本当に救われます。


 最近、かなり仕事が忙しくて、この冬は殆ど書けなかったんです。
 1~4月までで、5作品125ページしか書いてないです。
 充分じゃん! と思われます?
 どっこい、去年は同じ期間で、14作品507ページ書いてるんですよ。(こっちの方がおかしいんじゃ(^^;)) 
 ちょうどラストカットの辺りだから、物語的にも佳境だったんだと思いますが、それにしてもこの差は。 書きたいお話はいっぱいあるんです。ただ、気力がついていかなくなってしまったというか。
 年齢的にも無理が利かなくなってきて、このまま段々書けなくなっちゃうのかな、と多少弱気になってたんですけど、連日の拍手に励まされて、よし、がんばろう! と奮起しました。

 本当に、いつもいつもありがとうございます。
 こころからお礼申し上げます。
 これからもよろしくお願い致します。






執行猶予(6)






 官房室室長の部屋は、重役の部屋らしく高級感溢れる造りになっていた。
 20畳ほどの広い部屋。マホガニーの事務机に革張りの応接セット。書類を収納する棚も無機質なスチール製などではなく、天然樹木を使った飾り棚だ。

「もう食べないの?」
 向かいのソファに座った青年は、せっかく小野田が取り寄せてやった弁当にロクに箸をつけないまま、緊張した顔で蓋を閉めた。
「そんなに大きな体して、ずい分小食なんだね」
 第九の若い捜査官。小野田が目を掛けている警視正の部下で、25歳の警部だ。
 このソファに警部が座るのは珍しい。昨日ここに座っていたのは、政界とのパイプになってもらっている宮村議員だった。一昨日は東野産業の社長。警視総監に刑事部長。先週はこの捜査官の上司も来ていた。
 警視長の昇格試験を受けることにした報告と、それから「もの凄く身勝手なお願いなんですけど」と言って、本当に自分勝手な頼み事をしていった。かわいい薪の言うことなら大抵のことは叶えてやる小野田はその申し出を認めてやったのだが、あれは取り消さざるを得なくなるかもしれない。それはこの青年の言い分にかかっている。

 お茶を淹れてくれた秘書に礼を言い退室させると、小野田は部屋の鍵を閉めた。話の邪魔はされたくない。
 小野田が鍵を閉めたのを見て、青木はますます強張った顔つきになった。その顔は、高官の前で単純に緊張しているだけには見えない。小野田に対して後ろめたいことがあるのだ。
 
「青木くん。どうしてここに呼ばれたか、わかってる?」
「……いえ」
「お礼を言っとこうと思ってさ。薪くんに昇格試験を受けるよう説得してくれたの、きみなんだろ?」
 小野田がやさしい言葉を掛けると、青木はほっとしたように頬を緩めた。
 素直で明るくて、気配りが上手い新人捜査官。小野田もこの男のことは嫌いではない。彼の淹れるコーヒーは、第九を訪問するときの楽しみのひとつだし、見るからに純情そうな彼をからかうのも面白かった。
 しかし、それとこれとは話が別だ。

「お礼なんて、そんなもったいない」
「こういうことはきちんとしなくちゃね。薪くんを説得してくれて、どうもありがとう。でも、その先のことまでは頼んでないよ」
 声質を変えた最後のセリフに、青木の顔が再び強張った。男らしい眉を寄せて、目を瞠っている。

「仮眠室でしてたみたいなことは、もうしないでね」
「何のことだか解りませんけど」
 言葉だけ言い繕っても、顔がぜんぜん反対のことを言っている。正直な男だ。自分にはやましいところがあります、と拡声器で叫んでいるようなものだ。薪のポーカーフェイスならマスコミの追求を逃れられるかもしれないが、相手がこの調子では隠し通すことなど不可能だろう。
 ふたりの間に漂っていた、これまでとは種類が違う親密な雰囲気。秘め事めいた会話。濃密なキス。あのお堅い薪が軽い気持ちであんな真似をするとは思えないから、この男にこころを委ねていることは間違いない。
 
「困るんだよ。ぼくの薪くんに手を出されちゃ」
 薪は小野田の掌中の珠だ。26歳の特別承認以来、いやその前からずっと目を掛けてきたのだ。それをこんな青二才に食われるなんて。
「お言葉ですけど、お二人の間にそういった関係はないと」
 いくらかムッとしている。『ぼくの薪くん』という言葉に反感を持ったらしい。ヒヨコが一人前にヤキモチとは笑わせてくれる。
「恋愛は自由だ、他人にとやかく言われる筋合いはない。そう言いたいの?」
 小野田は穏やかな口調と表情を崩さない。空気だけを重くしていく。その重圧感に相手は次第に苦しくなって、終いには息もできなくなる。
 青木の表情が弱気になる。落ちつかなげに目線をうろうろさせて、無意識のうちに襟元を緩めた。

「そんなつもりはありません。官房長のご心配も分かります。でも、薪さんとオレは決していい加減な気持ちでこうなったわけじゃありません。オレはあのひとのことを命に代えても守りたいと思ってます」
「だから別れろって言ってるんだよ」
 ガラリと口調を変えて、吐き捨てるように小野田は言った。
 これだから青二才は嫌いだ。世間というものがわかっていない。

「きみたちがただのセックスフレンドだったら、こんなことは言わないんだよ。薪くんだって大人だしね、そういう相手も必要だろうさ。噂が立ちそうになったら簡単に別れられる相手と火遊びをしてるんだったら、男だろうと女だろうとそれは見逃すよ」
 気持ちが入らない関係なら、簡単に揉み消すことができる。小野田の人脈を使えば、それは造作もないことだった。
「でもね、薪くんは天然記念物みたいな男でさ。そういう遊びなんか出来ない子なんだよ。マスコミに嗅ぎ付けられそうだからほとぼりが冷めるまで会わないでいよう、カモフラージュに適当な女性と付き合おうなんて、大人の恋愛はあの子には無理だ」
 薪の弱点ははっきりしている。もういい年なのだから、少しはスレてもいいと思うのだが、薪の純真さと言ったら泣きたくなるくらいだ。尻拭いをするほうは堪ったものではない。

「オレが守ってみせます。あのひとに辛い思いはさせません」
 きっぱりと返ってきた答えに、小野田は心の底が凍るような怒りを覚える。
 なんて軽いことを言う男だろう。いったい自分に何ができると思っているのだろう。薪を守るためには関係を断ち切るしかないと、どうして気がつかないのだ。
「薪くんを守ってみせるって? きみ、自分のことを何様だと思ってるの。しがない警部になにができる? ぼくぐらいの力がなきゃ、薪くんを守ることなんかできないよ。
 ぼくがどれだけ長い間、彼を見てきたかわかる? 薪くんが警視庁に来たときから目をつけてたんだよ。彼が22のときから、もう15年だ。君みたいなくちばしの黄色いヒヨコの相手をさせるために、彼をここまで育ててきたんじゃないんだよ」
 その年月の長さに、青木は驚いたようだった。この男が第九に入ってきたのは3年前。その12年も前から小野田が薪を守っていたことを知って、自分に言い返す権利はないと悟ったらしい。青木は黙って小野田の話を聞いていた。

「I種試験のトップが捜一に入りたがってるって聞いて、面白い男だと思った。初めはあの外見だったから、きっと長持ちしないだろうと思ったけど、彼は次々に手柄を立てて。そのころからいい根性してたよ。先輩のシゴキにも耐えて、実力で外野を捻じ伏せた。2年後に警視になったときには、誰も彼を貶めようとするものはいなくなってた。
 26のときに特別承認の話をして、27で彼は見事に警視正になった。箔付けにロスに研修にも行かせて、第九の準備室長にして。自分と比較してごらん。考えられないだろ? 彼は天才だよ。きみみたいな凡人とはレベルが違う。進むべき道が違うんだ」
 青木はじっと小野田の目を見て、小野田の気持ちを理解しようと務めている。耳が痛いことを言われているのに、それでも誠実で素直な態度を崩さない。人間としては好感が持てる相手だが、そこで手を緩めるわけにはいかなかった。

「ぼくがどうして薪くんの不利益な噂を放っておいたかわかる? ぼくの愛人だって噂があれば、よっぽどのバカじゃなければ彼にちょっかい出したりしないだろ。あの噂は薪くんを守ってたんだよ」
 たまに間宮みたいなバカがいるけど、と小野田はこころの中で付け加える。ぺニンシラホテルの一件や第九に仕掛けられたCCDカメラの真相を、青木は知らないはずだ。
「でも、相手がきみなら話は別だ。あの容姿だからね、薪くんを手に入れたいと思っている人間、あるいは陥れようとしている人間はたくさんいるんだよ。そいつらが団体で押しかけてくるよ。そうなったらどうするの? きみにだって職務があるよね。24時間薪くんを見てるわけにもいかないでしょう。
 警視長に昇任すれば、薪くんは警察庁に帰ってくる。嫌でも君の目の届かないところに行くんだよ。それとも君も警察庁に異動願いでも出してみる? そんな異動はもちろんぼくが阻止するけどね」
 「薪さんが、警察庁に?」
 自分で昇格試験を勧めておいて、その後のことを考えていなかったらしい。なんて考えの浅い男だ。未熟すぎる。

 薪もどうしてこん未熟(あお)い男を選んだのだろう。もう少ししたたかな人間だったら、別の説得の仕方もあったのに。転属や昇任をちらつかせるとか、実弾(現金)を握らせるとか。それができれば、もっと話は簡単だったはずだ。
 
「薪くんは過去に大きな事件を起こしてる。あのときは大変だったんだよ。薪くんがどうしても室長を降りたくないって言うから、外野を黙らせるためにぼくは大切なカードを3枚も手放したんだ。おかげでぼくの次長昇任の話はなくなった。っと、これは薪くんには内緒だよ。彼が知ったらまた気にするから」
「小野田さんて、薪さんのこと……?」
「愛してるよ。きみのとは種類が違うけどね。きみみたいに、彼と寝たいとは思わない。彼には絶対にぼくの跡を継がせるんだ」
 小野田は青木に負けないくらい、薪のことを大切に思っている。
 性欲に結びつかない愛なんか、この世にごろごろしている。若いうちはそれに気づかないだけだ。

「薪くんのやる気を引き出してくれたことには礼を言うけど、それ以上のことは余計だよ。きみの役目はここまでだ、青木一行くん」
 懲戒処分を言い渡すときの感情を切り捨てた口調で、小野田は命令した。
「薪くんとは別れなさい」
「いやだと言ったら?」
「どんな手を使ってでも引き離すよ。もちろん、薪くんは泣くだろうけど。
 でもね、もしきみたちのことが世間にばれて、痛烈なバッシングに晒されることにでもなったら薪くんはどうなるの? 世間の批判はね、きみじゃなくて階級の高い薪くんに集中するんだよ。その理屈は分かるだろ?」
 青木はこくりと頷いた。その可能性については考察済みらしい。しかしそれに気付きながら薪とこういう関係になるなんて、小野田には身勝手としか思えない。

「薪くんは一度、マスコミや世間には酷い目に遭わされてる。毎日毎日レポーターや新聞記者に追い掛け回されて、顔も知らない人たちから嫌がらせを受けて。前のマンションはそのせいで追い出されたんだ。今のマンションだって、ぼくの紹介じゃなきゃ入れなかったんだよ。あの事件のとき、薪くんは本当に辛かったんだ。ぼくは二度と彼をあんな窮地に追いやる気はないよ」
 そこで小野田はとっておきの表情を作った。
「もう一度言うよ。薪くんとは別れなさい。ぼくが本気になったらすごいよ」

 すべての感情を切り捨てた、能面のような無表情。いつも穏やかに微笑んでいる小野田がそんな顔をすると、大概の相手は絶句する。
 が、氷の警視正のブリザード攻撃で鍛えられた第九の捜査官は、苦笑交じりに応えを返してきた。
「薪さんの口癖って、小野田さんから伝染ったんですね」
 肝は据わっているらしい。開き直ると強いタイプだ。これは意外と手こずるかもしれない。

「ぼくが今日きみと話した事は、薪くんにはくれぐれも内緒だよ。薪くんの性格、知ってるだろ。自分の保身のためにきみを悲しませるような真似をするくらいなら、自分からカミングアウトしかねないよ。そしてあの澄ました顔で嘘を吐くんだ。自分が室長の立場を利用して、きみを無理やり行為に及ばせたんだって。で、薪くんだけが悪者になるんだよ」
「はは、やりかねないですね。あのひとなら」
「だろう?」
「分かりました。よく考えてみます」
「あまり時間はあげられないよ。長引けば長引くほど、危険性は高くなるんだ」
 深く頭を下げて、青木は官房室を辞した。第九の職員はみなそうだが、警察官にしてはお辞儀が深い。室長の影響だろうか。

 警察庁の玄関から研究所までの道を歩いていく背の高い後姿を睨みながら、小野田は冷酷な管理者の目で呟いた。
「ここまで育てたんだ……潰されてたまるか」






*****

 
 うふふ~、楽し~~。(←人間の心なんかとっくに捨てました)
 





テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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鍵コメの☆☆☆さまへ

いらっしゃいませ~~(^^

>うっひょー、小野田さん、厳しい~。でもさすが大人、正論過ぎて逆らえません。

えへへー、思いっきり壁になってもらいました~。

で、☆☆☆さま、仕方ないって、
ちょっと、もしもし、あおまきすとさんっっ!!!(爆笑)


>うふ、青木が苦しむの楽しいのー。

あ、やっぱり?わたしもです♪

>ああ、でも薪さんが泣くのは辛いなあ。

そうなんですよ、わたしもです! (だったらなぜ書く?)

>小野田さん、相手が鈴木さんだったらOKだったのかしら??

うひゃひゃひゃ!!!
ぼくの薪くんを頼んだよ、てな具合に両手を握られちゃったりして?
青木くん、徹底的にカワイソウ♪

Sさまへ

いらっしゃいませ、Sさま~~(^^

>そうかあ~。青木へは、こういうイジメ方もあったんですね~。

うはははは!!!
Sさまったら、青木くんイジメには必ず食いついてらっしゃいますね!(笑)
えへへ、波乱万丈の第3部の幕開けでございます。


>さすがドSの女王様ですね!!

きゃはは、女王様って、
先日のすぎさんのSS、思い出しちゃいました(すぎさん、ごめんなさい)
青木くんて、S心をそそるんですよね~(←ドヘンタイ)
さあ、これからもバンバンいじめるぞ! (いつか青木さんファンに刺されるかも・・・・(^^;))

ありがとうございました♪
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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いつの間にか9歳になってました。( ゚Д゚)
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