たとえ君が消えても(2)

 こんにちは!
 いつもたくさんの拍手とコメント、ありがとうございます!
 
 現場がひとつ上がりまして、これから竣工書類に入ります。 ので、コメントのお返事はすみません、少し待ってください。 図面描き終えたらお返事しますからねっ。
 
 お話の方は、みなさん、青木さんのことが心配でしょうから、先に進めておきます。 とか言いつつこの展開。 
 本日も広いお心でお願いします。




たとえ君が消えても(2)







 公金横領告発の手伝いをする、青木のささやかな正義感が大化けしたのは、翌日のことだった。
 青木の携帯から発信されたメッセージを、薪は官房室フロアの私室で受け取った。携帯電話の画面に映った青木一行の文字を見て薪は、市警での手続きが完了したものと思った。部外者の青木が立ち入れるのは此処までだ。この後はどうせ仕事にならないから一旦帰る、と言う報告だろうと考えた。ところが。

『薪剛警視長?』
「……そのパターンはもういい」
『青木一行警視は預かっている』
「知ってるよ。おまえもこれから色々大変だろうし、20万は振り込んでやるから。銀行口座を教えろ」
『彼の命が惜しくば、『赤羽事件』の真実を全国民に公開し、刑部長陽を釈放しろ』
 弾かれたように、薪は席を立った。右手に持っていた数枚の報告書が、スローモーションのように床に散らばる。

『人質の身代金は20億だ。受け渡し方法は追って指示する』
「ま、待て! おまえは誰だ!」
『刑部長陽と聞いて解らないのか? 愚鈍な奴め。直接おまえに制裁をくれてやりたいところだが、仕方ない、こちらにいる部下で我慢しよう』
「やめろ! 青木には手を出すな!」
 叫んだ時には、電話は切られていた。無用になった携帯電話を切ろうとするのに、手が強張って動かない。心臓が激しく打っている。机上に置いた右手の下で、数枚の書類がくしゃくしゃになっていた。

『赤羽事件』と聞いて、薪の背中を冷たい汗が伝った。

 数年前、神戸に拠点を構える過激派の集団が活動資金調達の為に宝石店を襲撃した。13名からなる犯人グループは時価2億円にも上る貴金属類を奪って逃走、しかし神戸市警の素早い包囲網によって神戸市を出る前に追い詰められた。
 最終的には神戸市警と銃撃戦になり、犯人グループが逃げ込んだ神戸市I町の赤羽ニュータウンでは、住民に多くの被害者が出た。13人の強盗犯のうち、生き残ったのはたったの4名。そのうちの一人、刑部重陽には、一般人を巻き込んだ凶悪なテロ犯罪組織のリーダーとして、1週間ほど前に死刑判決が出ている。

『赤羽事件の真実を』と脅迫者は言った。その死傷者の数の多さから凶悪事件に数えられてはいるが、事件自体は単純な強盗殺人のはず。あの事件の裏側で、何が起きていたというのか。
 それも気になるが、いま薪の心を占めているのは。

「青木……」

 気が付くと、膝がガクガクと震えていた。
 恐ろしい想像が頭に浮かぶ。過激派が制裁を与えると言えば、それは死を意味する。否、青木は人質だ、身代金を受け取るまでは殺しはしないはず。でも、相手は女子供に至るまで容赦なく撃ち殺した過激派グループだ。腕や足の一本くらい、切り落とされても不思議はない。

 視界の端がすうっと暗くなり、吐き気が襲ってくる。貧血を起こしかけていると解って、薪は自分を叱咤した。
 失神は後だ。今は一刻も早く。
 自分が取り落とした書類を踏み付けて、薪は勢いよく駆け出した。





*****


 そしてここで切れると♪ 
 Sでゴメンね☆


テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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Rさまへ

Rさま。


> わわ!何やらハラドキ展開に!

毎度お騒がせしてすみません。(^^;
今回も例にもれず、心臓に悪い話でございます。 よろしくお願いします。


それから、Rさまのご意見。

> 切り替える必要は無いのでは?

>青薪は未来であり鈴薪秘密は過去の記録で同じライン上の前と後。

……そうですよね! 
言われてみればその通り、てか、わたし、ずっとそのスタンスであおまきもすずまきも大事に書いてきたんじゃん!
なのに、どうして後ろ向きになってたのかしら~?


> ああだけどやっぱり原作で青薪がもう見られないのは寂しい(TT)

ええ、これに尽きるんですよ。(;_;)
本当に寂しいです。 永遠に続く物語はないと分かっていて、でもやっぱり寂しい。 読者の我が儘ですね。

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Sさまへ

Sさま。

お名前、無くても誰だかすぐに解りましたよ。(^^ 
このテンポ、洒脱な言葉選び、あ、きっとSさんだなって。

メロディ、2冊買っちゃったんですか? クリアファイルのせい、ていうかそれ、青木さんの腕のせいですよね。(>m<)
実はわたしも、クリアファイル2枚持ってます。 
でもこれはSさんのように、ちゃんとお金を払ったわけじゃなくて。 結構ハラハラする出来事の成果だったんです。(←万引きではない)

買った雑誌が製本不良で、肝心の秘密の広告ページと次のページがくっついててね~、薪さんを破るわけにもいかないから取り替えてもらいに行ったのね。 そしたら店員さんがクリアファイルを指して、
「この付録が一緒に入ってませんでしたか?」
付録も一緒に返してくれ、と言われたんだと思って、超焦りました。
だってさ。

そんなんもう原型留めてねーよ!
とっくにバラしてパウチ保存しちゃったよ!  
説明するったって、パウチ保存の理由を第三者になんて説明したらいいんだ! パウチ保存しなかったら折れたり汚れたりするからそしたら薪さんが可哀想だもん、て、言えるかっっ!!! 

「さ、さあ、どうだったかな~、家に帰ればあるかもしれないけど……」
てな具合に必死にとぼけておりましたら、店員さんが、
「ダブってしまうかもしれませんけど、こちら、よろしかったらどうぞ」 と、新しい雑誌に挟まっていたクリアファイルをくれたのでした。

「え、いいんですか。ありがとうございます」
「いえいえ、お手数掛けてすみませんでした。こんなもので、お詫びにもなりませんけど」
いや店員さん、あなたの仰る『こんなもの』目的でメロディ買った人、何千人もいると思うんですけど。(^^;


毎年血圧が上がるの、『秘密』のせいですか?
たしかに! エピローグでは血圧上がりましたよね!(>▽<)


> ところで過去編では生きてる鈴木さんは描かれるんでしょうかね?

出てくると思いますよ。
わたしもそう、Sさんと同じで、今は未だ青木さん以外は薪さんに絡んでほしくなかったんですけどね。
鈴薪も青薪も、同じ線の上にあるものだ、というコメントをいただきまして、なるほどな~、と考えを改めた次第です。
すずまきすとさんは、思いっきり過去編を楽しめばいいし、
わたしたちあおまきすとは、薪さんが鈴木さんとどんなに絡もうと、それは未来の青薪に繋がって行く、と考えればいいんですよ。(^^ 

薪さんが鈴木さんを殺めるところは描かれないと思いますが、心配事はいっぱい出てくる気がします。 でも、薪さんの無事は保証されてるので、安心して読めると思います。

新シリーズも楽しみですが、それ以上に楽しみなのは、コミックスの加筆ですよ!
どんな青薪シーンが追加されているのか……!
楽しみですね~♪


Mさまへ

Mさま。

切っちゃってすみません~(^^;
役所の仕事熱心な担当者がいけないんですぅ。 
変更設計書がメールで、しかも夜の9時過ぎに届いたのは初めてですー。 月曜日に取りに行くつもりだったの、手間が省けて助かりましたけど、わたしの週末は無くなりました☆


> 相変わらずイヤラシイですねぇ、しづさん(笑)

だってホラ、週刊連載は引きが命、って言うじゃないですか。(どこのバ●マン?)
狙ってるわけじゃないんですけど、書いてると、自然にこういう所で切れちゃうんですよ。 続けて更新できればいいんですけどね~、今回は仕事に割り込まれてしまって。 いつもはただのサボリなんですけどね。<こら。



> 今回、薪さんが出ずっぱりなのはウレシイですが、青木さんの登場が少ないって
> 意外と(!)サミシイものなんですね。

痩せても枯れても、彼は第九編の主人公ですからね♪
薪さんの出番は多いですが、今回の主役は青木さんです。 精一杯カッコよく書いたつもりです。 終盤、ボロボロ泣きますけど、それは青木さんの仕様です。(笑)


お気遣い、ありがとうございます。
Mさんもお忙しいようで。
それじゃなくても神経使うお仕事ですから。 ご無理なさらないでくださいね。

ありがとうございました。(^^
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しづ

Author:しづ
薪さんが大好きです。

2008年の夏から、日常のすべてが薪さんに自動変換される病に罹っております。 
未だ社会復帰が難しい状態ですが、毎日楽しいです。

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