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スキャンダル(6)

 ちょっと私信です。
 Mさま、
 すみません、たくさんお気遣いいただいちゃって、なのに昨日に限って日中測量に引っ張っていかれて、夜は夜間工事の現場パトロールに行かなくちゃで、お返事返せなくって~~(言い訳してすみませんっ)
 これからちょっと入札なので、戻りましたら改めてお返事させていただきます!
 Mさまのご心配を長引かせてしまってすみません! わたしの方は全然平気なので、どうかお気遣いなく!!
 これからもよろしくお願いしま、はっ、この後の展開で見放されたらどうしよう……見捨てないでください~~~っ!!


 それとですね、
 この章は短いので、帰ったら次の章も上げます。
 書いてるときはページ数のことなんか何も考えてないので、こういうマヌケな状態に。 平均して一定の量で書ける人って、尊敬します。







スキャンダル(6)






「今度の週末は、のんびりできそうだよ」
 今年から官房室の新しい顔になった若き警視長に、小野田はやわらかく微笑んだ。執務机の前に姿勢よく立った彼は、小野田の笑みを受けて書類を机に置き、内ポケットから取り出したスケジュール帳に何事か書き込んだ。

 7月に入り、怒涛の挨拶ラッシュはいくらか落ち着いて、官房室全体の寝不足はようやく解消され始めた。
「きみもゆっくり休みなさい。体調管理も仕事のうちだよ」
 はい、と返事をして、じっと手帳に目を落とす。薪の肩が力なく落ちている様子に気付いて、小野田は彼の疲れがピークに達していることを知る。小野田の繁忙は年中無休だが、今年から非公式ではあるが官房室に招き入れた秘蔵っ子の忙しさも、この数ヶ月は常軌を逸していた。いくら若いとは言え、疲れも溜まるはずだ。

「風邪は治ったの?」
「は?」
「先週のいつだっけ、すごくだるそうにしてただろ? 風邪でも引いたんだろうって中園が言ってたけど、違ったの?」
 薪は困ったように睫毛を伏せて、曖昧に首を振った。常なら生き生きと輝く亜麻色の瞳に最近覇気が見られないのは、体調のせいではなかったのか。
 身体に異常がなければメンタル面だ。となると、解決法は。

 小野田は暢気な口調で、思いついたように言った。
「温泉にでも行こうかな」
「いいですね。ご家族も喜ばれるでしょう」
「あー、ダメダメ。今度の土日は妻は同窓会だし。行き先が温泉じゃ、娘なんかついてきやしないよ」
「香ちゃんもですか?」
「それがさ、香のやつ高校生になったら途端に色気づいてさ。週末はボーイフレンドと海に行くとかって……父親なんてね、淋しいもんだよ」
 4年前、14歳だった香は薪に夢中だったが、高校生になると現実の男性に目を向け始めた。父親としては薪に対して叶わない憧れを抱いていてくれたほうが安心だったのだが、いつまでも夢を見てはいられないのが現実というものだ。

「よろしかったら、僕がお付き合いしましょうか」
「何言ってんの。きみにだって、プライベートの予定があるだろ」
「いいえ。特にありません」
 この数ヶ月、図らずも彼のプライベートは殆ど小野田が押さえる結果になってしまった。近頃薪に元気が無いのも、きっとそのせいだ。だから、温泉は自分が行こうとしているのではなく、「彼と温泉にでも行ってきたら」という控えめな提案だったのだが、こういうことに鈍い薪には伝わりにくかったようだ。

「気を使わなくていいよ。休みの日も上司と一緒なんて、疲れるだけだろ」
 まあ、薪の相手にしてみれば同じ状況なのだから、一概には言えないが。
「薪くんが付き合ってくれるって言ってるのに、それを断るなんて不届きなやつだな」
 首席参事官の中園が、皮肉な口調と共にドア口から現れた。
「薪くん、僕と行こうよ」
「中園。薪くんにはちゃんと相手がいるって言っただろ」
 薪が現在の恋人と付き合い始めた当初から、中園はその事実を知っている。こちらの方面のことに疎い小野田は、困った性癖を持つこの悪友に相談を持ちかけたのだ。つまり、薪に付いた悪い虫をどう退治したらいいか、ということについて。
 その当時は何が何でも別れさせてやる、と意気込んでいた小野田だが、以前と比べて格段に明るく穏やかになった薪を見ていると、ふたりの仲を裂くことばかりが得策ではないように思えてきた。今回のように会えない時間が長くなると、薪は明らかに憔悴する。諸手を挙げて賛成するわけにはいかないし、できることなら真っ当な道に立ち返って欲しいと願っているが、自然にふたりの気持ちが冷めるのを待とうか、という気持ちも生まれてきている。
 ところが。

「青木くんとは別れたんだよね、薪くん」
 薪の前では素知らぬふりをしていろと言ったのに相手の名を出すなんて、いやその前に、いま何と言った?
 驚いて薪を見ると、薪はペンを持ったまま固まっている。

「ね?」
 中園に促されて、はい、と答える。その声は硬く、まるで機械音のように何の抑揚もなかった。
 小野田の前では滅多と見せたことのない能面のような無表情に変わった薪に、小野田はそれ以上言葉を継ぐことができなかった。


テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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