緋色の月(2)

 こんにちは~~。

 みなさま、連休はいかがお過ごしでしたか?
 楽しい夏の思い出はできましたか?

 わたしは3連休を利用して、家族で旅行に行ってきました。 たくさん遊んで、楽しかったです。 (←頭の悪い小学生の日記のようだ。)

 しかし、あの暑さには参りました~。 
 昼食を終えて車に戻ったら車内の温度が半端なくて。 どれくらい凄かったのかというと、
 車のナビが「車内温度が異常です。ナビを中止します」って喋ったかと思うと、突然真っ暗になっちゃったんですよ。(@@) 

 熱でナビが壊れたのは初めてだったのでびっくりしましたが、考えてみればナビゲーションシステムって精密機械ですものね、熱には弱いんですね。 取り付け型のポータブルナビだったものですから、直射日光が当たってたのがいけなかったんですね。
 幸い、車内が冷えたらナビは復活しまして、旅行に支障はなかったのですけど。 あのままお亡くなりになったらどうしようかと思いましたよ。 
 ポータブルナビには日よけをしないといけないんですね。 みなさまもご注意を。 



 で、お話の続きです。
 あー、まだプロローグの途中だったんですね。(^^; 
 次の章から本編に入ります。 よろしくお願いします。





緋色の月(2) プロローグ(2)






「……あれ?」
 深く息をしながら薪は、不思議そうに空を見ていた。何がそんなに気になるのか、正中した月をじっと見据えている。

「月がどうかしましたか」
「白い。てか、蒼い」
 月は青白くて当たり前だと思うが。

 何を当然のことを、などとは言わずに、そうですね、と答える。せっかく薪が茫洋としているのだ。怒らせて正気に返す手はない。
 裸の薪を膝に載せたまま、青木は自分の鞄に手を伸ばし、中から濡れティッシュとタオルを取り出した。自分の左手に付着した薪の残滓を拭い、それから薪の身体をきれいにしてやる。ここに外灯はないけれど、今夜は月がとても明るいから作業に支障はない。

 青木は行為の後いつも、薪の身体を清めてやりたいと思っている。でも薪は恥ずかしがって、なかなか身を預けてくれない。あんまりしつこくすると、青木の腹に蹴りを入れてシャワー室へ猛ダッシュされる。情事の余韻など、あったものではない。
 その薪が、今夜はどうしたことか、薪の中の青木が力を失くしても青木から離れようとせず、ぼんやりと宙を眺めていたのだ。まるで何かに酔ったようにとろんとした瞳をしている薪を、青木はこれ幸いとばかりに膝に抱き、陶器製のビスクドールを磨くように細心の注意を払って彼の身体を清めた。

 開かせた脚の奥に指を入れ、中に溜まった残留物を掻き出す。白く濁った液体が、薪の尻から草叢に落ちてくる。他人から見たら、汚らしい光景だと思う。薪はこういうことに嫌悪感を抱くタイプだから、きっと青木に後始末をさせるのは忍びないと思って青木の腹を蹴るのだろう。
 だけど青木にとって、それは薪との愛の証。
 自分が放った体液と薪の粘液との混合物。その液体は、これ以上ないほどに侵食しあって、どこからが自分でどこからが彼だか分からなくなったあの刹那を証明する物的証拠。他人からどう見えようと関係ない、青木には大事なものなのだ。

「あの月」
 青木にされるがまま素直に身体を開いていた薪が、ぽつりと呟いた。
「さっきまで、真っ赤じゃなかったか」

 そう言えば、最中にそんなことを言っていたような。
 でも、青木には赤い月の記憶はない。空気中の塵や水蒸気に影響されて、低空の月が赤く見える現象は知っているが、今夜がそうだったのだろうか。
「おかしいな……」

 下着とズボンを太腿まで持っていくと、薪は気がついたように腰を浮かせた。青木の手を払って、残りは自分で引き上げた。正気に戻ってきたらしい。
 さっと立ち上がり、でもすぐによろけて、無理もない、あんなに夢中になって下半身を動かしていたのだから膝が笑って当然だ。仕方なく薪は草の上に胡坐をかいて、ワイシャツのボタンを留め、ズボンのベルトを締めた。ネクタイを取り上げるが、あちこちに唾液のシミが付いていて、歯型も残っていたりして、これはもう使えないと判断してか、ぐしゃぐしゃに丸めて上着のポケットに突っ込んだ。

「立てますか?」
 身づくろいを済ませた青木が薪に手を差し伸べると、薪は、うん、と頷いて、でも桜の幹にもたれたまま、未練がましく月を見ていた。

 青木が薪の腰を抱くようにして立たせてやると、薪は青木の胸に額を預け、
「気のせいだったのかな」
 その言い方が、あまりにしゅんと項垂れる風だったので、青木はお節介と知りながら赤い月の講義を始める。
「空気中の塵や水蒸気に邪魔されて、月の光が減じて波長の長い赤色だけが眼に届く。赤い月って、そうやって見えるんですよね。所詮は錯覚みたいなもんですから。身体の状態に影響されるのかもしれませんね」

「またおまえは、いい加減なことを」
 とん、と突き飛ばすように青木から離れて、薪はひとりで歩き出した。青木はその後ろを、二人分の鞄を持っていそいそと追いかけた。


                  *****



 あんな彼を初めて見た、と私は思いました。

 それは衝撃であり、感動でありました。
 とてつもなく大きな感情の波動が私の背中を震わせ、その弾みで私は再度この世に生まれたと言っても過言ではありません。
 かつての私には、もう戻れませんでした。
 私は暗がりの中で立ち上がり、私の前に新しく伸びる道に向かって一歩踏み出したのです。


              

テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Cさまへ

Cさま、こんにちは。

ええ、びっくりしました。 ナビって、あんなこと言うんですねえ。
『マキコちゃん』というCさまのネーミングセンスに、薪さんへの愛を感じつつ、すみません、吹きました。(^^;) 可笑しかったんだもんっ。


>そんなナビちゃんよりも、薪さんたらまあ、今回はなんて素直でエロくてお可愛らしい

いやん、Cさままで。 恥ずかしいのでカンベンしてくださいっ。(><;
青木さんが羨ましいですか? Cさまも、薪さんに何かしたい派ですか? ←どさくさに紛れて、なにを失礼なことを訊いているのか。
わたしはひたすら出歯亀に徹する滝沢さんタイプです。 ←コメ欄で公言することじゃない。


>そして期待通りに、青○、見られてたんですね?
>薪さんの妖艶ビーム直撃で貝沼2号ストーカーさんの誕生ですね?

そうなんです~~。
貝沼2号を作ろうと思って、お外でさせたんです~~。 (←非道)

それと、Cさまのご心配ですが、
大丈夫です、今回は薪さんは泣きません。 青木さんのために、一生懸命で泣いてるヒマはありません。(^^
これねえ、青木さんが誤認逮捕されたときにプロットを立てたんですよ。 だから、捜査会議でテンパッてる薪さんが元になってるんです。 
あの時の薪さん、ひたすら一生懸命だったでしょう? 今回は、そういう薪さんなんです。 なので、本編に入ったら色気ないです★☆★

長い話で、しかもちょっと更新も空きそうですけど、気長にお付き合いいただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。

こんばんは!
なんだか今回のストーリーはエロさとミステリアスさの両方で素敵ですね~^^
私は月が好きで、月関連の話には釘付けになりますw
薪さんには月が似合います(確か秘密のコミックスのカラーイラストで薪さんと青木のバックに巨大な月…というイラストがあったような~)青木は太陽とか昼間の雰囲気ですよね。
小説楽しみにしてます!ではおやすみなさい(^^)/

未来さんへ

未来さん、こんにちは!
あ、顔出されるの、初コメ以来じゃないですか? 
ありがとうございます、うれしいです!!

わたしね、コメント欄でワイワイお喋りするの、大好きなんですよ。
どなたかのコメントに他の誰かがツッコミ入れてくれたりして、掲示板みたいになるのが理想です~。 コミュの輪を自分のブログで感じられるのって、管理人だけに許された特権なんです。
原作がここまでしんどくなかった頃には、そういうブログさん、多かったんですけどね・・・・・今はちょっとね・・・・・(^^;


> なんだか今回のストーリーはエロさとミステリアスさの両方で素敵ですね~^^

いやん、未来さんにまでエロいって言われちゃいました!(><)
ちがうの~~、これは話の展開上仕方なく~~、ここでエロく美しく書かないと、犯人の心情に納得がいかないから~~。
でも、エロくてミステリアスなのはプロローグだけで、本編に入ったらお仕事モードの薪さん全開ですから。 清清しいくらい色気ナッシングです。


> 私は月が好きで、月関連の話には釘付けになりますw

そうなんですか~~!
わたしも秘密の二次創作を読み出してからですけど、よく月を見上げるようになりまして。 (お月さま=鈴木さん)
先日とうとう、ベランダにキャンプ用の椅子とテーブルをセットしちゃいました☆
月のきれいな夜は、オットと一緒にここでビールを飲んでます。 ふたりともあんまり叙情的な人間じゃないので、ほんの30分くらいですけどね。

> 薪さんには月が似合います(確か秘密のコミックスのカラーイラストで薪さんと青木のバックに巨大な月…というイラストがあったような~)青木は太陽とか昼間の雰囲気ですよね。

たしかに!
薪さんにはピカピカのお日さまより、月の方がお似合いです。
これを擬人化すると、薪さんには青木さんより鈴木さんがお似合いと言うことに・・・・・・あれ?(←あおまきすと的にまずい結論)
ところで、このイラスト、何巻に載ってましたっけ? (見つけられなかった・・・(^^;) 
この構図だと、コハルビヨリさんにいただいたイラストが真っ先に浮かんでしまったんですけど。(『はじめまして』の追記に描かれているイラストです)
清水先生も描かれてたのでしょうか? わたしがメロディを買い始める前だったのかな~、見たかったです~。


> 小説楽しみにしてます!ではおやすみなさい(^^)/

ありがとうございます!
諸事情ありまして、更新が不定期になってますが、どうかゆっくりお付き合いください。

イラストですが9巻にありました。
けど、すみません!
巨大な月ではありませんでした。ちっさい月でした(笑)なんで巨大って思ったんだろ…謎だ(笑)
薪さん&青木ってのは合っていたけど^^
青色と月と隅にある樹?が印象的でした~\(^^)

未来さまへ

未来さん、こんにちは。

教えていただいてありがとうございます!!
本当だ、お月さまですねー!

はい、わたしも木の方に意識を取られておりました。
これ、空が青いから真昼の月なんですね・・・・・うん、夜に限らず、昼間でも月 (=鈴木さん) は天空にあって薪さんを見守っているんだよ、ということですね!!
素晴らしいイラストです!! (←見方が歪んどる)

確認していただいて、本当にありがとうございました!
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

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