トライアングル(17)

 いよいよ明日ですね。 
 もう、気が気じゃないです、
 偶数月の28日は審判の下る日。(オオゲサ)

 今朝は思わず、仏壇に薪さんの無事をお祈りしちゃいましたよ。(笑)



 昨日、過去作品に拍手をくださった方、ありがとうございました。(^^
『ウィークポイント』から『岡部警部の憂鬱』くらいまで、続けて読んでいただいたのかしら。 
 ありがとうございました、とってもうれしかったです!






トライアングル(17)








 曽我が発見した犯行現場の画が動かぬ証拠となって、犯人が確定した。第九の仕事はここまでだ。捜一へデータを送り、捜査は終了した。
 事件のスピード解決を祝って、職員たちは行きつけの居酒屋に繰り出した。いつものように軍資金を渡して帰途についた薪は、自宅のマンションの前で自分を待つ人影に気付いた。
 その人物に声もかけず、薪はエントランスをくぐった。二階への階段を登る。彼は当然のように薪の後をついてきて、一緒に部屋へ入ってきた。

 玄関の鍵を閉めて、何も言わずに擁きあう。
 コーヒーの匂いがする広い胸。薪の手が回りきらない大きな背中。自分を抱きしめる、長くてたくましい腕。
 亜麻色の瞳が涙で滲んだ。

「青木っ……」

 失いたくない。
 この男を失いたくない。
 これは恋とは違うのかもしれないけれど、僕は青木と離れたくない。

「ずっと僕の」
 そばにいて欲しいと言おうとしたくちびるを、危ういところで噛み締める。
 それは言ってはいけない言葉だ。
 望んではいけない未来だ。

「もうオレ、覚悟決めましたから」
 薪の頭の上で、力強い声がきっぱりと言った。
「あなたにかけて誓います。薪さんが誰のことを好きでも、鈴木さんのこと一生忘れられなくても、オレはずっとあなたのことを好きでいます。ずっとあなたの傍にいます」
 できもしないことを簡単に言うな、と怒鳴りつけてやろうとしたが、込み上げてくる慟哭が喉を塞いで、声が出ない。

「あなたがそれを許してくれるなら、オレは」
 薪は両手で青木の頬を挟んだ。
 言葉の代わりに、強くくちづける。禁句を口にする愚かな男の口を封じるには、この手しかない。

 言葉は要らないと思った薪の気持ちを解ってくれたのか、青木はそれ以上、語ろうとしなかった。言葉の代わりに、行動で想いをぶつけてきた。
 キスをしながら服を脱がされ、ベッドに運び込まれた。やさしくて情熱的な愛撫に燃え立たされ、追い詰められて突き落とされた。
 自分を愛してくれる証が、薪のすべてを求めて猛り狂っていた。薪は喜びを持ってそれを受け止め―――――ようとしたのだが。
 
「痛い!! ムリだっ、今日はムリ!」
「え? こないだはあんなにすごかったのに?」
「その気にならないとぜんぜん感じないんだ! 」
「なんでこんなに盛り上がってるのに、その気にならないんですか!?」
「心と下半身は別だ!」
 ひどい。
 たしかに男というのはそういう生き物だが、ここまで忠実にそれを体現しなくても良さそうなものだ。
「こないだは、そういう時期だったんだ。おまえだってあるだろ、やたらと欲しくなるときっていうか」
 もちろんある。薪といるときは、常にその状態だ。
「薪さんの発情期って、次はいつ来るんですか?」
「3年後くらいかな」
「……オレって、彦星より可哀相ですよね」
 背後の男がベッドから抜け出す気配がする。そのまま寝室を出て行く。きっといつものように、蒸しタオルを作ってきてくれるつもりなのだろう。

 しばらくして帰ってきた青木は、寝室の明かりを点けて薪に温かいタオルを渡した。明るいところで改めて青木を見て、その体のあちこちに痣があるのに気づき、薪は不思議に思った。
「どうしたんだ、その痣。脇田課長にやられたのか?」
 岡部が研修中の間、柔道のコーチは5課の脇田に頼むと言っていたが、脇田の訓練はそんなに厳しいのだろうか。
「少し手加減してくれって、僕から脇田さんに言ってやろうか」
 脇田が率いる5課は、主に暴力団絡みの事件を扱う部署だから、岡部よりも荒っぽくなるのは仕方がないとはいえ、これが彼のシゴキによるものなら問題だ。青木は現場に出ないのだから、ここまでのハードトレーニングは必要ないはずだ。

「いえ、違います。脇田課長は岡部さんより優しいくらいです」
「じゃあ、どうしたんだ?階段落ちでもしたのか」
「先輩たちにフクロにされました」
「なんで」
「……昼の弁当が、グシャグシャになってて」
「買出しもまともにできないのか、おまえ」
 だれのせいですか、と口の中でぶつぶつ言っているが、薪に心当たりはない。

「それでよくあんな異動願いが書けたもんだな」
「確認印を押したのは薪さんですよ」
 それは覚えがある。
「じゃあ、早速仕事をしてもらおうか」
 何を言われるかと緊張を孕んだ男の顔を意地悪く見上げて、薪は命令した。

「僕の抱き枕になれ」




*****


 目指せ、秘密界一ジコチューな薪さん。て、既に達成してるような。(汗)



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Kさまへ

こんにちは~、Kさま。
Kさまはもう、8月号をゲットされたかしら・・・・・はあ、どきどきしますねえ(><)


>ブハハッ(^0^)さすがは、しづ様薪さん!!
>ここまで盛り上がっているのに「今日はムリ」ですか?!
>も、最高です!!ざまーみろ!青木!!です♪

はいっ♪
ここは思いっきり笑うところです! どんな非道なお話でも、ギャグは必要ですよね(←書き手が一番非道)


あらら、Kさま。
とうとう自覚されましたか(笑)
認めちゃうと楽しいですよ、Sって。 開き直りとも言いますが。(^^;


>メロディの発売日もドキドキわくわくですが、こちらのお2人にも同じくらいドキドキわくわくでした。

もったいないお言葉・・・・・・・でも、うれしいですっ!
気に掛けてくださって、ありがとうございます!


>娘に「お母さん、毎日楽しそうだね」と言われてしまうくらい、PCに向かってヘラヘラしていたんですね、きっと。

まあ、娘さんに?
ああ、うれしいなあ・・・・・・Kさまに楽しんでいただけて・・・・・公開して良かったです!
反対のご意見も、きっとたくさんあったと思うんですよ、だって、ねえ。(^^;
だけど、こんなふうに楽しんでくださる方もいらっしゃるとわかれば、これからも迷うことなく公開できます。
次のセカンドインパクトをお楽しみにっ♪ 


>〆はどんなでしょうか?わくわく

展開が激辛でしたので、〆は甘く、そして少しだけ切なくしてみました。 
次のお話の伏線もありますのでね、スッキリサッパリというわけには行きません。ドSのサガと申しましょうか(笑)


公開中、何度もコメをいただいて、本当にありがとうございました。
とても励まされました・・・・・!
これからもよろしくお願いいたします!!
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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おかげさまで8歳になりました(^^♪
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