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バースディ(2)

 ほんっとーに、ほんとーに下品なので、普通の女の子は読まないでくださいねっ!(←じゃあ公開するな←だってこの辺で覚えてくれないと、8月の話がポシャるから……)
 公開したらすぐに逃亡します、すみません。(ピンポンダッシュならぬ公開ダッシュ) 

 それと、この章長いので、携帯でダウンロードしきれなかったらご連絡ください。すぐに対応します。







バースディ(2)






「さっきからなにやってんだ? おまえ」
 先刻から続いている不快な刺激に、薪はとうとう我慢しきれなくなって起き上がった。
「お願いですからじっとしてて下さいよ。どこまで試したかわかんなくなっちゃいます」
 困ったような顔をして、薪の恋人が懇願する。
 彼は薪よりもずっと大きな身体をしているのに、その態度はとても丁重だ。それもそのはず、青木は部下なのだ。

「試すって、なにを」
 青木が何をしたいのか、薪にはさっぱりわからない。
 さっきから、青木はずっと薪のバックに指を忍ばせている。そこ以外は指も触れてこない。薪が、というか男が悦ぶところは知っているはずなのに、その部分はほったらかしだ。
「てか、気持ち悪いから早く済ませろ」
「気持ちよくないですか?」
「ぜんぜん」
「……オレが下手なんですかね」
 青木は黙り込んだ。
 黒い瞳を右側に移動させて、口をもごもごさせている。言おうかどうしようか、迷いに迷っている表情だ。
「言いたいことがあるなら、はっきり言え」
 薪が促すと、青木は言いにくそうにぼそっと言った。
 
「鈴木さんて、どうでした? 上手でしたか?」

 わからない。
 鈴木とは、こんなことはしなかった。
 裸になって抱き合って、そのまま自然に結ばれて……痛かったけど、恥ずかしい思いはしなかった。自分は男で、鈴木を視覚的に楽しませることはできないと分かっていた薪は、明るい場所でのセックスを避けた。こんなふうに局部を相手の視線に晒すこともなかったし、ましてやそこにキスしたり口に含んだりすることもしなかった。お互いの手で触りあって、インサート前の前戯はそれで充分だったし、AVみたいなはしたない真似をしたいとも思わなかった。
 それが普通だと思ってた。だって、僕たちは男同士だし。だから、青木があんなことをしてきたときには本当に驚いた。ありえないと思った。
 びっくりしたけど、あんな快感は初めてだった。女の子に口でしてもらった経験はあるけど、後ろを愛撫されたことはなかった。ぬめった舌が中まで入ってきて……すごくよくって、耐え切れなくて、勝手に腰が動いて恥ずかしい声が出てしまった。後で思い出して死にたくなったけど、またしてくれないかな、なんてちょっとだけ思ってしまったことは、青木には絶対にナイショだ。

「鈴木はおまえの10倍はモテたからな。テクニックも凄かったぞ」
 自分を悦ばせようと懸命に努力している恋人に、それをそのまま言ってやらないところが薪の意地悪、もといプライドの高さ、てかそんなこと言えるか。
 
「そうなんですか? なんで顔が一緒なのに、こんなに違うんだろ」
「なに言ってんだ。おまえより鈴木のほうが、ずっといい男だ」
「薪さんが言ったんじゃないですか。オレが鈴木さんに生き写しだって」
「……よく見たら違った」
「今更そんな」
 ぶつぶつ言いながら、青木は行為の続きに戻る。おかしいな、薪さんには無いのかな、とわけの分からないことを言いながら指を動かす。
 無駄なことを、と薪は思っている。
 あの時はちゃんと前の方も触ってくれたから気持ちよかったけど、そこだけいじられても。本音ではそっちはいいからこっち、と口にしたいのだが、恥ずかしくてとても言えない。

 今日はこいつの誕生日で、やりたいようにやらせてやる約束だった。だから我慢していたのだが、というかてっきりセックスをしたいのだと思っていたから、痛みに耐える覚悟を決めていたのだが。

 青木の誕生日とはいえ、薪がこんな寛大な気持ちになったのには理由がある。
 2週間程前だったか、薪には少しショックな出来事があった。ベッドの最中に、相手のものを見てしまったのだ。
 こういう関係になってから2ヶ月も経っているのに、今までまともに見たことがなかったことの方が不自然だが、ベッドの中では殆ど目をつぶっているから、目にする機会がなかった、という言い訳が成り立たないこともない。
 しかし実際は、眼の方が見ることを拒否していたというか、できれば見たくなかったというか。とにかく薪は男の身体が好きではない。正直、萎える。固いし痛いし、抱き合うなら女の子の方が100倍うれしい。
 
「げ」
 目にした途端、思わず口から洩れた呻き声。もろに嫌悪感を含んだ声に、青木は気付いただろうか。
 薪はその時、そんなことを思う余裕も無かった。軽いパニックに襲われていたのだ。

 うそだ。
 こいつのって……グロイ。
 色もキショイしカタチも、なんか××が××してて、ホニャララ。(自主規制3)
 てかデカイ!
 言いたくないけど、鈴木のより大っきい。触ったときに僕より大きくて悔しいと思ったけど、こんなに大きかったなんて。
 こ、これが僕の中に?
 無理無理無理! 絶対に入らない。こんなんが入ったら、裂けるどころか壊れる!

「諦めよう。別にセックスなんかしなくたって充分幸せだろ、僕たち」
「なんで2ヶ月前に逆戻りしてんですか?」
 生命の危機を感じて思わず口から出た言葉に、青木が不思議そうに首を傾げた。

 痛いはずだ。
 あんなに大きかったなんて。これじゃ絶望的だ。
 こいつは確かに身体も心も大きくて、やらかしてくれることのスケールも大きいけど、こんなところまで合わせなくてもいいのに。
 なんだか泣きたくなってきた。このまま永遠に、まともなセックスができないのかな。
 ……女の子なら、こんなことないのに。
 どんなに細い娘だって、そこはちゃんと広がるようにできてて、新しい生命をこの世に送り出す誇らしい器官として、素晴らしい機能を持っている。男の僕が代用に使ってるところは、もともと排泄に使う器官なんだから、何かを受け入れるようにはできてない。
 どれだけ愛し合ったって、何も生まれてこない。男同士のセックスなんて、不毛この上ない。生物学的に見れば、ビニール製の恋人とセックスするのと変わらない。いや、社会的な不都合を考えると、まだビニールの方がマシか。

 どうしてこいつは、男の僕を好きになったりしたんだろう。正直、今でもよくわからない。こいつがどうして僕を選んだのか。
 やさしくもないし、素直でもない。男だから可愛いわけないし、抱き心地だって悪いはずだ。年だって一回りも違うし、一緒にいて安らげるとも思えない。僕なら、自分の上司とこんな関係になるなんて、まっぴらごめんだ。
 あらゆる面に於いて、女の子には勝てない。
 親を喜ばせてやることもできないし、子供も産んでやれない。それどころか、堂々と人前で手を繋ぐこともできない。
 青木を喜ばせてやれることが何もない状態なのに、肉の快楽さえ与えてやれないなんて。僕だったら願い下げだ。そんな恋人は、要らない。

 以前からこちらの方面はからっきし自信のない薪だったが、現実を知るに従ってますます自分の評価が下がってきた。だいたい男なんてものは、追いかけてる間は夢中になっていても、自分のものになると次第に冷めていく生き物だ。薪も男だから、その辺の心理は理解しているつもりだ。

 時間の問題か、と薪は思った。
 こいつはあとどれくらいで、僕を見限るのだろう。
 あとどれくらい、僕を好きでいてくれるのだろう。
 好きでいてくれるうちに、一度くらいはちゃんとセックスしたい。どんなに痛くてもいいから、僕の身体にその記憶を残して欲しい。恋人を満足させてやれたって、誇らしい思いを抱かせてほしい。
 そんなことを考えていたから、明日が月曜にも関わらず青木の申し出を受けたのだ。
 しかし、この状況は。
 すっかりアテが外れて、薪はため息と共に青木の献身を退けた。

「青木。あのな、悪いけど僕はそこは感じないぞ。ゲイじゃないから」
「そんなはずないです。必ずスポットがあるはずです」
「女の子じゃないんだぞ。そんなのあるわけないだろ」
「Gスポットじゃなくて、前立腺のツボがこの辺に」
 ゼンリツセン?
 山手線の親戚だろうか。

「無駄なことは止めてさっさとローションを……あっ!?」
 なんだ、今の。勝手に身体が跳ね上がった。

「あ、いまのとこですか?」
「え!? えっ?」
「ここ?」
 青木の指が奥の方をまさぐる。
 薪は唇を噛んだ。青木の指は太くて長くて、奥まで入ってくると1本でもけっこう痛い。
「こっちかな」
「ふあっ!」
 青木の指が再びそこを捉えた瞬間。
 頭の中がスパークしたみたいだった。意識が真っ白になって、何も考えられなくなった。
 こいつが僕より12歳も年下だとか、部下のクセに生意気だとか。ベッドの中で僕をリードするなんて100年早いとか思ってたのに、そんなことはどうでもよくなってしまった。

「ひっ!」
 アソコがぐんぐん張り詰めてくるのがわかる。押し上げられる感覚。
 身体中の血が逆流するみたいに体温がどんどん上がって、熱くてたまらない。その部分から身体中に震えが走って、背中がびくびくと跳ねた。
 やわらかいくちびるとねっとりした舌にしゃぶられて、堪らず射精した。ぎゅぎゅっと後ろが締まって、青木の指をリアルに感じる。その感覚が薪をまたおかしくした。
「やっ、あああ――ッ!!」

 そのときに、こんなに大きな声を出してしまったのは、生まれて初めてだった。息がうまくできない。心臓が破裂しそうだ。
 自分でも信じられない。
 こんなところがこんなに感じるなんて。僕はゲイじゃないのに。
 青木の指が眼の縁をそっと撫でる。拭われて気がついた。涙が出てる。
 ……感じすぎて、涙?
 うそだ、そんなバカな。僕は変態じゃないのに。

「いやだ……いやだ、こんなの。僕はこんな……僕はゲイじゃないのに」
 恥ずかしさに顔を隠してしまった薪に、青木の声が降ってきた。
「ゲイじゃなくても感じますよ。オレだってこうなりましたもん」
 青木の告白に、薪は驚く。今のと同じ経験をしたことがあるというのか?
「なった? 試したことあるのか?」
「はい。ずーっと昔の彼女とですけど」
 彼女? いま青木が僕にしたみたいなことを、女の子がこいつにしたのか?
「……すごい女と付き合ってたんだな」
「彼女、オレより20歳年上でしたから」
 彼女がやったこともすごいが、20歳離れた女を抱こうというこいつもすごい。自分の母親とセックスしてるようなもんじゃないか。

「もっとも、ここまで大きな声は出しませんでしたけど」
 自分の乱れた様子を指摘されて、薪は赤くなる。
「初めてだったから……少し驚いただけだ」
「そうですか? じゃあ、2回目はじっくり味わってくださいね。さっきはいくらなんでも早すぎましたから」
「今日はもうこれで終わりだ。僕が2回できないの、知ってるだろ」
「大丈夫。イケますよ」
 青木の指は、まだそこに入ったままだ。早く抜いてくれないと、なんだかまたおかしな気分になってきて……。

「ムリだ。それより、おまえのほうを早く済ませろ。明日は早朝会議、ひゃうっ!?」
 その部分を刺激されると、腰の辺りが痺れて背中がぞくぞくした。まるで電気椅子に掛けられたように、自分の意志に関係なくからだが動いた。
「あ! あ!」
「ほら。大丈夫でしょ」
 自分の手で触らされて、その事実を確認した。
 うそだ、こんな。ソープの女の子があんなに頑張ってくれてもダメだったのに。

「オレがやってあげますから」
「だ、だめっ……ああっ、やっ、あっ!」
 青木を押しのけようと伸ばした腕が、いつの間にかしっかりと彼の背に回されている。
 何かに縋っていないと、身体がどこかに飛んでいってしまいそうな浮遊感。激しい渦に巻き込まれて、錐揉み状態で落下していく感覚。
 気が付いたときには、渾身の力で青木の背中に抱きついていた。

「ああああ!」
 青木がなにか言っているが聞こえない。
 耳に響く声が恥ずかしくて、口に触れた何かに思い切り噛み付いた。噛み締めて声を殺す。が、その努力はいくらも続かなかった。

 再び襲ってくる奔流に飲まれて。
 薪は泣き叫びながら二度目の絶頂を放った。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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