破滅のロンド(25)

 いつまでも、ウジウジしてちゃいけないなって思いました。 
 たくさんの方に慰めてもらって、
 メールで愚痴を聞いてもらって、色んな方のブログでぶーたれて、
 気が付いたら他人様にいっぱい迷惑掛けてました。 ごめんなさい。 

 色々な方と話をして、『秘密』がハッピーエンドだったことを喜びをもって感じられるようになったし、青薪的にも明るい要素はたくさんあるって分かったし、
 ほどほど前向きに(笑)エピローグを待てそうです。

 本当に、ありがとうございました。

 実はこの話、原作薪さんの意に副わないSSになってしまったので、この駄文の山、どうしよう、と途方に暮れていたのですけど。(個人的な解釈です。「結婚しろ」は本心ではなく、薪さんは本当は青木さんのことを心から求めているとお思いの方は、ご自分の考えを大事にしてくださいね)
「帰ってきてね」「これからもブログ続けてね」と何人もの方に励ましてもらって、「このブログはまだ存続してもいいんだよ」と言っていただいたような気分になりました。
 
 みなさんのおかげで、わたしは今日、此処に居ることができます。

 お礼に、SS書きますねっ。
 思いっきり明るいやつ。
 原作薪さんがああいう決断をした以上、うちの話はもはや二次創作とは言えないのかもしれませんが、お礼代わりに書かせてください。 わたし、これしかできないから。
(感謝の気持ちは目いっぱい込めますが、作品の良し悪しはまた別なので~、あんまり期待しないで~~)
 


 ではでは、お話の続きです。
 よろしくお願いします。













 破滅のロンド(25)






 羽生善三郎氏逮捕の報道は、日本中を駆け巡った。
 彼の経歴は様々なメディアで取り沙汰され、その私設部隊が行ってきた凶行が白日の下に晒された。彼の一派に与していた者、彼から何らかの恩恵を受け取っていた者は次々と捕縛され、逮捕者リストには多数の財界人が名を連ねた。
 その中には、小野田と敵対する警察庁次長、間宮重蔵の首席秘書官も含まれていた。明らかに次長の身代わりと思われたが、そこはさすがに次長職に就いた者の力か、それ以上の追求は為されなかった。また、小野田派にとってはそれで充分だった。トップの身をかろうじて守ったとはいえ、彼らの勢力が大幅に削がれたことは確実であった。

「あのタヌキおやじがいなくなって、大分やりやすくなった。めでたいね」
「中園さん」
 当然、この成果にご満悦の中園が嬉々として薪に同意を促すのに、薪は厳しい顔つきで答えた。
「人が一人、死んでます」

 西野浩平が死んだことは、薪には誤算であり、取り返しの付かない失敗だった。誰の命も失われず、この計画は完遂されなければならなかった。その勝算があったからこそ、薪は実行に踏み切ったのに。
 この計画は、失敗だ。

 悔しさにくちびるを噛む薪の耳に、中園の軽快な声が聞こえた。
「それがなに?」
 思わず、薪は眼を瞠った。中園の顔には失われた命に対する一縷の哀悼も見られず。西野浩平という男は中園にとっては人格すら持たない、死亡者欄に記載された数字だけの存在であると、その事実に薪は打ちのめされる。
「これは失礼した」
 中園は、薪の憤慨と悲嘆を嘲笑うかのように、あるいはそんな些事に拘るようでは大事は為せないと窘めるように、にっこり笑って薪の傷を抉った。
「たった一人しか死ななかった。優秀だねえ、薪くんは」
「中園さん!」
「もともと君が言い出したんだよ? 僕は君に協力しただけだ」
 責めるような口調で呼びかけた薪の声に、返された中園の言葉は正当過ぎて、薪は何も言えなくなった。中園の言うとおりだ。これは自分が計画し、実行するに当たって彼に協力を頼んだもの。しかも、中園が担当した羽生陣営の捕縛に於いては、多少の怪我人は出たものの死んだ人間は一人もいない。ミスをしたのは薪だけだ。

「失礼します」
 薪は一瞬で表情を消し、報告書のファイルと中園に借りた二丁のモデルガンを彼の机に置いて一礼した。
「僕が貸したものは役に立った?」
「ええ、3つとも。特に3番目の秘密兵器は有能でした。西野の人物像を正確に測れたのは、彼の功績です」
「じゃ、約束どおり、彼は第九に配属させるよ」
「お願いします」

 背筋を伸ばし、昂然と頭を上げて首席参事官の居室を後にする。その背中には悔恨も責念も無い。清廉で潔い、いつもの彼だった。
 あの切り替えの速さは高評価だな、と中園はほくそ笑み、部下が置いて行った報告書に手を伸ばした。が、中園が内容を確認している最中にも、ゴツッ、と壁を殴る音が聞こえてきて、小野田陣営の首席参謀は苦く笑う。

「まだまだだねえ」
 中園は呟き、読み終えた報告書にライターで火を点けた。




*****

 ちょっと私信です。

 まゆさん。
 中園のイメージ、伊武さんでは年齢的にもちょっと、とわたしも思いました。(^^;
 わたし、本当に俳優さんに明るくなくて、芸能人の誰と誰が付き合ってるだの結婚しただの二世が誰だのって、まったく分からなくて。
 でね、オットに中園の性格を説明したら(性癖ではない) 大杉蓮さんはどうかって。
 いかがでしょう?

 

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

No title

ご無沙汰しています。

先日はコメやメールに丁寧にお返事を頂いて、本当にありがとうございました。
すごく嬉しかったのと、ほっとしたのと…

今回、鍵コメにすると後ろ向き一直線な内容になりそうだったので…ブレーキ代わりに公開コメにしました。


あれから色々な方の考察をたくさん拝見して勉強しています。
皆さん、限られた紙面からよくこれだけ深い読み解きが出来るものだと感心しきり。

以前、しづさんがオフ会話でおっしゃっていた、バラの棘の有無の話もそうです。
(青薔薇は3巻扉にありましたね)

清水先生はもちろん、意図して棘の有無を描き分けられたのでしょうが、その先のキリスト教云々の
意味まで深読みしてくれる読者がいると踏まえて描かれているんでしょうかね…?

だとしたら作者と読者の信頼感ハンパない…漫画家冥利に尽きる、と言いますか。。。






改めまして

本編に私信までいただいて、ありがとうございました。
私をお気遣いくださったんでしょ。。うぅっ。。

性癖的には(!!!)伊部さんでオッケー!だったのですが、性格的には大杉蓮さんはスゴクイイと思いました!!!
以前、奥田瑛二さんとかも浮かんだのですが、それだと中薗サンより小野田サン寄りかなーーと。
大杉さん、イイですっ。 旦那様、ありがとうございます。

(22)での二人の掛け合い。顔ユルミっぱなしでした。 
オヤジスキダー!!!! シヅサンアリガトーーー!!!!


そしてあくまで他力本願、何の先読みもしない私はイチイチ一喜一憂しながらドキドキを満喫しています。
「憤懣やるかたないっ」って…言ってませんよ、まだ。 ええ、まだ… 

…そのうち言うかも。



最新コメ欄、めっちゃ「しづ」さん並んでますね。。。
それだけ多くの方が支持されて応援されてるってことですね。
私もそのお仲間の一人としてついて行きたいと思います~~。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Aさまへ

Aさま、こんにちは。


> ええー!間宮は逮捕されなかったの!?あいつがいると不安だ(>д<)

そんな~、間宮は明るいセクハラオヤジキャラで、薪さんの味方なのに~。(笑)
しかし、そうですね。 次長が逮捕ということになれば、彼も無傷では済まないでしょうね。 娘婿なので、閑職に追いやられるか第三機関に飛ばされるか、きっとここぞとばかりに中園が張り切ることでしょう。 で、多分、薪さんが助けちゃうんだ。 一度だけ恩を返したいとか言って。


原作の薪さん、アッサリとグラサンを射殺してましたね。
うちもいざとなったらやると思います。 目的のためには手段を選ばないのは原作以上ですから。
それに、ご指摘の通り、グラサンは姉夫婦の仇なんですよね。 薪さんの射撃の冴えには、そんな要因もあったのではないかと思いますが、青木さんは、ちゃんと分かってるのかな?



三浦春馬くん似の警察官に遭遇したお話、
まー、うらやましー。
わたし、最近の若いイケメン俳優にはまるで興味がないのですけど、彼だけは『ブラッディ・マンディ』以来、注目しています。 彼、睫毛がすっごく長いんですよね。 いいなあ。

Lさまへ

Lさま。

ご心配お掛けしました~~~!
水面に顔が出てきました! もう大丈夫です!


ブログの閉鎖は、
はい、正直、考えました。
最終回がショックで、と言うよりは、最終的に自分の書いた話は薪さんの望みとは違ってしまった、と思ったからです。
このブログはわたしにとって、薪さんの幸せを願い、限りなく幻想に近い形ではありますが、彼の望みを叶えるための場でありました。 その根源である彼の望みが「青木さんと結ばれること」ではなくなってしまったら、もはや薪さんの応援ブログとは言えないな、って。

でも、Lさま始め何人もの方に、「これからも続けて」とのお言葉をいただきましたので、
閉鎖は自分の身勝手であったと思い直しました。
もともとここは、原作で辛い思いをした薪さんファンの方に少しでも笑っていただきたくて開いたものですからね。 初心に還って、また頑張りたいと思います。


心のオアシス。
そうですね。 そんな風になれたら最高ですね。(^^
まだまだLさまの仰るような場所には程遠いですが、(だって、アホな話ばっかりだもん~~) 精進します。
ありがとうございました♪♪♪

まゆさんへ

まゆさん、いらっしゃいませ。(^^

こちらこそ、お気遣いのお手紙をありがとうございました。
いっぱい慰めていただきました。 おかげで元気になりましたよ! 本当にありがとう。



> あれから色々な方の考察をたくさん拝見して勉強しています。
> 皆さん、限られた紙面からよくこれだけ深い読み解きが出来るものだと感心しきり。

ねーっ、すごいでしょう?
『秘密』のレビューはバカには書けないんですよ。(えーん、書けませんー!(^^;)

たった一コマから、そんなに!? と思うくらい、広く深く広がっていくんですよね。 様々な角度から物事を見る眼と、優れた読解力と知識を持ち合わせてるってことですよね。 そして、それを明確に他人に伝える文章力を持っている。
SSはね、妄想さえできれば書けるけど、レビューには色んな能力が必要だから。 書ける人を心から尊敬します。


> 本編に私信までいただいて、ありがとうございました。

大杉さんでオッケーですか?
わー、よかったー。
いやー、実はあれからずーっと考えてたんですよ~。 オリキャラをそんな風に想像していただけるの、作者冥利に尽きます。(^^ 


> (22)での二人の掛け合い。顔ユルミっぱなしでした。 
> オヤジスキダー!!!! シヅサンアリガトーーー!!!!

オヤジ好きのまゆさんに(なんかすごい冠付いちゃったな(^^;)) 喜んでいただけて嬉しいですっ。
わたしもオヤジ大好きです♪
「鋼の錬金術師」を読んでオヤジの魅力に目覚め、「20世紀少年」で完全にオヤジフェチになりましたね。(・∀・)/  オヤジは世界を救う!!


> そしてあくまで他力本願、何の先読みもしない私はイチイチ一喜一憂しながらドキドキを満喫しています。

そうそう、そのドキドキを楽しむのが本来のファンの姿だと思います。
何をどうしたって、エピローグ読むまではハッキリした答えは出ないんですから、落ち込むのもおかしいんですよね。(^^;)
「憤懣やるかたないっ」は、エピローグを読んでからで充分間に合いますよね!
わたしもその気構えで、2ヵ月後を待ちたいと思います。


> 最新コメ欄、めっちゃ「しづ」さん並んでますね。。。

そうなんですよ~、沢山の方からコメントいただいて、びっくりしました~。(@@)
同情していただいたのと、同じような思いを最終回で抱いてしまった方が、思いのほか多かったみたいです。

まゆさんを始め、みなさん、本当にやさしくて。 顔も知らないネット世界の人間に、なんでそんなに優しくなれるのでしょう。 
共感力が高く、声を掛ける事の大切さを知っている。 事あるごとに思うのですけど、善意溢れる人ばかりが揃った奇跡のコミュなんですよね、秘密コミュって…… 『秘密』を好きになって、みなさんと交流できて、本当に良かった。
連載は来月で終わってしまいますが、この繋がりは終わらせたくないと、切に思います。
まゆさん、これからも、どうかよろしくお願いします。


それと、新しいブログさん、教えてくださってありがとうございます。
さっそくチェックしてみますね。(^^ 


プロフィール

しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

しづの日誌

法医第十研究室へようこそ!
おかげさまで8歳になりました(^^♪
文字サイズをお選びください
最新記事
最新コメント
拍手のお返事
いつもありがとうございます!

最新拍手コメのお返事はこちらです。

過去の拍手レスの確認は、該当記事の拍手欄を押してください。
鍵拍手コメのレスは、記事のコメント欄にお返しします。
月別アーカイブ
カテゴリ
詩 (1)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
QRコード
QRコード
FC2カウンター
こんにちは(^^
現在の閲覧者数: