こんにちは!
一昨日の夜から昨日に掛けて、たくさん拍手いただいた方、ありがとうございました♪♪♪
おかげさまで、一日の拍手数の最多記録を更新しました。 多分、200超えたのは初めてだと思います。 拍手いただいた具体的な時刻は、一昨日の23時頃から朝の5時くらいまで、
あのっ、いつお休みになられるんでしょう!?
すみません、日中も引き続き、ありがとうございます、でも、
寝てくださいーー!!!
別々の方だったらいいのですけど~、わたしだったら気がkur、クルクルってなる~~~。
どうか、お身体にご負担の無い範囲で読んでくださいねっ。
でも、とっても嬉しかったので、がんばって(13)まで読み直ししました。(←現金)
拍手はブロガーの栄養剤でございます。 いつもありがとうございます!!
で、お話の方なんですけど~、
薪さんに生命の危機が、ってそれはもはやうちのスタンダードなので、(<おいおい) どうか心配しないでくださいね。 これ、基本ギャグ小説だし。
ということで、続きです。
パンデミック・パニック(8) 山岡宏は、科警研管理棟の倉庫で発見された。
口をガムテープでふさがれ、手足を縛られて用具入れに押し込まれていたのを岡部と竹内が見つけ出した。襲われたことにひどいショックを受けていたが、命に別状はなく、目立った怪我もしていなかった。
犯人の男にはまったく見覚えがない、と山岡は言った。
山岡は二日ほど前から、溜まった有給を消化するための予定もない休暇を取っていたが、今夜は実験途中の細菌のデータを取るために研究室に来ていた。法一の職員の多くは研究者であり、常に何がしかの実験を行って論文を著している。山岡のように休暇中に研究室を訪れる職員は珍しくもない。
山岡は実験に没頭し、夜中になって空腹を覚えたので、管理棟のコンビニに夜食を買いに来た。その道中、犯人に出くわせてしまった。運が悪かったのだ。
「山岡からは、犯人につながるような証言は得られませんでした」
中園に対する報告を終えて、岡部は電話を切った。細菌事件の詳しい情報は第五研究室から報告されるはずだから、岡部が言及したのは行方不明になっていた法一の職員のことについてだけだ。
ふう、と岡部は溜息を吐いて、ソファにもたれた。まったく、大変な夜だった。
此処は法一の副室長室、つまり雪子の部屋だ。岡部同様、今宵の騒動に巻き込まれた面々が集まっている。
「ご苦労だったな、竹内」
「いえ、俺はうれしかったです。久しぶりに岡部さんとご一緒できて」
嫌味なく笑う後輩の顔は、相変わらず俳優のように整っている。まさかこの男が、結婚相手に雪子のような女性を選ぶとは思わなかった。人の縁とは分からないものだ。
「先生もお疲れさまでした。家に帰って休んでください」
「そうします。さすがに20キロは効いたわ」
四時間掛かってもおかしくないハードな司法解剖を、雪子は二時間で終わらせた。助手に付いた職員の話では、その指先は普段となんら変わらぬスピーディさで、20キロの防護服をものともしなかったそうだ。雪子の「鉄の女伝説」がまた一つ増えるだろうと岡部は思い、その噂が薪の機嫌を悪くすることを予想して憂鬱になった。
「でも、これで臨月でも解剖ができるって自信がついたわ」
「……おい、竹内。何か言ってやれ。夫としてというよりは人として」
「さすが先生。惚れ直します」
……いいのか、それで。
多大な疑問に太い首を傾げる岡部を他所に、新婚夫婦は眼と眼で想いを交わす。勝手にしてくれ、と岡部が匙を投げると、彼らは申し合わせたようなタイミングで立ち上がった。
「じゃあ、俺と先生は一旦帰ります。岡部さんは、病院へ?」
「ああ」
司法解剖が終わり、血液検査の結果も出たおかげで治療方針が決まり、薪は病院に移された。第九には再び衛生班が入り、室内の洗浄と消毒を行って、今日の職務に支障が出ないように後始末を進めてくれている。
「こいつとの約束だからな。薪さんの傍に付いていてやらないと」
そう言って、岡部は執務机の横を見やる。
雪子が仮眠に使っている寝椅子に長々と伸びているのは、先刻まで第九に立て篭もっていた凶悪犯、もとい、暴走迷惑男の青木だ。こいつのせいで、今夜の疲れは二倍になった気がする。
薪が病院に収容されて安心したのか、青木は目眩を起こして倒れてしまった。防護服を着て何時間も過ごしたのだ、体力を削られて当たり前だ。しばらく休めば元気になる。それまでは自分が薪についている、と青木に約束した。
「事件の顛末と、薪さんの身体について、説明もしなきゃならないし」
「室長に本当のことを言うの、勇気が要りますねえ。あの人のことだから、あまりのショックに暴れ出すかも」
「あたしから言いましょうか? 患者への告知は医者の仕事だし」
「すみません、その役目、オレにやらせてください」
寝椅子から上がった声に、ソファの3人が一斉に振り返る。
「なんだ青木。起きてたのか」
眠っているとばかり思っていた後輩はやおら起き上がり、秀でた額を押さえながら椅子に座り直した。
「薪さんにはオレから話します。だから、もし岡部さんが付き添っているときに薪さんが目覚めても、薪さんの身体のことは伏せておいてもらえますか」
「それは構わんが」
薪の気持ちを考えたら、一刻も早く知らせてやった方が良いに決まっている。青木がそんなことも分からない訳はないから、青木なりに何か考えがあるのだろう。
常なら「ありがとうございます」と素直に礼を言うはずの後輩は、未だ目眩が治まらないのか、岡部の応諾に頷くこともしなかった。眼鏡を外しているせいでいつもより鋭く見える青木の瞳は、暗い焔のような憂慮に満たされていた。
テーマ : 二次創作(BL)
ジャンル : 小説・文学