GIANT KILLING (2)

 お暑い中、本日もお運びありがとうございます。

 みなさんにいただきました拍手が、とうとう3万を超えまして!
 どうもありがとうございますー!! と舞い上がりつつも、今書いてる話は2万5千のお礼SSだったりして。(しかも内容的に超ビミョー)
 すみません、3万のお礼はいつになるやら分かりません。
 でも、いっぱい感謝してます!! いつもありがとうございます!!!



 ところで、
 お盆はお休みの方が多いと思うのですけど、何かと忙しいですねー。
 わたしもけっこう忙しいです。 漏水当番とか電子入札の準備とか積算とか。 ←盆、関係ねえ。
 今日は漏水当番で事務所にいなきゃなので、ゆっくりSS書けます~。 
「どうせ事務所にいるなら仕事しろ」とオットがうるさいのですけど、会社のみんながお休みなのに自分だけ仕事なんて、そんな薪さんみたいなことやってられません。(笑)






GIANT KILLING (2)






 
 自動ドアから現れた華奢なシルエットに、モニタールームの全員の視線が集まった。副室長の岡部が、室長不在の間の進展を報告する。
「室長。4日の深夜に、気になる画が」
「みんな、ちょっと聞いてくれ」
 氷のような無表情で報告を遮った室長の横顔に、職員たちはこれから彼が告げるであろう言葉を予期する。
「現在、捜査中の三鷹の殺傷事件だが」
 続く言葉は分かっていた。それは彼らにとってとても不快な言葉だったが、誰一人室長の言葉を邪魔するものはいなかった。それを一番望んでいないのは、決定を告げる本人であることを、彼らはみな知っていたからだ。

「青木はどうした」
 新人の不在に気付いて、室長は話題を転じた。もしも外に出て実地調査をしているようなら直ぐに帰るよう命じなければいけない、そう思ってのことかもしれない。
「仮眠室です。あいつ、3日も寝てなかったみたいで」
「貧血か」
「ええ、多分」
 本当は机の上で熟睡していたのを、4人がかりでベッドに運んだのだ。普段なら床に転がしておくのだが、進行中の捜査の真っ最中に執務室で眠っていたら、超ド級のブリザードが吹き荒れるに違いない。とばっちりはごめんだ。

 青木の昏倒を聞いて、薪の無表情の仮面にヒビが入った。ぎゅ、とくちびるを噛んで、辛そうに眉を寄せる。伏せられた亜麻色の瞳が、年若い捜査官の席を映した。
 急な失調を物語る、雑然と散らかった机上。幾枚もの写真と、捜査資料に手書きのメモ。
 室長はゆっくりと彼の席に歩み寄って、それらを悲しそうに眺める。

「……これは?」
 被疑者の顔が車のサイドミラーにしっかりと映っている写真を手にして、室長がこちらを振り返る。目の合った曽我が、淀みなく説明した。
「青木が見つけたんです。それ見つけて、気が緩んだんでしょうね。一気に眠気が勝っちゃったみたいで。プリントアウトしながら、もう爆睡してて」
「ば、バカ! 青木が居眠りしてたって、薪さんには秘密だって言っただろ」
「ああっ、しまった!」
 例え証拠を見つけても、警視総監から下された決定は覆らないことを、彼らは今までの経験で知っている。だからこの間抜けなやり取りは、室長の痛みを少しでも和らげるための緩衝材だ。

「室長、眠ったのは青木だけです、ブリザードは仮眠室限定でお願いします!」
 友情は脆くも崩れ去り、ひたすら保身に走る第九の職員たちを尻目に、薪は仮眠室へ入った。
 4つあるベッドの右奥、大きな身体を横たえて、黒髪の青年が眠っている。長い手足がベッドからはみ出している。シングルサイズでは、青木の身体には小さすぎるのだ。
 疲れ果てて眠っているはずの青木の顔は、どことなく満足げで。きっとそれは、自分が見つけ出した証拠が事件解明の役に立つと信じてのこと。あの写真がシュレッダーに掛けられて燃やされる運命にあるなどと、夢にも思っていないのだろう。
 
 メガネを外して前髪を額に下ろして目を閉じたその寝顔に、自然に重なった面影に、薪は胸を熱くする。繰り返し繰り返し、薪の中で木霊するその音声。

 ―――― やりがいのある仕事だよ。とてもやりがいのある仕事だ。

 仮眠室へ行ったきり帰ってこない室長を気にして、職員たちはそっと中を覗きこむ。室長はじっとベッドの傍に立ち尽くしていたが、不意に強い声で命令した。
「マジックペン、よこせ。油性のヤツ」
 唐突な要求に顔を見合わせるが、第九の面々は室長の気まぐれに慣れている。差し出した手のひらに与えられた筆記具のキャップを、薪は迷いなく開けた。
 ペン先の柔らかいフェルトが、すっきりと開かれた眉の間を黒く塗りつぶした。すうっと一直線に伸びた眉毛の上を何重にもなぞり、見事なカモメ型にその形を整えると、
「なかなかのオトコマエだ」と薪は呟いた。

「10年早いんだよ、半人前が。おまえなんかに言われなくたって、解ってるさ」
 眠っている男におかしな言いがかりをつけて、室長は背中をしゃんと伸ばした。大股に足を運び、勢いをつけてドアを開く。モニタールームを走り抜けるようにして、薪は研究室を出て行った。




テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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