執行猶予(8)

 こんにちは~。

 先日、みなさまからのあたたかい『ぽちっとな』が8000を超えました!
  。.:*・゚☆\(^-^ )♪ありがとうございます♪( ^-^)/☆゚・*:.。

 (↑ 顔文字って難しい。しかも作るのにすごい時間掛かる。年寄りにはついていけない新しい文化ですね(^^;))


 お礼のSSは、以前のリク投票で3位を獲得した『間宮部長の桃色日誌』で、ってそんなもん公開したらFC2から強制削除を食らいますので~~、 ノーマル路線の間宮×薪のSSを公開しようと思います。
 こちら1月に書いたばかりなので、またもや現在のお話とは文体が違ってるんですけど、(読みづらくてすみません)
 どうかよしなにお願いします。



 それでは、お話のつづきです。






執行猶予(8)







 土曜日の官房室で、小野田は第九の新米捜査官の来訪を受けた。
 この役職に就いてから、小野田には週末というものが存在しなくなった。土曜も日曜も仕事仕事。我ながら、よく過労死しないものだ。
 青木は、小野田が金曜の昼に出した課題を提出しに来たらしい。メガネの奥の黒い目が、強く真っ直ぐに小野田を見ている。その真剣さは、いつも真っ向からぶつかってくる亜麻色の瞳といい勝負だ。
 果たして彼の解答は、小野田の過労死の危険を倍増させるものだった。

「薪さんから言い出さない限り、オレは絶対にあのひととは別れません」
 
 書類を伏せて、問題児の顔を睨みつける。昨日あれだけ痛めつけてやったのに、その翌日こんな目つきができるとは、この男は大人しそうに見えて意外としたたかなのかもしれない。まあ、そのくらいの根性が入っていなかったら警察官僚など務まらないが。
「事が公になってからでは遅いんだよ。マスコミを甘く見たら」

 言い募る小野田の前に、一枚の事件調書が突き出された。
 事件発生は4月18日の土曜日、午後6時32分。邪な欲望を抱いて薪警視正宅を訪れた部下の青木警部が、彼を刃物で脅迫。暴力的に関係を持った。更にそのことを署内に言いふらすと脅迫を重ね、事件発覚まで肉体関係を強要し続けた。
 調書によると薪は完全な被害者で、この関係は加害者側の一方的な劣情によるものだ。薪は加害者に対する情愛の一片たりとも持ってはおらず、よって和姦は成立しない、と明記されている。

「それは官房長に預けます。もしも官房長が心配なさっているようなことになったら、それを使ってください」
 被害者の欄に薪の署名がある。本人が書いたわけはないから、これはおそらく薪のサインの上に紙を被せてトレースしたものだろう。
「これ使ったら、きみは刑務所に入ることになるけど」
「構いません」
 一欠片の迷いもない。よく考えてきたらしい。

「勝手なことを言いますけど、そうなったときは後のフォローはお願いします。あのひとが馬鹿げた行動に出ようとしたら、官房長のお力で止めてください」
「本当に勝手な男だね」
 しかもバカで、考えが浅い。こんなものを敵に渡すなんて、関係の発覚を待たずに、小野田がこの調書を使う可能性を考えなかったのだろうか。
「これが事実として公表されたときの、きみの親御さんたちの心痛は考えなかったの? 警察に入るときに、保証人になってくれた叔父さんのことは? 大切なひとたちに、肩身の狭い思いをさせることになるんだよ」
「もちろん、考えました。だけど」
 メガネの奥の瞳が、軽く伏せられる。しかし、それはほんの一瞬のことで、すぐに強さを取り戻した眼光が小野田を貫いた。
「それでもオレは、あのひとと別れることはできません」

 小野田は若い男の顔を改めて見た。
 純粋な目をしている。他人を疑うことを知らない目だ。警察機構には相応しくない。薪の相手を選ばない正義感とどっちが厄介だろう。

「ひとつ聞きたいんだけど。この調書にある日時は事実?」
「はい」
 少し赤くなって青木は頷いた。
 バカ正直な男だ。本当に薪との初めての日を記入したらしい。

「下がっていいよ」
 結局は似たもの同士なのかもしれない。能力には大分差があるが。
「きみの覚悟はわかった。でも、認めたわけじゃないからね」
 冷酷な小野田の言葉に青木は深く頭を下げて、官房室を辞した。

 青木がいなくなってから、小野田はある所に電話を掛けた。それは日本ではなかったが、電話に出た相手に小野田は日本語で話しかけた。
「中園? ぼくだよ。今、いいかい。え、ダメ? ベッドの中でかわいこちゃんが待ってる? それは待たせといてよ。ぼくの天使に関する相談なんだからさ」
 誰かに負けず劣らず自分勝手なことを言って、小野田は送話口で事情を説明し始めた。



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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