春よ、来い(1)

 新しいリンク先のご紹介です。

 もう殆どの方はご存じだと思うのですけど、 
 『ひみつの225』 (←押すと飛べます。)
 の にに子さま に相互リンクを貼っていただきました。

 甘い甘い青薪さんの、漫画・イラストサイトでございます。
 すっごくきれいで色気のある薪さんが満載です。 それと、にに子さんは青木さんフリークなので、青木さんがとても男前なんですよね!! カッコよくてかわいいです♪

 個人的には、にに子さんの描かれるコマ漫画が超好きです。
 デフォルメした薪さんがむちゃくちゃ可愛いの

 リンクから飛べますので、ぜひどうぞ。



*****



 で、こちらのお話なんですけど。
 かなーり昔、リクエストを募ったときの候補のひとつ、「薪さんが、もう青木さんは要らないと思う話」です。

 書いたのは3年前、なんと2008年の10月です。
 最初の予定では、この話が最終話になるはずでした。 薪さんが完全に立ち直って、前向きに歩んでいくラストを書いたつもりでした。
 今読み直してみると、
 …………こっちの薪さんの方が立派じゃん! 書いた分だけ堕落したよ、うちの薪さんっ!!

 もう、今となっては矛盾だらけなラストなんですけど、最初の予定はこうだった、ということで理解してください。
 そのようなSSを公開する理由は、リク募集の際に題名だけとは言え作品があることを明かしてしまったこと、それを読みたいと言ってくださった方が何人かいらしたこと、の他にもうひとつあって、ものすごく昔のことなんですけど、
 みひろさんちの薪さんがカエルが苦手だというSSに「カエルつながりで最終話が書いてあるから、あとで公開しますね」とコメントしたことがあるので、このままお蔵入りにするわけにもいかないかな~って。

 混乱覚悟で晒します。
 本編とは若干設定が異なりますので、カテゴリはADでお願いします。

 3年前の作品なので、文章の拙さと話の荒さは大目に見てください。(^^;




春よ、来い(1)




 薪は重役会議が嫌いである。
 警視正の役職に着任してから何度かお呼びがかかった重役会議だが、下っ端の身分で自分の意見を述べられるわけでもないし、議題の重要性の割に実のある会議内容とも思えない。それは当然のことかもしれない。会議の出席者たちが真剣に考えているのは議題についてではなく、自身の属する派閥の強化だからだ。加えて老人たちは保身のためか、政治家を真似てはっきりものを言わない。第九のディスカッションのほうが遥かに充実している。一度、上層部の老人たちに第九の会議を見せてやりたいくらいだ。
 狸と狐の化かし合いみたいなこの会議で、薪は明日、一つの議案を通さなければいけない。そのため、彼は自宅に帰ってきてまで会議の草案を練っていた。

 薪が机から参考資料を探っていると、引き出しの奥から古い写真が出てきた。
 亜麻色の髪の華奢な男がスーツ姿で黒髪の男の上に乗り、彼のズボンを脱がせて下着に手をかけている。改めて見るとすごい構図だ。
 思わず作業の手を止めて、写真に見入る。
 懐かしい―――― これはまだ薪が第九の室長になる前、準備室室長として第九発足のための様々な職務をこなしていた頃のことだ。
 創立メンバーの人選からMRIシステムの試運転、追加すべき機材とマニュアルの作成。人権擁護団体の強烈な批判に対する回答は完璧に仕上げて上層部へ報告。マスコミの対応も怠りなくこなす――― とにかく忙しくて忙しくて、捜査(しごと)をしているヒマがないというまるで落語みたいな落ちがついた時期だった。

 職員のひとりは始めから決まっていた。発足時のメンバーは室長権限で選ばせてもらえるという話だから、室長の役職を引き受けたようなものなのだ。
 大好きな親友と一緒に仕事ができる。
 それは、捜査一課のエースだった薪を研究所勤務に踏み切らせた大きな理由だった。

 鈴木は以前からMRI捜査に高い関心を示していて、もしかすると薪よりも第九の職務に就きたかったくらいかもしれない。だから薪が声をかけると二つ返事で引き受けてくれた。他のメンバーの人選は鈴木と話し合って決めた。もちろん辞令は上層部から出されるが、事前交渉には鈴木が当たった。人当たりの良い鈴木は、標的となった職員を見事に説得してきた。果たして、第九にはエリート中のエリートが集まり、研究所の頭脳集団などと呼ばれるようになったのだ。

「な、なんですか? その写真!」
 大きな声に、追憶から引き戻される。
 眼鏡をかけた背高のっぽが薪の後ろから写真を覗きこみ、非難めいた声を上げている。まったく面倒なやつだ。誤解ばかりして、その飛躍した思考はいつも薪を苦笑させる。

「何って、見れば解るだろ」
 わざと意地悪く言う薪も薪だが、このパターンに何度も騙される青木も青木だ。
「鈴木さんにはこんなに積極的だったんだ……オレには一度もこんなこと」
 どよよん、と周りの空気を重くしてぶつぶつ言い始める青木に、薪は意地悪な笑いを抑えきれない。
「なんだ。これと同じことをやって欲しいのか?」
「当たり前ですよ。薪さんからしてくれたら、嬉しいに決まってます」
「今は秋だからムリだな」
「は?」
 わけがわからない、という顔をしている。当たり前だ。この写真だけでは、その時の事情はわからない。

「別のことならしてやれるぞ」
 写真を机の上に伏せておいて、薪は色香を含んだ目で青木の顔を見上げる。回転椅子を回して青木の腰をつかむ。ベルトを外してズボンの前を開き、ワイシャツを捲り上げて少し身をかがめ、へその辺りにキスをする。
 青木には残業手当もつけずに、自分の仕事を手伝わせている。見かけよりずっと仕事のできるこの部下の書類は誰よりも手早くきれいで、会議の資料作成の助手にはもってこいだ。これくらいサービスしてやろう。

 下着に手を掛けて中のものを引き出す。右手で軽く握って、口を近づける。
「ま、薪さ……」
 青木がびっくりしている。
 べつに初めてじゃないのに、と薪は思い、しかしすぐにその理由に思いあたる。ベッドの中では何度かしたことがあるが、こんなところで服を着たままするのは初めてだ。それで驚いているのか。かわいいやつだ。

 先端にキスをしてくちびるを開き、咥え込もうとする。が、椅子に腰掛けて屈んだ体勢では角度がうまく合わない。薪は椅子から降りて床に膝をついた。風俗のような位置関係に抵抗はあるが、この姿勢のほうがやりやすい。
目を閉じて口に含む。薪のちいさな口の中でそれはすぐに反応し始めて、たちまち固く屹立していく。そんなにご無沙汰だったかな、と薪は記憶を探る。いや、先週の土曜はここに泊まって朝までさんざん……まだ3日しか経ってないじゃないか。若いってのはこわい。

 さっきの写真に写っていた薪も鈴木も、あの頃は若かった。ちょうど今の青木と同じ年だ。
 これからどんな悲劇が自分たちに訪れるかも知らずに、第九の可能性に、未来に、胸をときめかせていた。あの事件さえなければ、薪は青木とこんな関係にはならなかった。鈴木が生きていたら、きっと彼以外の人間は今も目に入らなかっただろう。

 大好きだった鈴木。
 恋人として過ごした時期もあったが、友人としての時間のほうがずっと長かった。鈴木と雪子と3人で、それはとても楽しくて笑いの絶えない日々だった。

 もう、二度と戻らない。あの日々も親友も。
 昔日の光景が輝いているほどに、現在の寂しさは強くなる。いま、薪には親友と呼べる人間はいない。
 青木はちがう。青木とは友だちにはなれない。

 僕の親友は、生涯おまえだけだな――――― 青木の昂ぶりを口に含み頭を動かしながら、薪はその当時のことを思い出していた。




テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学

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Aさまへ

Aさま、こんにちは。

そうなんですよ、3年も前に立ち直る話は書いてたんです。
ていうかね、これを書いて、ここに持って来るように話を進めていたつもりだったんです。
ところが、うちの薪さん、書けば書くほどダメ人間になっていって、しかも青木さんにズブズブ嵌っていって、このラストでは収まりがつかなくなってしまったんです。 なので、これは別バージョンということで。(^^;


>それは置いといて、薪さんたらそんなやばい写真を引き出しなんかに入れといたらダメでしょう!10月号みたいに捜索されたらどうすんの!?ええっ、青木じゃない!?何だ、鈴木さんか(笑)

鈴木さんならいいんですね。(笑)
ええ、うちの薪さんのお相手は、この二人だけです。 他はあり得ないので。


>そうよね、鈴木さんが生きていたら青木はやっぱり、お子チャマですよね(^^;)恋愛対象にはできなかったでしょう。

年も離れてますしね~。
どうしても自分が守る立場、上の立場になるでしょうね。 鈴木さんには甘えられるけど、青木さんには甘えられないんじゃないかな?
恋愛対象としても、最初は難しかったでしょうね。 原作だって、青木さんに鈴木さんの面影がなかったら、薪さんは果たして青木さんを好きになったのでしょうか・・・?

Aさまは、カエルお好きですか?
いつだったか、ヤモリをかわいいっておっしゃってましたね。
わたしは両生類とか爬虫類はちょっと~~~、蛇とかも怖い~~、
動物が好きになってから年季が浅いので、(若いころは動物が嫌いでした) もっと年数が経てば爬虫類の可愛さが分かるのかもしれません。

わたしの家は田舎で、カエルは今現在、窓にべたべた張り付いています。 Aさまがお好きだと仰るので、まずは、よく観察してみようと思って見てみたのですけど、
この白いお腹はやっぱりキモチワルイです、ごめんなさいっ。
見慣れればかわいいのかな。 精進します。

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Nさまへ

Nさま、こんにちは。(^^

えー! サブジャンルランキング1位!?
すごーい!!
いや、それはNさまの実力ですよ~~!!! だってNさまの描かれる薪さん、すっごくきれいだもん。 しかも、とっても面白いの♪ ラブいしv-344


このお話は、当初予定していたラストなんです。
でも3年も書いてたら、すっかり薪さんの性格が変わってしまって~~、このラストじゃ収まりつかなくなっちゃいました☆



>「薪さんが、もう青木さんは要らないと思う話」です。
> って、これ私読めないパターンですかね?
> だって青木くんフリークな私は彼が彼から追放されたら私も泣きますよっていつもいってるじゃないですかでも読みたいんですけどもこの葛藤どうしたら!!(ノンブレス)

あははははっ!!
大丈夫ですよ、この話では別れませんから。 この話では。(不吉に繰り返してみました)


> 頑張って読みます。付いていきます。(原作並みの気合の入れよう)
> あ、あれ?ハピエンって言ってたのは本編のラストだった・・??
> ADだから青薪的ハピエンにはならない・・??(混乱)

そうですねえ。
実は、これを書いていた頃は、わたし、青木さん大っ嫌いだったんです、ごめんなさい。 だからこの話は青薪的ハッピーエンドというよりは、薪さんの単独ハッピーエンドになってますね・・・・・よく考えたら、これってあおまきすと的には一番辛いラストなのかも。(^^;


> それにしてもやっぱりこちらの薪さんは鈴木さんの心占有率が高いですね~。
> 青木くんはただの部下からの粘り勝ちだけど、鈴木さんがいたら完全に負けてますよね。残念ながら。

薪さんは、そう思ってるみたいですね。
でも実際はどうなのかな~?
だって鈴木さんて、生きてても結局は雪子さんと結婚しちゃうわけだし、その心の隙間に青木さんが入り込むことは不可能ではないと、個人的には考えているのですけど。

どんな状況でも、ふたりは恋人同士になると思います。 わたし、あおまきすとですもの。(^^
プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
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書いてます。
60Pを超えました(笑)
7/18 推敲やってます。
あと20ページ。
7/20 推敲の結果、70Pになりました。←バカじゃないの。
2回目の推敲に入りました。
こんにちは(^^
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