スキャンダル(1)

 こんにちはっ。

 
 お待たせしました、セカンドインパクトです!(だれも待ってない)
 例のごとく、あおまきすとさんは避難、しなくても、今回は大丈夫だと思います。 たぶん。
 いや、読み直したら大したことなかったんで。 うん、ぜんぜん大丈夫。 今書いてるのに比べたら、なんてことない。(自社比というのは基準としてどうかと)


 えっと、これを書いたのは2010年の2月です。
 確か、玉里の下水道の推進工事の現場でネタ帳書いた覚えが。(←……)
 1年前なのでちょっと文章が、うーん、どうだろう。 読みづらかったらすみません。


 広いお心でお願いします。




スキャンダル(1)






 金曜の夜の電話は不吉だ。

 明日訪れる予定のテーマパークまでの道順を確認していた青木は、携帯電話の着信画面に表示された名前を見て複雑な気分を味わう。それは青木が、誰よりも聞きたいと願っている大好きな声の持ち主の名だ。しかし、彼がこれから語るであろう用件を察すると、憂鬱になってしまう。

 はい、と電話に出ると、思ったとおり恋人の沈んだ声が聞こえてくる。言い辛そうに口ごもり、それでもはっきり「明日は行けない」とデートの予定をキャンセルした。
「わかりました。残念ですけど、仕事じゃ仕方ないですね」
 相手も、好きでこんな電話をしてくるわけではない。それを青木は知っているから、せめて声に失望が滲まないように、なるべく明るい声で返事をする。
「じゃあ、また来週にしましょうね。楽しみにしてますから」
 時計の針は夜の9時。まだ薪は官房室にいる。私用電話は長くはできない。青木は自分から電話を切った。
 
 携帯を閉じ、その小さな機械から聞こえてきた愛しい声を思い出し、青木は深いため息を吐く。
 これで何回目だろう。
 今年、薪が官房室との職務を兼ねることが決まってから、恋人として過ごせる時間は皆無と言っていいくらい減ってしまった。アフターも土日も、薪のプライベートはその殆どが小野田に押さえられてしまっているのが今の状況だ。
 しかし、これはれっきとした職務だから、薪も一切文句を言えない。詳しいことは教えてくれないが、どうやら小野田は執務時間以外の時間を利用して、政界の人物と薪を引き合わせているらしい。将来のために顔をつないでおこうというわけだ。非公式な訪問だから、自然に公休日が充てられるのは致し方ない。

 最後に薪とふたりで過ごしたのはいつだったかな、と青木は考える。
 2月のバレンタインのときは薪の家で、楽しい夜を過ごした。チョコレート会社の戦略に乗る気はないと言いながらも、しっかりチョコレートケーキを作っていた彼が愛しくて、これは別にそういう意味じゃないから、と言い訳する赤い顔がかわいくて、ケーキはそっちのけで薪に抱きついた。チョコレートより甘い彼の肌に溺れて、夢中になって責め立てたら、薪は溶けたチョコレートのようにとろとろと蜜を垂らして青木を受け入れた。導かれてひとつになって、たまらない幸福感の中で一緒にあの瞬間を見て。
 覚えているのはそれが最後だ。今は6月だから、ええと……。

「4ヶ月かあ」
 こんなに長く薪とデートができないのは、初めてだ。正直、我慢できないくらい淋しい。
 こころも寒いけれど、ひとり寝のベッドも辛くなってきている。薪は淡白だから平気だろうけど、若い青木はそうはいかない。だけど、薪以外の相手となんて考えも付かないから、まだ薪と友だちだった頃のように自分を慰めるしかない。

「いつになったら、薪さんとデートできるのかなあ」
 アフターの1時間でもいいから会いたい。上司と部下でなく、恋人として過ごしたい。エッチできなくてもいいから、いや、本当はしたいけど、やり始めたら朝までノンストップでぶっ飛ばしてしまいそうだしって、そうじゃなくて。

 抱きしめて、愛してる、って言いたい。
 
 自分がそう言ったとき、亜麻色の目に浮かぶ満足そうな色、あの輝きを見たい。自分の言葉が彼の喜びを生むという確かな証拠。それを確認したい。

 青木は想像する。
 薪の意地悪そうな顔。抱きしめたらそれは一瞬怯んだ表情に変わって、でもすぐに長い睫毛を伏せて、ほんの少し頬を赤らめる。
 未だにおずおずと青木の背中に手を回す、何度身体を重ねても初々しさを失わない純情な恋人は、青木が顔を覗き込むと恥らうように拗ねるように、青木にきれいな横顔を見せる。
 その頬を手で包み、くちづければ彼はもう観念して、その花弁のようなくちびるを開いてくれる。中のかれを慈しみ、そこから洩れる吐息を奪う。薪の両手がしっかりと青木の背中に絡むのを感じて彼のくちびるを解放すれば、亜麻色の瞳は微かに震えて、言葉だけでは生まれ得ない歓びをその琥珀に湛える。

「あ」
 ズボンの前が急にきつくなって、青木は自分の若さを嘆く。
 肝心の相手がいないのに、どうして臨戦態勢に……。

 やばい。想像しただけでこの調子では、本物を目の前にしたら本当に朝までやり倒してしまいそうだ。連休の時でもなければ、迂闊に薪に会えないかも。
 
 その時にはちゃんと下準備をして薪を苦しめないようにしようと、理性と衝動の挟間で青木は薪の幻を抱きしめた。





テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Author:しづ
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2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
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