ロジックゲーム(1)

 こんにちは。
 寒くなりましたね~。 みなさん、お風邪など召されていないとよろしいのですが。


 先日『クッキング』というお話を書き上げまして。
 わたしにしては珍しく、ホント赤い雪が降りそうなくらい珍しい、男女のラブコメでございます。 うちの男女のカップリングと言うと雪子さんと竹内しかおりませんので、これはその二人の馴れ初め話です。
 なんでこんなの書きたくなったのかというと、『君に届け』に嵌りまして。
 あのお話、すっごくいいですよね~。 いっぱい泣いて、いっぱい笑いました。 爽子ちゃん、かわいいです。 誰かにすっごくよく似てる。 あの奥ゆかしすぎる考え方が、誰かに。(笑)

 上記のSSは公開する気がないのでそれはどうでもいいのですけど、(だって誰も読みたくないだろうし) このお話でページ数が2000を超えたのですよ。 なので、ご報告をと思いまして。

 
 いつもご訪問、ありがとうございます。
 読んでくださる方々がいらっしゃるから、書き続けられるのだと思います。
 昔、ブログを開く前は、薪さんが好きで好きで書いてたんですけど、今はどうだろう。 もちろん薪さんが好きなことに変わりはないのですが、書くこと自体が楽しいのと、読んでくださる方がいる、と思えることが、より大きな原動力になっているような気がします。
 の、割には相変わらず独りよがりなお話ばっかりですけどね。(^^;


 引き続き、お付き合いくださいますよう。
 これからもよろしくお願いいたします。
  




 こちら、本編に戻りまして、ついでに時間も巻き戻りまして、2063年10月頃のお話です。 セカンドインパクトの前に前振りを入れておきたくて、後から書き足しました。
 甘いお話になったと思います。 てか、何も起きなくてつまんない?
 すったもんだは次の『スキャンダル』をお楽しみに。 うけけっ!(←アクマ)

 




ロジックゲーム(1)





調査報告書1

『ターゲットMに関する報告書(抜粋)』

 生真面目で職務に忠実。職務遂行中は常に冷静沈着だが、その反面、部下に対する指導は厳しく、行き過ぎた暴言もしばしば。部下の評判、極めて悪し。
 皮肉屋、冷血漢、高慢等の悪評多数。下階級のものには恐れられ、上階級のものには疎ましがられている。総じて、人付き合いは苦手。
 捜査に於ける推理能力は正に天才的。が、内容によっては上層部に反抗的な態度を見せることもあり、大いに問題視されている。その鋭敏さは警察機構に置いては諸刃の剣。


『ターゲットAに関する報告書(抜粋)』

 真面目で職務に忠実。上司の命令には無条件に従う従順さを持つ。大人しく、粘り強い性格である。
 明朗快活、温厚、気配り上手など、同僚の評判はすこぶる良い。人懐こく、年上に可愛がられるタイプ。友人は男女を問わず多数。
 争いを好まない平和主義者。気弱そうに見えるが、時に大胆。無謀ともいえる捜査方法で、周囲を唖然とさせた経歴あり。捜査能力に光るものはあるが、未だ未知数。


『MとAの関係に関する報告書(抜粋)』

 AはMのマンションを週2~3回の割合で訪問している。週末には泊ることもあるが、それは同じ部署の先輩Oと一緒のときであり、単独でMのマンションに泊まることは極めて稀である。
 職務中は、厳しい上司に従順な部下。それ以外の気配は読み取れない。プライベイト時にもふたりがそれらしき行動を取ったことはない。彼らの会話からは、少し砕けた友人同士以外のものは聞き取れなかった。観察中に身体的な接触を持ったことは一度もない。
 よって、ふたりの関係はすでに解消されているか、冷めている可能性が高い。



*****




「だから、大丈夫だって」
 受話器から聞こえる親友の心配そうな声音に、中園は少しだけうんざりしながら応えを返した。
『なにが大丈夫なんだよ』
 海を隔てた故郷にいる親友の声が、僅かに尖る。中園の声に含まれた面倒そうな響きを感じ取ったのかもしれない。鋭いやつだ。

『半年後にはぼくの憂いはなくなってるだろう、って言ったのはどこの誰だい。1年経っても、彼らの関係は続いてるよ。どうしてくれるんだ』
 どうしてくれる、と言われても。
「ちょっと待てよ。彼らが別れないのは僕のせいだって言うのか?」
『だっておまえが言ったんだよ。男同士のカップルなんか自然に冷めるのが当たり前だから、放っておいても大丈夫だって。全然大丈夫じゃないよ、なんとかしなさいよ』
「なんとかって」
 なんてあからさまな言いがかりだろう。手術前の医者の励ましの言葉を言質にとって裁判を起こす連中よりひどい。
 それでも、彼は中園の上司だ。上司に忠誠を尽くすのは警察官のさだめだ。

「じゃあ、僕がそっちで動けるように便宜を払って」
『それはできない。職務以外のことで人事を動かすわけにはいかない』
 相変わらず無茶苦茶な要求をするやつだ。
 現在、中園がいるのはロンドン。親友の憂いが存在するのは日本。互いの位置関係はそのままに、自分の憂いを払えと言う。

「小野田。僕は魔法使いじゃないんだよ?」
『おまえならどうにかできるだろ。調査報告書も何枚か、上がってる頃じゃないのか』
 まったく鋭いやつだ。ふたりにマークをつけていたことが、もうバレている。
 エージェントの手配をして、まだ1ヶ月ほどしか経っていない。しかも彼らはプロなのに。そのくらいでなければ、彼の役職は務まらないが。

「恐れ入りました。官房長のご慧眼、誠に素晴らしい」
 たっぷりと皮肉を含んだ口調で中園が言うと、小野田はいつものように無言で笑った。電話だから相手の顔は見えないが、中園には分かるのだ。
「お察しの通り、1回目の報告書が上がってきたところだ。報告書によると、彼らは冷めた関係になりつつある。放っておいても自然に別れるよ」

『本当かい? ぼくの眼には、そうは見えないけどなあ』
「おまえはこっちの方面は素人だから、彼らの実情が理解できないんだよ」
『でもさ、薪くんがとっても生き生きしてるんだよ。笑い顔も多くなったし、穏やかになったし。これって、恋人とうまく行ってる証拠じゃないのか』
「10年前の薪くんも、生き生きしてたよ。あの頃は、特定の恋人はいなかったはずだろ。恋人なんかいなくたって、友人と仕事で充分に満たされる。彼は昔からそういう子なんだろうよ」
『そうかなあ』
 調査報告書の中には、詳しい会話の記述もあった。職場でのものらしかったが、その中の薪のセリフは、ミスをした部下を必要以上に叱責する意地悪上司以外の何者でもなかった。
 どんなに公私混同をしない人間でも、意中の相手にはいくらか点が甘くなるものだ。ましてや恋人ともなれば、例え部下の手前厳しい言葉をぶつけたとしても、必ずフォローがあって然るべきだ。この報告書の記載が正しければ、フォローどころかトドメだ。青木くんとやらは、良く我慢している。

 時間の問題だろう、と中園は考えている。
 青木は若い。最初は年上の魅力にクラクラときても、やがて現実を知る。12歳も年上の男、趣味も合わないだろうし、セックスだって満たされないはずだ。年上の強みと言えば、大人の包容力と年長者ゆえの優しさだが、肝心の薪がこの調子では。青木の忍耐が切れるのも、そう遠くないだろう。
 
 中園は報告書に添付された2枚の写真のうち、1枚を取り上げて目の前にかざす。亜麻色の大きな瞳、意志の強そうなきりりとした眉。丸く幼げな頬とつややかに光るくちびる。10年前とまるで変わらない。
 この写真には驚いたが、中身は間違いなく38歳の男だ。肌の張りも身体の機能も、20代の青木が満足できるとは思えない。

 大丈夫だよ、と言いかけて、中園は報告書に記載された最後の一文を目に留めた。
『但し、これはあくまで観察可能な屋外における彼らの行動から推察される結果であり、密室の中の彼らの行動を視認したものではない』
 それからもう一度薪の写真を見て、諦めたように言った。

「おまえがそんなに心配なら、ちょっとだけ動いてみるよ」



テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Cさまへ

Cさま、こんにちは。
コメントありがとうございます(^^

お褒めいただいて光栄です。
わたわたする薪さん、ええ、そうですね、こういう展開だと、当然予想される彼の姿なんですけど~~、
なんか今回は異様に落ち着いてしまって・・・・・・これ、10月に書いたばかりなんですけど、どうも原作の影響があったみたいで、ドタバタコメディにならなかったんです。 本当に、もっと色々悩んだり焦ったりしてもいいようなシチュエーションなのに。
楽しみにしてくださってるのに、ヘタレ話ですみません(>_<)

どうか生ぬるい眼で・・・・・・
ひたすらCさまのやさしさにすがります。 よろしくお願いします。

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Yさまへ

Yさま、いらっしゃいませ~!

Yさまは携帯で読んでくださってるんですね。 ありがとうございます(^^
はっ・・・・・携帯・・・・・・・不愉快な広告入っててすみません~~~! あれ、消せないんですって。 ごめんなさい(TOT)



> 前書きとこの内容を読んだ途端心臓がバクバクしました!!!
> これってセカンドインパクト(エヴァみたい)に続くんですよね?

ですです。
もろ、エヴァです。
ファーストインパクトは『トライアングル』
セカンドインパクトは『スキャンダル』
サードインパクトは『タイムリミット』です。
どの話もあおまきすとさんは立ち入り禁止で・・・・・・・すーみーまーせーんーーっっ。


> そのタイトルがスキャンダルって!!! 皆にばれちゃうんですか?

はい~。
証拠写真までばっちりと☆


> 薪さんがまたぐるぐるして泣いちゃいますね。。。ハッピーエンドと分かっていてもまた心臓に悪い日々が始まるのですね。。。(遠い目。。。でも楽しみに読んじゃうんですけど)

心臓に悪い日々!!(爆笑しちゃ・・・・・すみません(^^;))
そ、そうですね、心臓の弱い方は読まないでくださいって注記を・・・・・・げらげら☆(←ひとでなし)
そんなに心配しなくても大丈夫ですよ~、ちゃんとハッピーになりますから~(←信用度ゼロ)


> せめてこのお話は「甘い話になったと思う」とのしずさんのお言葉を信じて甘甘を堪能させていただきたいと思います。(←次のお話のことを考えると気が気じゃない)

甘いというか、ヌルイというか、ぶっちゃけちゃうとつまんないんです、すみません。
パンチが足りないというか、「しづも年を取って弱気になったね?」的な話になってしまったような。 
どうか、生暖かく見守ってください。(^人^)



> それとクッキングについて。
> 薪さんと鈴木さんの次に好きな光の君が幸せになる話ですから読みたいです~。(あれ、青木は?)

!!!
本当ですか!? てか、光の君って!(笑)


>いや、光の君が人のものになるというのは正直なところ微妙なんですが。。。
>こちらの青木さんは薪さん命で離しそうにないし、薪さんも青木さんが好きだからこのままじゃ光の君は幸せになれない、でも薪さんをずっと思っていてほしかったという複雑な乙女もとい腐女子ゴコロが交錯しております。


ずっと薪さんを想っている竹内がいい、というオトメゴゴロ、なんですね。
わかります~~、自分の作品ではありませんが、KのんさんのとこのFォスターさんが結婚しちゃったとき、かなーりフクザツでしたからね~~。
まあ、うちのは初めから雪子さんの結婚相手に用意したんですけどね。 てか、薪さん、竹内のことキライだし(笑)


> 私の中では原作の青木さんがあまりにフラフラしているので、原作の薪さんのお相手は鈴木さんか光の君がいいなあ、と思っているのです。

原作薪さんのお相手!?ですか??
あー、確かに青木さんがああも不甲斐ないとねえ。 
しかし、原作の薪さんは恐れ多いです。 オリキャラとどうこうしようなんて、思えないです~~。
うちの竹内には荷が重すぎです。 男爵の相手くらいがちょうどいいんですよ~(^^


> しずさんのところの青木さんと薪さんはラブラブ(?)だし雪子さんは素敵な女性だから光の君のお相手は雪子さんがベストなのですが、原作の雪子さんは鈴木さんも青木さんも手に入れ、しずさんとこの雪子さんは光の君を手に入れてしまうなんて、ずるい~、薪さんが可哀想(なんかちがう)とかちらっと思ってしまいました。

青木さんと薪さんはラブラブ、のあとに?マークが(笑)
まったく、うちのふたりはねえ(^^;

雪子さんがずるい、そうかもしれませんね。 
『クッキング』の中でも雪子さんは、女性の嫉妬を一身に集めておりました。

うちの話はともかく、原作の雪子さんは。
どうなんでしょうね? 
『鈴木さんも青木さんも手に入れた』のか、本当は両方とも心の底では薪さんを愛していたのか、どうも微妙なところだったような気もしますが。 そう考えると、雪子さんが可哀想すぎるかな。
ただ、そこは雪子さんの鈍感さにみんな救われているというか。 考えすぎですかね~。


> でも二人に幸せになってほしいというのは本当の気持ちなので、いつか公開してくださると嬉しいなあと思います☆

本当に?!
嬉しいです~~。
もちろんあおまきさんも出てくるんですけど、あくまでも脇役なので、公開を諦めていたのです。
でも、Yさまが読みたいと言ってくださるなら、公開しても叱られないかしら。


> それではロジックゲームの続きも楽しみにしています♪

はい!
Yさまに見放されないようにがんばりますっ。

ありがとうございました♪♪♪
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
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